MSX-ENGINE
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MSX-ENGINEとは、ホームコンピューターとして製品化されたMSX用途向けに設計されたカスタムチップの名称。
MSX1相当向けにはT7775やT7937、MSX2以降の用途向けにはT9769(MSX-ENGINE2(別名MSX2-ENGINE))があり、共に東芝が製造を担当した。CPUを内蔵しないMSX-SYSTEMという別のチップも存在する。
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T9769 Ver.A MSX-ENGINE2
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/cc/T9769C_01.jpg/220px-T9769C_01.jpg)
T9769 Ver.C MSX-ENGINE2
●T9769 MSX-ENGINE2(もしくはMSX2-ENGINE[3])
●Z80相当のCPU、AY-3-8910A相当のPSG、その他各種ポートやインターフェース等、MSXを構成するのに必要な周辺回路をワンチップ化。
●主にパナソニック製や三洋電機製のMSX2と、MSX2+、MSX turboRで使用された。
●CPUは3.58MHz駆動で使用しているが、パナソニック製のMSX2+では同社のカスタムチップとの協調により5.38MHz駆動させることも出来た。
●turboRでは、本LSIのほかにシステムLSIとしてS1990が搭載され、R800の動作中にはT9769内部のZ80A相当CPUの動作が停止する排他制御が行われた。
●また、これらに内蔵された、AY-3-8910相当の回路は、東芝のハードマクロセル名はSM7766Aと呼ばれ、ソフトウェアから見た場合は、互換品であるものの、ハードウェアエンベロープの周期などがAY-3-8910とは異なる。
特徴[編集]
●T7775[1] MSX-ENGINE ●MSX1の機能を1チップに凝縮したCMOS-LSI。 ●クロックジェネレーターを内蔵し、RUNモード、IDOLモード、HOLDモードなどの各モードをプログラムから設定可能。 ●T7937[2] ●Z80A相当のCPU、TMS9918相当のVDP、PSG︵AY-3-8910相当︶、PPI︵i8255相当︶を内蔵。 ●スーパーインテグレーション/スーパーマクロセルライブラリーによる設計、1.5um設計ルール、チップダイサイズ10.5×8.6mm、素子数約41000。 ●パッケージは144ピンQFP ●T9763 ●パッケージは144ピンQFP![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/26/T9769A_01.jpg/220px-T9769A_01.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/cc/T9769C_01.jpg/220px-T9769C_01.jpg)
位置づけ[編集]
本チップのような統合LSIの登場により、従来は74シリーズなどを多数使用して構成しなければならなかったMSX内部の論理回路や周辺LSIがほぼワンチップに置き換えられ、安価かつ小型にMSX2が製造出来るようになった。 東芝自身はMSX2をもってMSX規格のパソコンの製造からは撤退したが、その後もMSX参入各社と共同開発した次世代チップのMSX-ENGINE2が、MSX2から最終規格のMSXturboRまでソニー製を除く各社のハードに搭載され続けた。MSX-ENGINEはパチンコ基板や東芝のワープロ﹃Rupo﹄などにも転用された為、その出荷数は自社MSXパソコンの出荷数を遥かに上回ったとされ、﹁MSXでいちばん儲けたのは東芝だ﹂と西和彦が言及したといううわさもあるほどであった[4]。脚注[編集]
- ^ 「ソフトウェアを知りつくしたアスキーの、LSI。」トランジスタ技術 1987年4月号および1986年12月号 広告 CQ出版社
- ^ 「スーパーインテグレーションの適用事例 東芝 半導体第二応用技術部 平井誠一」エレクトロニクス別冊 超LSI TECHNOLOGY&APPLICATION No.5
- ^ 「MSX ハード&ソフト テクニカルデータノート 」月刊HACKER 1989年8/15日号
- ^ 実はいちばん儲けた!? MSX陰の立役者はあのメーカーだった!:MSX30周年 週刊アスキー