アルカン(読み)あるかん(英語表記)alkane

翻訳|alkane

デジタル大辞泉 「アルカン」の意味・読み・例文・類語

アルカン(alkane)

メタン系炭化水素

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルカン」の意味・わかりやすい解説

アルカン
あるかん
alkane


CHC-CCnH2n+21n120parum affinisC-C1.5410.11.341.20C=CCC

 

同族体と異性体


n-

 n--CH2--CH2-1n-

 32-142-2C4C62-3C72-2n-C5n-36C59.5320372-12-22-3

 

命名法


-ane145-ane5pentaanepentane6n-n-n-n使8A

 66

 -ane-ylethaneethylbutanebutyl4

 

分子の形


1874B109.5°109°28

 CH3-CH3CH3C-CC

 423

 

性質


Dn-n-14517()70C9H20C10H2225n-1

 
  CH42O2
   CO22H2O191.8kcal


 5

 E14

 

 

製法


6

(1)1

(2)2

(3)3

(4)4

(5)5

(6)6

(7)1C17

 

資源

アルカンはおもに石油と天然ガスから得られる。これらは有史以前に動植物が蓄積した有機物が分解して生成したものである。産地により異なるが、石油は炭素数2から40ぐらいまでのアルカンを主成分として含むほかに、シクロアルカン、芳香族炭化水素、複素環式化合物から構成されていて、炭化水素の重要な資源である。採掘された石油原油は、接触分解や水素化分解の行程を経て低分子量の炭化水素に変えられ、現代の生活に欠かせないガソリン、灯油、軽油、重油などの燃料や石油化学工業原料として使われている。ガソリンの主成分はアルカンで、含まれるアルカンの比率はガソリンの製法や産地により異なり、30~100%である。石油精製のプロセスでは、触媒を用いて、長い炭素鎖を切断して低分子量にしたり、異性化させて枝分れの多い炭化水素を増やしたりする。石油化学工業では、ナフサ分解などの行程を経て、アルカンを有用なアルケンに変えて種々の化学工業製品の原料をつくっている。天然ガスは低分子量のアルカンであるメタンとエタンが主成分で、少量のプロパン、ブタンを含んでいる。メタンは、沼地で落ち葉など水中で枯死した植物から嫌気性発酵により発生するので沼気(しょうき)ともよばれているが、資源としては地下のガス田から採掘する。多量のメタンが水と結合して「メタンハイドレート」の形で深海に存在することもわかり、有望なエネルギー資源として注目されている。

[佐藤武雄・廣田 穰]

『デビュー、ラインハート著、塩見賢吾、廣田穣、務台潔訳『有機化学』(1971・共立出版)』『務台潔著『新有機化学概論』(2000・朝倉書店)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「アルカン」の解説

アルカン
アルカン
alkane


CnH2n2n  1CH4n  234n5n()(-ane)n  5n  6n  7(n-)4n  4n-CH3CH2CH2CH3(CH3)2CHCH3n  1n  70
(1)
(2)(-)
(3)
(4)
(5)()
(6)

CnH2n1COONa  NaOH  CnH2n2 Na2CO3

(7)()

n()(n515)n()nn  6()0.66n  7()0.68nn  170.78

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「アルカン」の意味・わかりやすい解説

アルカン
alkane


CnH2n+2paraffineparum affinis︿anen131n4n4C4H102n10C10H2275n20C20H42366319n-normalIUPACn-

 n14n516n
 


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

栄養・生化学辞典 「アルカン」の解説

アルカン

 
  (CH4) (CH3-CH3) (CH3-CH2-CH3)n- (CH3-CH2-CH2-CH3)   

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

百科事典マイペディア 「アルカン」の意味・わかりやすい解説

アルカン

メタン系炭化水素

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルカン」の意味・わかりやすい解説

アルカン

メタン系炭化水素」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアルカンの言及

【パラフィン】より

…脂肪族鎖式飽和炭化水素(アルカン)およびパラフィンワックスparaffin waxのこと。パラフィンワックスは石蠟(せきろう)ともいい,アルカンCnH2n+2の炭素数nが約20以上のものの混合物で,常温では白色半透明の蠟状の固体(ときに結晶性)。…

※「アルカン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

タコノキ

タコノキ科の常緑高木。小笠原諸島に特産する。幹は直立して太い枝をまばらに斜上し,下部には多数の太い気根がある。葉は幹の頂上に密生し,長さ1〜2m,幅約7cmで,先は細くとがり,縁には鋭い鋸歯(きょし)...

タコノキの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android