北欧の田舎、謎の重機、街に巻き起こる怪奇現象……。
スウェーデン人アーティストのシモン・ストーレンハーグ︵Simon Stålenhag︶さんが描く、ノスタルジックでどこか不穏なSF的世界観を持つイラストを基にしたTRPG﹃ザ・ループTRPG﹄が、6月8日︵火︶に発売される。
同作は、クラウドファンディングサイトのKick Starterにて約5000万円︵正確には、374万5,896スウェーデンクローナ︶の支援を集めた作品の邦訳版となる。
北欧の鬼才シモン・ストーレンハーグ
シモン・ストーレンハーグさんは、スウェーデン・ストックホルム出身のデジタルアーティスト。未来都市や荒廃した廃墟、独特の造形をしたロボットやディストピア的な世界観を描くSF的な作風で注目されている。
スウェーデンの片田舎を舞台に、そこで暮らす子供達がSF的な怪奇現象に巻き込まれていく様を描いた作品﹃TALES FROM THE LOOP﹄がAmazon Prime videoにてドラマ化され話題になった。
SF的な事件に立ち向かう子供たちを演じるTRPG
ヤバそうな機械を操る小さな子供が描かれる『ザ・ループ』表紙/画像はAmazonから
本作でプレーヤーたちは80年代後半に生きるティーンエイジャーを演じ、謎の科学施設や磁気飛空艇、自律型ロボットの存在する「
もうひとつの1980年代」を舞台にしたミステリーに立ち向かっていく(それだけ聞くと『ドラえもん』の映画シリーズのようだ)。
ティーンエイジャーたちには「本の虫」「トラブルメーカー」「人気者」「変人」などさまざまなタイプが存在し、それぞれが口うるさい両親、終わらない宿題、いじめたりいじめられたりする同級生など、日常生活において様々な問題を抱えている。
子供たちは物語の中で、最新鋭の実験施設「ループ」ができてから街に出没するようになった奇妙な機械や現象に巻き込まれていく。その経験は子供たちを日常の問題から解放してくれるが、それ以上に危険も孕んでいる。
ティーンエイジャーたちは、それぞれが好きな分野のプロフェッショナルだ/画像はグラフィック社公式サイトから
本作には、ストックホルム郊外のマーラーラーナ諸島をベースにしたシナリオや、アメリカのネバダ州を舞台にしたシナリオが収録。
この2つはKick Starterのページにも記載があるものだが、グラフィック社のサイトには、目次の欄に「
日本を舞台にして遊ぶには?」との記述がある。
80年代後半の日本といえばバブル経済などが象徴的で、現在もネオ・シティポップのようにレトロな文化としてリバイバルブームが巻き起こるエネルギッシュな時代。
そんな日本の時代背景が、本作のノスタルジックで少し不穏な雰囲気とどう化学反応を起こすのか楽しみだ。
1998年生まれ。2021年に法政大学文学部日本文学科を卒業し、株式会社カイユウに入社。
ライター、編集者、Webディレクターとしてサイトの運営に携わる。漫画、WebToon、ボードゲーム等のジャンルを得意としており、実際の読書体験やプレイ経験をもとにレビューを執筆している。
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