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PetaBoxは、Capricorn Technologiesのストレージラック[1]。インターネットアーカイブとCR Saikleyのスタッフによって、1PBの情報を保存、処理するように設計された[2]。
●容量:1.4PB/ラック
●消費電力:3kW/PB
●空調設備がないため、余熱を利用して建物を暖めている。
設計履歴[編集]
インターネットアーカイブのスタッフによってカスタムデザインされたこのPetaBoxらは、元々1PBの情報を安全に保存、処理するために作成された。目標と設計ポイントは次のとおり[3]。
●ラックあたり6kW、ストレージクラスター全体で60kWの低消費電力
●ラックあたり100TB以上の処理能力
●データを処理するためのローカル コンピューティング (800 台のローエンドPC)
●マルチOS対応、 Linuxを標準にする
●コロケーションセンター︵英語版︶と親しくある
●20x8x8の輸送コンテナで輸送できること
●1PBあたり1人のシステムアドミニストレータでメンテナンスささせる
●ディスクミラーリング︵英語版︶を自動化すること
●スケーリングが容易であること
●安価な設計とストレージ
最初の100TB分のラックは2004年6月にユーロピアンアーカイブで運用を開始した。しかし、間もなく更なる容量を必要としたため、同年、80TB分のラックをサンフランシスコで稼働させた。その後、インターネットアーカイブはPetaBoxの生産をCapricorn Technologiesに分社化した[4]。
2004年から2007年にかけて、CapricornはインターネットアーカイブによるPetaBoxを、主要な学術機関︵英語版︶、デジタル保存主義者、政府機関、高性能計算および主要な研究サイト、医用画像処理プロバイダー、電子図書館、クラウドコンピューティングサイトなどに展開させた。2007年時点で、インターネットアーカイブのデータセンターには、約3PB分のPetaBoxが収容されていた。
ちなみに、ウェイバックマシンにはウェブサイトだけで57PBの情報が含まれており、本、音楽、ビデオを含めるとさらに42PBの情報が含まれ、Unique Dataにはさらに 99PBの情報が含まれているため、合算すると、これまでウェイバックマシンでは合計で212PB分のデータを集積している。