変成作用(読み)ヘンセイサヨウ

デジタル大辞泉 「変成作用」の意味・読み・例文・類語

へんせい‐さよう【変成作用】

 
 

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精選版 日本国語大辞典 「変成作用」の意味・読み・例文・類語

へんせい‐さよう【変成作用】

  1. 〘 名詞 〙 地殻の内部で岩石の鉱物組成と組織が再構成されること。主な要因は温度と圧力である。広域変成作用、接触変成作用などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「変成作用」の意味・わかりやすい解説

変成作用
へんせいさよう

地殻の内部で、岩石の組織と鉱物組成とが、その場所での物理化学的条件に適合するように再構成されること。ここで物理化学的条件とは、温度、圧力、岩石中の水や炭酸ガスなどの圧力、岩石に働く変形作用などで、なかでも温度の効果が大きい。堆積(たいせき)岩はそれが生成したときよりも高い温度条件で、火成岩は低い温度で再構成されるのが普通である。

[橋本光男]

変成作用の条件と分類


()

(1) 

(2) ()()()

(3) 

 H2O

 


変成相


1007001

(1) 

(2) 

(3) 

(4) 

(5) 

(6)() (3)(4)(5)

(7) 

(8) 

(9) 

(10) 



1966198719881994鹿9 1997西20002002

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改訂新版 世界大百科事典 「変成作用」の意味・わかりやすい解説

変成作用 (へんせいさよう)
metamorphism




 

1 mkm2 3 鹿pseudotachylite

 

100800anatexis

 

 

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

岩石学辞典 「変成作用」の解説

変成作用

この語がフィリップスによって用いられる以前に,ハトンの時代にはすでにmetamorphosisやmetamorphosedという語が使用されていた[Phillips : 1837, Hutton : 1795, Boue : 1820, Boase : 1834].一般に変成作用とは岩石が温度,圧力,化学的な条件の変化に対応して再結晶作用や化学反応を行い,鉱物学的あるいは組織構造が変化する過程をいう.新しく物質が添加される場合もある.起こる深さは風化作用,続成作用や膠結作用の地帯以下であって,流体の作用が支配的には影響しない場合をいう[Holmes : 1920, Mehnert : 1968].
変成岩の研究の初期の段階では変成作用に変質作用(alteration)と分解作用(decomposition)のすべてを含めていた[Van Hise : 1904, Leith & Mead : 1915].このように広義に変成作用を解釈する人々も,内容的には風化帯(weathering zone)と膠結帯(cementation zone)とに分けて区別している.ヴァン・ハイスやリースとミードは変成作用(metamorphism)を解析変成作用(katamorphism)と合成変成作用(anamorphism)とに分けている.現在では風化作用,続成作用,膠結作用などの変質作用は含めない.このような広義の変成作用の解釈は変質作用との区別がなくなり,適当な使用法ではない.語源を考えなければこれらの内因的な変質作用を制限した方が便利である[Daly : 1917, Tomkeieff : 1983].
初期の変成作用の研究では変形作用(deformation)に重点が置かれていたが,次第に化学変化が重要視されるようになった.しかし温度と圧力による作用のみを変成作用と解釈して,化学変化を別に交代作用(metasomatism)として区別する考えがあった.後に交代作用を合わせて変成作用と考えるようになったが,ターナーらは変成過程(metamorphic process)と交代過程(metasomatic processs)とを区別している[Turner & Verhoogen : 1951].
変成作用は物理的および化学的な環境条件の変化に対して鉱物学的・化学的および組織構造的に岩石が適応することである.一般には変成作用の温度の上限は岩石が熔融する温度であり,岩石の組成・種類や水などの揮発性成分により異なる.低温では変成作用は続成作用に移行するとされている[片山ほか : 1970].しかし高温部では部分熔融との区別が難しく,低温部では弱い変成相の存在が知られており,どの程度からを変成作用とするかは問題がある.ギリシャ語のmetamorphosisは形の変化の意味.

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百科事典マイペディア 「変成作用」の意味・わかりやすい解説

変成作用【へんせいさよう】

地質学的原因によって既存の岩石の鉱物組成,組織,構造,ときに化学組成が変化させられ新しい種類の岩石(変成岩)がつくられる作用。それぞれ特徴的な地質学的現象と結びついて特徴的な変成岩ができる。おもなものは広域変成作用動力変成作用接触変成作用,熱変成作用である。
→関連項目続成作用変成鉱床変成帯

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化学辞典 第2版 「変成作用」の解説

変成作用
ヘンセイサヨウ
metamorphism


()()

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「変成作用」の意味・わかりやすい解説

変成作用
へんせいさよう
metamorphism

 
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