デジタル大辞泉 「対象」の意味・読み・例文・類語 たい‐しょう〔‐シヤウ〕【対象】 1行為の目標となるもの。めあて。﹁幼児を対象とする絵本﹂﹁調査の対象﹂ 2 哲学で、主観・意識に対してあり、その認識や意志などの作用が向けられるもの。 [類語]目途・目標・目安・的・方向・矛先・当たり・目当て・目的・標的・狙い・ターゲット 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「対象」の意味・読み・例文・類語 たい‐しょう‥シャウ【対象】 (一)〘 名詞 〙 (二)① 目標となるもの。目あて。相手。 (一)[初出の実例]﹁画にするには是非共此心持ちに恰好なる対象を択ばなければならん﹂(出典‥草枕︵1906︶︿夏目漱石﹀六) (三)② 哲学で、主観に対するものとして、われわれの前にあるもの。客体︵客観︶とほぼ同意で、一八世紀以来、欲求・認識・意志など一般に意識作用の向かう当のものの意で用いられる。事物。︹普通術語辞彙︵1905︶︺ 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「対象」の意味・わかりやすい解説 対象たいしょうobject ラテン語の objectum (前に投げられてあるもの) ,ギリシア語の antikeimenon (対して横たわるもの) に由来し,﹁客観﹂の原語もまた objectである。意識の志向するものを一般に対象といい,表象をはじめ意志,感情,想像などの働きに対して,それぞれの対象が考えられる。哲学的には,対象とその相関者としての主観との関係をどう考えるかによって説が分れ,その学説も古代から現代にいたるまで多様で,一義的に定義されえない。オーストリアの哲学者 A.マイノングは対象をその存在,非存在とは関係なしに一般的に考察する学問として対象論 Gegenstandstheorieを提唱したが,これも広義には対象についての一学説であることを免れない。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ) 「対象」の意味・わかりやすい解説 対象たいしょうobject 英語Gegenstand ドイツ語 認識、感情、意志など、なんらかの心的活動の志向するものをいい、ラテン語﹁オブイェクトゥム﹂objectum︵前に投げられたもの︶に由来し、﹁客観﹂と同じことば。ドイツ語のGegenstandもobjectumの訳語である。形式的な意味では﹁それについて語りうるすべてのもの﹂を対象という。しかしすべてを対象とする主観は、それ自身けっして対象とはならない。また、より限定された意味で、外から観察、記述されるものを対象という。その意味で対象化する思惟(しい)に近づきえないものが考えられる。たとえば働きつつある身体はそれが内から生きられる限りにおいて経験される。身体は対象化されると生理学的、物理学的な物になってしまう。 ﹇細川亮一﹈ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例