デジタル大辞泉
「アルケン」の意味・読み・例文・類語
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アルケン
alkene
二重結合一つをもつ脂肪族鎖式不飽和炭化水素の一般名。一般式CnH2nで表される一群の化合物で,オレフィンolefin,オレフィン系炭化水素,エチレン系︵エチレン列︶炭化水素などとも呼ばれる。古くから用いられていたオレフィンの名称は,気体アルケンが塩素と反応して油状物質をつくることから,ラテン語の︿油oleumをつくる物質﹀に由来する︵かつてエチレンC2H4は生油気olefiant gasと呼ばれた︶。骨格をつくる炭素原子のうちの2個は二重結合で結ばれているが,他の炭素間結合はすべて単結合である。このため,分子式は同数の炭素原子を含むアルカンに比べて水素が2原子だけ少ない。IUPAC命名法では,対応するアルカンの語尾︿アンane﹀を︿エンene﹀に変えて命名するが,エチレン,プロピレンのような慣用名を用いてもよい。二重結合の位置は位置番号によって示される。n=4以上のアルケンには骨格の違いによる異性体のほかに,二重結合のまわりのアルキル基の配列の違いによる幾何異性体がある。幾何異性体は接頭語シスcis,トランスtransまたはZ,Eによって区別される。
![](/image/dictionary/sekaidaihyakka/block/20107401.png)
アルケンの沸点,融点,溶解度などの物理的性質は対応するアルカンによく似ている。分子量の小さいものは天然ガス,中位のものはアメリカ産石油に含まれている。工業的にはアルカンの脱水素で製造する。二重結合が存在するため化学反応性は高く,︵1︶ハロゲン,水素,ハロゲン化水素等の付加,︵2︶酸化剤による二重結合の切断やエポキシドの生成︵エポキシ化︶,などの反応を行う。臭素の四塩化炭素溶液,過マンガン酸カリウムの脱色はアルケンの検出反応に用いられる。
執筆者‥竹内 敬人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
アルケン
アルケン
alkene
エチレン系炭化水素,オレフィンともいう.一般式CnH2n(n = 2,3,4,…)で表される脂肪族不飽和炭化水素の総称.IUPAC命名法では,同数の炭素原子をもつ飽和炭化水素の名称のアン(-ane)をエン(-ene)にかえる(プロペン,ブテン,ペンテンなど).相当する飽和一価アルコールの脱水,ハロゲン化アルキルの脱ハロゲン化水素などにより生成し,その沸点は相当する飽和炭化水素よりも一般に高い.
アルケンの二重結合は反応性に富んでいて,水素,塩素,臭素,ハロゲン化水素,硫酸,次亜塩素酸などが付加する.また,オゾンの作用によりオゾニドを生じ,これを水で分解することにより,アルデヒドやケトンを得ることができる(オゾン分解).
![](/image/dictionary/kagakujiten2/media/06-17-0891-01.jpg)
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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アルケン
オレフィン,エチレン列炭化水素ともいう.分子内に一つの二重結合をもつ脂肪族炭化水素.エチレン,プロピレンなど.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のアルケンの言及
【ザイツェフ則】より
…脱離反応によって生成する[アルケン]の構造を予測する経験則。セイチェフ則Saytzeff ruleともいう。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」