大伴池主(読み)おおとものいけぬし

改訂新版 世界大百科事典 「大伴池主」の意味・わかりやすい解説

大伴池主 (おおとものいけぬし)


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朝日日本歴史人物事典 「大伴池主」の解説

大伴池主

生年:生没年不詳
奈良時代の官人。大伴家持と親接な同族で『万葉集』に多く歌を残す。天平10(738)年春宮坊少属従七位下。同年橘奈良麻呂の宴に参加した。18年から翌年にかけて越中守家持と共に掾として越中(富山県)にあり,宴などで共に歌を詠んだほか,家持が病臥したときに歌を贈答している。20年越前掾に転じても天平勝宝3(751)年にかけて越中の家持との間で交信している。5年には左京少進として京にあり,少納言家持らと高円野(奈良市)に遊んだ。6年1月大伴の氏人が家持宅に賀集し宴飲したときにも詠歌している。8年には式部少丞とみえるが,橘奈良麻呂の変(757)に加わり,禁獄され,消息を失う。

(佐藤信)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大伴池主」の解説

大伴池主 おおともの-いけぬし

?-? 奈良時代の官吏
大伴家持(やかもち)が越中守のときの越中掾(じょう)で,家持とかわした歌などが「万葉集」におおくみられる。のちに式部少丞(しょうじょう)。天平勝宝(てんぴょうしょうほう)9年(757)橘奈良麻呂(たちばなの-ならまろ)の変にくわわり,投獄された。
格言など】十月(かむなづき)時雨(しぐれ)に逢へる黄葉(もみちば)の吹かば散りなむ風のまにまに(「万葉集」)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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