出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…たとえば,J.J.ベルセリウスの電気的二元説(1820ころ),F.A.ケクレの炭素四原子価説(1858),J.H.ファント・ホフ,ル・ベルJoseph Achille Le Bel(1847‐1930)らの炭素原子の結合の手が正四面体の中心から頂点の方向に伸びているという四面体説(1874),A.ウェルナーの配位説(1893),さらにはR.アベックの主原子価と副原子価の和が8になるという八の法則(1904)などがあり,原子には固有の原子価があることがわかってきた。19世紀末に電子が発見され,20世紀に入ってそれまで不可分とされていた原子が,原子核と電子から成ることがわかってくると,種々の原子模型が提出された。そのなかで画期的な成功を収めたものがN.H.D.ボーアの原子模型(1913)で,これに基づいてG.N.ルイスの原子価論,W.コッセルの原子価論(ともに1916)が提出され,現代の原子価概念の基礎がほぼ確立し,化学結合における電子の役割が注目されるようになった。…
…1906年には,これら一連の研究によりノーベル物理学賞を受賞。また,彼は陰極線を構成する荷電粒子が物質の普遍的成分であるという考えに基づいて,原子模型の提案も行ったほか,05年末からは,陽極線の研究を開始し,ネオンの同位体を発見する一方,陽極線質量分析の方法を開発して,F.W.アストンらの質量分析法の基礎を築いた。19世紀末から20世紀初頭にかけて,キャベンディシュ研究所を原子物理学の実験的研究の世界的中心地とした功績は大きい。…
※「原子模型」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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