デジタル大辞泉
「卵子」の意味・読み・例文・類語
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かい‐ごかひ‥【卵子】
(一)〘 名詞 〙 ( ﹁殻(かい)子﹂の意 )
(二)① たまご。かい。
(一)[初出の実例]﹁鶯(うぐひす)の 生卵(かひご)の中に ほととぎす 独り生れて﹂(出典‥万葉集︵8C後︶九・一七五五)
(二)﹁卵 陸詞曰卵︿音嬾加比古﹀鳥胎也﹂(出典‥十巻本和名抄︵934頃︶七)
(三)② たまごなどの殻(から)。
(一)[初出の実例]﹁肉団(ししむら)の穀(カヒコ)開きて、女子(をみな)を生めり。︿真福寺本訓釈 穀 可比古﹀﹂(出典‥日本霊異記︵810‐824︶下)
卵子の語誌
(1)中世末以降、﹁日葡辞書﹂の﹁かえる︵孵︶﹂の項の例文﹁Caigo(カイゴ)、または、tamagoga(タマゴガ) カエッタ﹂という記載や、また、﹁延宝八年合類節用集‐五﹂の﹁卵子﹂の﹁カイゴ﹂﹁タマゴ﹂の二様の訓、﹁和漢三才図会‐四四﹂の﹁卵﹂の﹁かひご﹂﹁たまこ﹂二様の傍訓等から両語の併用状況がうかがわれるが、﹁かひご﹂はやがて雅語の領域に転じていったものと思われる。
(2)なお、﹁蚕﹂も﹁かひこ﹂であるが、﹁卵(かひこ)﹂は、﹁観智院本名義抄﹂﹁日葡辞書﹂で﹁こ﹂を濁り、かつ﹁観智院本名義抄﹂でアクセントを異にする。﹁かひ﹂は、﹁蚕﹂では養う、﹁卵﹂では殻または貝と、語源を異にするとみられる。
らん‐し【卵子】
- 〘 名詞 〙
- ① =たまご(卵)①
- [初出の実例]「西方加二募小鮎一、東方卵子」(出典:九暦‐逸文・天暦一〇年(956)正月一三日)
- ② =らん(卵)①〔医語類聚(1872)〕
- ③ 胚珠(はいしゅ)のこと。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の卵子の言及
【性器】より
…すなわち男性では睾丸(精巣)で作られた精子が副睾丸(精巣上体)から精管を経て尿道に運ばれるが,付属腺として精囊や前立腺などがあり,交接器として陰茎がある。女性では卵巣とそこで作られた卵子を運ぶ卵管と,受精卵を育てる子宮,交接器としての腟などがおもな性器である。 このように,また,いうまでもなく,性器は男女で著しい性差を示すが,一般に性腺自身の特徴を一次性徴といい,それ以外の性別を示す特徴を二次性徴という。…
【卵】より
…同一種の動植物において,生殖に関与する配偶子に形態学,生理学的な差が認められ,2種類以上のものが区別される場合に,それらを異型配偶子と呼ぶ。異型配偶子は形の大小にしたがって,それぞれ大配偶子,小配偶子と名づけられているが,大配偶子は一般に運動性をもたず,細胞質内には栄養物質を多量に有し,卵または卵子と呼ばれる。これに対して小配偶子は運動性に富み,細胞質はほとんどなく,細胞のほとんどすべてが細胞核成分と,運動のための小器官で占められていて,[精子]と呼ばれる。…
※「卵子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」