デジタル大辞泉 「惣百姓」の意味・読み・例文・類語 そう‐びゃくしょう〔‐ビヤクシヤウ〕【×惣百姓】 1 室町時代、惣に属する農民。2 江戸時代、本百姓のこと。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「惣百姓」の意味・読み・例文・類語 そう‐びゃくしょう‥ビャクシャウ【総百姓・惣百姓】 (一)〘 名詞 〙 村を構成する基本百姓。村内にあって公租・公課を負担する百姓の全員で、下人(げにん)・家抱(けほう)など自立性の乏しい百姓は含まれない。村請制がとられていた江戸時代には、年貢その他の課役については村中の総百姓が連帯責任をおっていた。村によっては庄屋・組頭を入札︵選挙︶によって決めており、総百姓はその選挙権、被選挙権を持っていた。︹地方凡例録︵1794︶︺ 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「惣百姓」の意味・わかりやすい解説 惣百姓そうびゃくしょう (1) 室町時代,農村で自衛上自治団体を形成したが,惣中掟,地下 (じげ) 掟など惣 (→郷村制 ) の制定した規定に服属する一般農民を惣百姓といった。規定に違反した者は地下破門の処置にあい,惣から出された。 (2) 江戸時代の本百姓の別称。秀吉の全国統一化の進行とともに,兵農分離が強力に推し進められ,太閤検地の結果,士農工商の身分制度が確立された。このように年貢と夫役を負担する階層として惣百姓は,幕藩体制のなかに組込まれ,明治維新にいたるまで封建的な制限と束縛を受けた。 (→百姓 ) 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の惣百姓の言及 【百姓一揆】より …1637(寛永14),38年の島原・天草一揆(島原の乱)は,武力一揆と逃散の二つに分離していた農民闘争が次の本来的な一揆的結集へ転換していく分水嶺の位置にある。 ﹇惣百姓強訴﹈ 居村内でのねばりづよい小農自立闘争と領主の小農維持政策によって近世農村が成立してくると,小農民が惣百姓として村役人を通じて領主と向かいあうことになった。兵農分離はいっそう貫徹し,武器は百姓の手から奪われて武力一揆は終わった。… ※「惣百姓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」