旺文社世界史事典 三訂版 「ギリシア文化」の解説 ギリシア文化ギリシアぶんか 前5世紀を最盛期とする古代ギリシア文化 エーゲ文明を消化吸収した古代ギリシア人は,ポリスの自由な市民の共同体により,労働を奴隷にゆだね,余暇を公共生活や学芸の創造にあて,すぐれた文化をつくった。合理的な性格,完全美の追求,人間性の高い発露などが特色で,それはギリシア神話・ギリシア美術・ギリシア哲学などの分野にみることができる。市民の間では,運動競技や演劇が愛好され,特に演劇の場合は,観劇手当が支給された。神話は現世的・人間的であり,美術は写実と調和と完全美を追究し,哲学は﹁愛知﹂として,客観的真理を探究した。ポリスが衰退したのち,いわゆるヘレニズム文化︵狭義︶が生まれた。自由と合理的精神を特徴とするギリシア精神・ギリシア文化の伝統は,ヘレニズム︵広義︶となってヘブライズム︵キリスト教思想︶とともにヨーロッパ文化の二大潮流となった。 出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報