デジタル大辞泉 「和語」の意味・読み・例文・類語 わ‐ご【和語/×倭語】 1日本のことば。日本語。 ﹁洋人―を習うに大に苦み﹂︿村田文夫・西洋聞見録﹀ 2 漢語およびその他の外来語に対して、日本固有の語。やまとことば。→外来語 →漢語 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「和語」の意味・読み・例文・類語 わ‐ご【和語・倭語】 (一)〘 名詞 〙 (二)① 外国語に対して、日本の国語である日本語。その語彙には漢語などの外来の要素も含まれる。 (一)[初出の実例]﹁吾が聖朝の人、道照法師︿略﹀新羅に至り、其の山中に有りて法花経を講ず。時に虎衆の中に人有り、倭語を以て問を挙げたり﹂(出典‥日本霊異記︵810‐824︶上) (三)② 漢語や外来語など外来の語に対して、日本語本来のものと考えられる語。﹁ひと︵人︶﹂﹁われ︵我︶﹂﹁ある︵有︶﹂﹁ゆたか︵豊︶﹂など。固有の日本語。やまとことば。 (一)[初出の実例]﹁第二代、綏靖天皇︿これより和語の尊号をばのせず﹀神武第二の御子﹂(出典‥神皇正統記︵1339‐43︶上) (四)③ 和歌。やまとうた。 (一)[初出の実例]﹁聊慰二愁緒一耳。就中倭語雖レ無二其能一、稟二外戚之風一所二嗜思給一也﹂(出典‥明衡往来︵11C中か︶中本) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
改訂新版 世界大百科事典 「和語」の意味・わかりやすい解説 和語 (わご) 日本で本来の日本語をさしていう。︿倭語﹀とも書き,︿大和言葉︵やまとことば︶﹀ともいう。日本語語彙の三大要素の一つとして,漢語︵字音語︶,外来語に対して,種︵しゆ︶の違いを強調する用語。本来の日本語といっても,文献以前の日本語形成期に早く借用︵もしくは混入︶していた語に︿うま︵馬︶﹀︿うめ︵梅︶﹀などが認められるが,それらは和語に包括するのが普通で,文献時代以後,外国語から摂取したものに対して固有の種をさす。時代が経るにつれて日本語は語彙の構成を少しずつ変え漢語を増加し字音語を生産し,ついで外来語を加えつつ,現代では和語は全体の割合では漢語︵字音語︶に第1位を譲るにいたっている。しかし使用量からみれば和語は依然として50%以上で,首位を占める。すなわち種類でみると漢語︵字音語︶が50%近くに上るが,使用度数は一つ一つにおいては少なく,拡散する。日常よく用いられる語は和語が多く,基本語はやはり和語であるといわれる。そして和語は,専門語,術語などの領域で新しく造られることは少なく,ほとんどは漢語︵字音語︶もしくは外来語そのままの借用が多い。 和語は,同一の意味をあらわす異種の語と対立項を形成して,そこに使用の選択が行われる。たとえば字音語︿学校,国家,友人,図書,季節﹀に対して和語︿まなびや,くに,とも︵だち︶,ふみ,おりふし﹀,また外来語︿スクール,ネーション,フレンド,ブック︵ス︶,シーズン﹀が対立項をなすが,和語には雅言,日常語,古語,文学語などの性格がみとめられることがある。︿ライス﹀に対して︿いね,こめ,こめつぶ,めし,御飯︵ごはん︶,飯米︵はんまい︶,米穀︵べいこく︶,米飯︵べいはん︶﹀等々多くの対立項が併存するが,定着して深く広く普及した字音語︿ごはん﹀などは和語と径庭のない感覚で用いられることが知られる。特に︿菊︵きく︶,肉︵にく︶,枠︵わく︶,麩︵ふ︶﹀など通常和語の対立項を欠くものは和語と誤認されることがある。 執筆者‥山田 俊雄 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ) 「和語」の意味・わかりやすい解説 和語わご 漢語・外来語に対し、日本語本来の語。﹁やまとことば﹂ともいう。本来、第一音節には濁音およびラリルレロが来ない。ダク︵抱︶はイダク等、バラ︵薔薇︶はウバラ等から、中古以後転成した語形である。和語は、﹁木(き)﹂﹁血(ち)﹂﹁谷(たに)﹂﹁聞(き)く﹂﹁見(み)る﹂など1、2音節語が多く、複合によって語が増加する。複合語は和語と和語または接頭語・接尾語とからなり、下の語の頭音が濁音化することがある︵例、谷︿たに﹀川︿がわ﹀︶。また、上の語の末尾の音が変わることがある︵例、酒︿さけ﹀→酒︿さか﹀屋︶。和語は漢語と複合することがある。漢語が上のもの︵例、悪玉︿あくだま﹀、縁組︿えんぐみ﹀等︶を重箱読(じゅうばこよみ)、和語が上のもの︵例、相客︿あいきゃく﹀、初陣︿ういじん﹀等︶を湯桶読(ゆとうよみ)という。外来語との複合もある︵例、﹁消しゴム﹂﹁マッチ箱﹂等︶。和語には活用のない語︵体言・副詞・助詞等︶と、活用のある語︵動詞・形容詞・助動詞等︶とがあるが、漢語・外来語はおもに名詞・形容動詞語幹等、活用のない語に限られ、和語の﹁する﹂﹁だ﹂︵文語は﹁す﹂﹁なり﹂﹁たり﹂︶をつけて初めて述語・修飾語となりうる。活用語尾・助動詞・助詞はすべて和語であり、文法機能の中枢は和語が独占し、この性格は古代から現代まで一貫している。和語の異なり語数は平安時代には和文で約9割、漢文訓読文で4割以下であった。中世末以来欧州諸語が、明治初期に漢語が増加し、近時は英語の外来語が急増しているが、和語が文法機能を堅持している点はすこしも変わらない。 ﹇築島 裕﹈ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「和語」の意味・わかりやすい解説 和語【わご】 日本の本来のことば。やまとことば。漢語,外来語に対する。現代では語彙の構成上の割合では漢語︵字音語︶に第1位を譲ったが,使用量からみれば50%以上で首位を占める。日常よく用いられる語は和語が多く,基本語は和語であると言われる。 →関連項目日本語 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報