ホモ（読み）ほも（英語表記）homozygous

翻訳｜homozygous

デジタル大辞泉 「ホモ」の意味・読み・例文・類語

ホモ（homo）

 
︽同じ、の意︾
1 同一細胞内に同一の遺伝子が対になって存在すること。一組の対立形質をAとaで表すと、AAかaaの遺伝子型となる。同型。⇔ヘテロ。
2 ︽homosexualの略︾同性愛者。多く、男性にいう。
[類語]︵2︶男(おと)女(こおんな)・ゲイ・ニューハーフ・お釜・ゲイボーイ  

ホモ（〈ラテン〉Homo）

《ラテン語で「人間」の意》霊長目ヒト科ヒト属（ホモ属）に分類される哺乳類の総称。人類。

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精選版 日本国語大辞典 「ホモ」の意味・読み・例文・類語

ホモ

  1. 〘 名詞 〙 「ホモセクシュアル」の略。
    1. [初出の実例]「しかし、やくざがホモとはおどろいた話だ」(出典：日本人のへそ（1969）〈井上ひさし〉二幕)

ホモ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] homozygote から ) 遺伝学で、遺伝子型が純粋なもの。同型。

ホモ

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] Homo ) （種としての）人間。ヒト。また、ヒト属の属名。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホモ」の意味・わかりやすい解説

ホモ
ほも
homozygous


同型配偶子や同型接合体の略称としても用いられ、同型ともいう。二倍体以上の染色体をもつ高等生物で、一つ以上の遺伝子座について、等しい対立遺伝子をもつ細胞または個体をいい、互いに異なった対立遺伝子をもつヘテロheterozygousに対する語。たとえば、1組の対立遺伝子をA―aとすれば、AA、aaの遺伝子型をもつ個体をホモといい、Aaの遺伝子型をもつ個体をヘテロという。また、2組の対立遺伝子をA―a、B―bとすれば、AABB、AAbb、aaBB、aabbの遺伝子型をもつ個体はそれぞれAB、Ab、aB、abについてホモであるという。細菌やファージなどの半数体の生物で、染色体の一部が重複して存在し、等しい対立遺伝子をもつ場合にも使用される。すべての遺伝子についてホモである個体は純系といい、純系ではヘテロの状態では発現しなかった致死遺伝子などを含む多くの潜性遺伝子が発現し、環境に対する適応性が弱い場合が多い。エンドウなどの自家受粉する植物では、世代とともに、ヘテロ接合体の頻度が減少し、それとともにホモ接合体の頻度が上昇する。遺伝学的な研究目的で、同一系統内で交配を繰り返して、各遺伝子がホモ接合になった近交系がつくられ、純系として実験に供せられる。しかしこれらはヘテロ接合体を多くもつ野生型の生物に比べて生存力や生殖能力が劣るものが多い。
﹇黒田行昭﹈
﹃駒井卓著﹃人類の遺伝学﹄︵1966・培風館︶﹄▽﹃J・F・クロー著、木村資生・北川修・太田朋子訳﹃遺伝学概説﹄︵1991・培風館︶﹄▽﹃安田徳一著﹃人のための遺伝学﹄︵1994・裳華房︶﹄▽﹃黒田行昭編著﹃21世紀への遺伝学1　基礎遺伝学﹄︵1995・裳華房︶﹄
[参照項目] | 遺伝学 | 遺伝子 | 遺伝子型 | エンドウ | 顕性 | 接合 | 染色体 | 潜性 | 対立形質 | 致死遺伝子 | 同型配偶子 | バクテリオファージ | ヘテロ | 優性 | 劣性

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改訂新版　世界大百科事典 「ホモ」の意味・わかりやすい解説

ホモ
Homo

ラテン語で人間を意味する言葉であり，日本語ではヒト。リンネC.von Linneがヒトを生物学的に二名法でホモ・サピエンスHomo sapiens〈賢いヒト〉と命名する際に，ヒトの属名として採用。ギリシア語の同一という意味の接頭語であるホモhomoとは別。
→ヒト
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