ヘム(読み)へむ(英語表記)heme

翻訳|heme

デジタル大辞泉 「ヘム」の意味・読み・例文・類語

ヘム(heme)

ポルフィリンとの錯塩さくえんたんぱく質グロビンと結合してヘモグロビンとなり、その色素部分に相当し、酸素の担体となる。

ヘム(hem)

衣服や布の端を折り返した、へり。袖口、スカートの裾、上着の縁など。

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精選版 日本国語大辞典 「ヘム」の意味・読み・例文・類語

ヘム

 

(一)   ( [] heme, haem ) 1944
 
 

 

(一)   ( [] hem ) ()()1928
 

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘム」の意味・わかりやすい解説

ヘム
へむ
heme


23hematinabc使2



2 1992199519972000

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化学辞典 第2版 「ヘム」の解説

ヘム
ヘム
heme


(4)(2)(2)C34H32FeN4O4(616.48)141ccaN400 nm (Soret band)5305602(525557 nm)[CAS 14875-96-8]

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改訂新版 世界大百科事典 「ヘム」の意味・わかりやすい解説

ヘム
haem
heme

生体物質の一種。呼吸に関与するタンパク質であるヘモグロビン,チトクロムなどに含まれている。化学的にはポルフィリンとⅡ価鉄の結合体で,特有の色調を呈する(吸収極大は581,545,415nmにある)。酸素運搬体であるヘモグロビンでは,酸素分子はヘムの鉄原子と結合する。鉄原子は,ポルフィリン環の中央に位置し,塩基と配位結合をしている。遊離のヘムは酸化されやすく,酸素分子と反応して,Ⅲ価鉄のヘマチンhaematinになる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘム」の意味・わかりやすい解説

ヘム
heme

一般に,生体内に存在する鉄-ポルフィリン錯化合物をヘムと呼ぶ。プロトヘムはその代表的なもので,プロトポルフィリン IXと2価の鉄イオンとの錯化合物。褐色針状晶として得られ,酸化されやすく,鉄原子が3価に酸化されてヘマチンが,また塩素イオンの存在下では (クロロ-) ヘミンが得られる。逆にこれらのものを適当な条件で還元するとヘムをつくることができる。細胞中に遊離状態でも微量存在するが,多くの場合,蛋白質と結合してヘモグロビンミオグロビンとして存在し,酸素の運搬や貯蔵に関与している。ヘム (プロトヘムも含む) には酸化還元に関係する酵素の補欠分子団となるものがある。このようなヘムを必要とする酵素をヘム酵素と呼ぶが,チトクローム系やペルオキシダーゼなどはその例。

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栄養・生化学辞典 「ヘム」の解説

ヘム

 C34H32N4FeO4 (mw616.50).

 ヘム色素ともいう.ヘモグロビン,ミオグロビン,シトクロムなどの色素部分で赤色を呈する.二価の鉄を含む.

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百科事典マイペディア 「ヘム」の意味・わかりやすい解説

ヘム

ポルフィリンと二価鉄との錯体。ヘモグロビンの色素部分に相当。

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世界大百科事典(旧版)内のヘムの言及

【補酵素】より


 (7) ubiquinoneQ(CoQ)C1B12cobamide coenzymeH,C()ATPS

【ポルフィリン】より


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