国立科学博物館のクラウドファンディングプロジェクトが、11月5日23時に支援を募っていたプラットフォーム・READYFOR上で終了した。
最終的に、支援者数は5万6574人。支援総額は9億1588万5000円︵目標金額は1億円︶となった。
READYFORの発表によると、これは国内のクラウドファンディングサービス史上最多の支援者数かつ最高支援総額となる。
科博のクラファン、開始1日で3億9000万円の支援
国立科学博物館は、1877年に創立。自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館だ。
そのクラウドファンディングプロジェクトがREADYFORで公開されたのは8月7日。
500万点を超える標本・資料を、適切に管理する資金が危機的な状況にあるとして支援を募った。
国立と名のつく施設が資金不足で支援を募ったという衝撃に加え、標本のレプリカや収蔵庫のツアーなど、豪華なリターンも話題に。
目標金額は1億円だったが、開始から1日あまりで3億9000万円が集まる大反響となっていた。
館長・副館長も感謝﹁皆さんと繋がることができた﹂
以降も支援金額は伸び続け、最終的に、目標の1億円を大幅に上回る9億1588万5000円に到達した。
最終結果を受けて、国立科学博物館はYouTubeチャンネルで、館長の篠田謙一さんが感謝を述べる動画を公開。
﹁﹃地球の宝を守る﹄とはじめた、資料・標本の収集のためのプロジェクトだったのですけれども、私たちにとっての宝は、実は皆さんと繋がることができたこと。科博をこんなに大事にしてくれる人たちが、斯くも多くいらっしゃるんだということを、再認識できたことだと思います﹂と話した。
同様に副館長の真鍋真さんの動画コメントを公開。﹁この度は大勢の方にたくさんのご支援をいただきました。ありがとうございました﹂などと話している。
予想外の大反響を受け、他の博物館との連携も視野に
なお、8月の時点で﹁標本・資料の収集・保管について当面の間支障なく遂行することが可能となりました﹂と、プロジェクトページで報告していた国立科学博物館。
予想を大幅に超える支援金が集まったため、その一部を他の博物館との連携による、標本・資料の保全体制の充実に活用するとしていた。
具体的には、協同で資料を保存することで、研究の発展、災害リスク対応につながる活動を行う。または、標本・資料を収集する意義を伝える巡回展の開催を想定。
詳細はクラウドファンディング終了後に発表と告知されていたため、間もなく具体案が明かされる見込みだ。
ライター/編集者。1993年生まれ、福岡県出身。大学卒業後、フリーランスのライターとして活動開始。並行して私立大学の広報担当としてPR業務に従事。その後、サッカー専門誌の編集者として、小学生年代のチームからプロチームまで幅広く取材。現在はKAI-YOU、KAI-YOU Premium、NEUT Magazine、SHUKYU Magazineなど、Web・紙と媒体を問わず様々なメディアで取材・執筆・編集を担当している。
愛機はiPhone SE︵第1世代︶。年に数百冊の漫画を読む。ポップな漫画を追い求めて、今日も寝落ちするまでページを捲っている。
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