デジタル大辞泉
「北海」の意味・読み・例文・類語
ほっかい︹ホクカイ︺︵HOKKAI︶
期の日本画家、高島北(ほっ)海(かい)の実像に迫る。平成17年︵2005︶刊行。第56回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。
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ほっ‐かいホク‥【北海】
(一)[1] 〘 名詞 〙 北方の海。北洋。
(一)[初出の実例]﹁縦望二西山落一、何瞻二北海家一﹂(出典‥菅家文草︵900頃︶二・夏夜対渤海客、同賦月華臨静夜詩)
(二)[その他の文献]︹孟子‐梁恵王・上︺
(二)[2]
(一)[ 一 ] ﹁ほっかいどう︵北海道︶﹂の略。
(一)[初出の実例]﹁新鮮な北海の野に、クラアク教頭の遺風猶存する黌舎に﹂(出典‥思出の記︵1900‐01︶︿徳富蘆花﹀八)
(二)[ 二 ] 中国の漢代、シベリアのバイカル湖の称。
(三)[ 三 ] 大西洋の付属海。ヨーロッパ大陸とイギリス諸島との間の海域。南部に世界三大漁場の一つのドッガーバンクがある。
(四)[ 四 ] 中国の広西壮族自治区南部、東京(トンキン)湾にのぞむ港湾都市。
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北海 (ほっかい)
North Sea
大西洋北東部,イギリス諸島とヨーロッパ大陸の間にある縁海。古代にはゲルマニクム海と呼ばれた。北はノルウェーとシェトランド諸島の間でノルウェー海と結ばれ,南はドーバー海峡を経てイギリス海峡に通じ,北東部大西洋の海水と自由に循環する。また東のバルト海からはスカゲラク海峡,カテガット海峡表層の汽水の流入があり,西にはグレート・ブリテン島が横たわる。南北約965km,東西約645kmで総面積約57万5000km2。全体が浅い大陸棚をなし,平均水深は約94mで,海底は一般に南から北へ傾斜しており,グレート・フィッシャー・バンクGreat Fisher Bankや水深17mのドッガー・バンクなど浅堆が多いが,北部のノルウェー沿岸では最深約700mに達する海溝がある。第三紀のゆるやかな沈降作用で海盆が形成され,そこへ古ライン川などが厚い泥質堆積物を持ち込んだ。その後の氷河期には何度も氷床でおおわれて砂質土が堆積し,露出した浅堆部には森林や泥炭が形成された。現海岸線の決定は中石器時代から青銅器時代の比較的新しい時期に属する。表面水温は夏に13~18℃,冬に3~7℃と高く,凍結しない。また塩分はノルウェー海,ドーバー海峡から35‰以上の高濃度の海水が流入してくるが,淡水の流入する沿岸部やバルト海との接点にあたるスカゲラク海峡では30‰前後まで低下する。北海内の潮流は,北大西洋海流のイギリス東岸沿いの南下,同海流のドーバー海峡からオランダ沿岸への進入,バルト海からノルウェー沿岸への流入がおもなものであり,全体としてグレート・ノース・シー・エディGreat North Sea Eddyと呼ぶ反時計回りの流れを生じている。また潮差はイギリスの南部沿岸で4~6mであるのに対し,ノルウェー,デンマーク海岸では1m前後しかない。
こうした自然条件のため,南部の浅堆部を中心に古くから世界的な大漁場となっており,タラ類,ニシン類,カレイ,ヒラメ,エビ,カニなどの漁獲が多い。主要漁港はイギリスのグリムズビー,ハル,アバディーン,ノルウェーのベルゲン,デンマークのエスビアウなどである。しかし1965年にイギリス沖で最初の天然ガス,70年に石油が海底で発見されてからは鉱産資源の開発に重点が移り,南部のオランダ,イギリスの水域内でガス田,中・北部のイギリス,ノルウェーの水域の境界に沿った地溝帯でエコフィスクEkofisk油田などが生産中であり,本土の基地までパイプラインが延びている。埋蔵量は石油27億t,天然ガス2.3兆m3といわれる。なお北海は経済水域として,イギリス,ノルウェー,デンマーク,ドイツ,オランダ,ベルギー,フランスの7ヵ国に分割されている。
→北海油・ガス田群
執筆者‥内尾 高保+長谷川 孝治
北海 (ほっかい)
Běi hǎi
中国南部,広西チワン(壮)族自治区の北部湾に臨む新興の港湾都市。人口56万(2000)。1876年(光緒2)に英・清間の芝罘(チーフー)条約によって開港され,一時期南部唯一の貿易港として栄えたが,土砂が堆積し3000トン以上の船舶の出入りができなくなって衰えた。もとは合浦県の鎮であったが,たびたび管轄が広西省と広東省の間で変わった。ナマコ,真珠の特産で知られるが,南部沿岸の重要な漁業基地として発展し,水産加工,造船などの工業も発達した。海風が涼しい避暑地としても知られる。
執筆者:林 和生
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北海【ほっかい】
大西洋北東部,グレート・ブリテン島,デンマーク,ノルウェーなどに囲まれる海域。英語でNorth Sea。ノルウェー沿岸に深い部分があり最深約650mに達するが,大部分は100m以下の大陸棚上にあたる。中央やや英国寄りにドッガー・バンクがあり,北海漁場の中心をなす。1959年にオランダ沖で天然ガス田が発見され1975年から本格的な操業が始まり,沿岸諸国は天然ガス,石油開発を進めている。面積約57万5000km2。
→関連項目テムズ[川]|ノルウェー海|北海・バルト海運河|北海油田
北海【ほっかい】
中国,広西チワン族自治区南部,北部湾(トンキン湾)に臨む港湾都市。1876年芝罘(チーフー)条約により開港。香港・広州・海南やベトナムのハイフォンなどとの交通が盛ん。竹器,牛皮,真珠を特産。漁獲が多く,ナマコは有名。対外開放港となっている。62万人(2014)。
北海︻ほっかい︼
中国,北京の内城にある湖。故宮の北西,景山の西に接する。湖上には人工の瓊華(けいか)島があり,その上に白色のラマ塔が建つ。景勝地で公園になっている。
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北海
ほっかい
North Sea
大西洋の縁海の一つで,グレートブリテン島とヨーロッパ大陸との間に広がる海域。北西部はオークニー諸島とシェトランド諸島間を通じて大西洋に連なり,北部はシェトランド諸島とノルウェー間を通ってノルウェー海へと連なる。南西方向へはドーバー海峡を経てイギリス海峡にいたり,東方へはスカゲラク海峡,カテガト海峡などを経てバルト海へ通じる。面積約57万 5000km2。南北約 1100km,東西約 600km。平均深度約 90m,最深部 680m。スコットランドやノルウェーなどの海岸はフィヨルドにより深く切込まれているが,南部海岸のデンマーク,ドイツ,オランダ,ベルギー,イングランド地方の海岸線は単調。海底にはドッガーバンクなどの浅堆地形が多く,北海漁場の中心をなす。また,有望な油田が発見され,1975年から本格操業に入っている。潮流は北部の海峡を通じて大西洋から流入し,イングランドやドイツの入江部では潮の干満が大きい。塩分は34~35‰で,大部分の海域は氷結しないが,北部の沿岸部では15~30日結氷する場合もある。沿岸のおもな港はアントウェルペン,ロッテルダム,ブレーメン,ハンブルクなど。
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普及版 字通
「北海」の読み・字形・画数・意味
【北海】ほくかい
北方の海。バイカル湖附近。︹漢書、
武伝︺
ちて飮
せしめず。~數日死せず。匈奴~乃ち武を北
の上(ほとり)、人無き處に徙し、羝(てい)︵牡羊︶を牧せしむ。羝
せば乃ち歸ることを得んと。
字通﹁北﹂の項目を見る。
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北海(ほっかい)
North Sea
イギリス,ベルギー,オランダ,ドイツ,デンマーク,ノルウェーに囲まれる海域をいい,ニシン,タラの漁場として知られる。また,北海大陸棚の探査,開発により,多くの油田,ガス田が操業されている。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
世界大百科事典(旧版)内の北海の言及
【北海油・ガス田群】より
…1959年にオランダのフローニンゲン・ガス田が発見されたのを契機として,北海におけるその延長部の探鉱が注目を集めるに至った。北海における最初の探鉱成果は65年に発見されたウェスト・ソールWest Soleガス田をはじめとするいくつかの構造性ガス田の発見であり,72年までにはパイプライン網の完成によって国内消費者への供給が開始された。…
※「北海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」