デジタル大辞泉 「手筋」の意味・読み・例文・類語 て‐すじ〔‐すぢ〕【手筋】 1手のひらに現れている筋。﹁手筋で運勢を占う﹂ 2 書画・芸事・武芸など、手先を使ってする事柄の素質・天分。﹁バイオリンの手筋がいい﹂ 3 囲碁・将棋で、攻防の基本となる手をうまく活用すること。また、ある局面にいちばん適した手。﹁碁の手筋を覚える﹂ 4 手段。てだて。 ﹁その儀について、拙者方にも―もござれば﹂︿伎・五大力﹀ 5 世話を頼む相手。つて。てづる。 ﹁やうやう―をもとめて、浅草のお別当様へ申しこみ﹂︿咄・聞上手﹀ 6 関係のある方面。むき。 ﹁これはいづくの―より漏れ聞こえし事ぞと﹂︿浮・敗毒散・五﹀ [類語]才・能力・力量・能・才能・才覚・文才・才気・手際・手腕・手並み・腕前・技量 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「手筋」の意味・読み・例文・類語 て‐すじ‥すぢ【手筋】 (一)〘 名詞 〙 (二)① 手のひらに現われたすじ。てのすじ。 (三)② 文字や絵画をかくことの巧拙の素質。てのすじ。また、武芸・芸事などの天分。 (一)[初出の実例]﹁惣じての女郎の手筋、ふみづらは、嶋原より当所は、遙にをとれり﹂(出典‥評判記・満散利久佐︵1656︶高天) (四)③ 流派の門人として、師から相伝される技法。また芸風。 (一)[初出の実例]﹁何れの道もかく有べけれど、俳諧は其手筋と、心がけにてはやくだれり﹂(出典‥俳諧・談林十百韻︵1675︶跋) (五)④ 手の運びの順序。筆法。 (一)[初出の実例]﹁御意にまかせ、筆拍子得たれば各別手筋を違て書上る﹂(出典‥浮世草子・本朝桜陰比事︵1689︶五) (六)⑤ 手段。てだて。方法。てがかり。 (一)[初出の実例]﹁学問は︿略﹀手筋(テスジ)よく学びぬれば、すこし学びてもその益大なり﹂(出典‥町人嚢︵1692︶一) (二)﹁今夜爰に泊った客で、敵の手筋が知れさうな﹂(出典‥浄瑠璃・伊賀越道中双六︵1783︶六) (七)⑥ 世話を頼む人。つて。てづる。 (一)[初出の実例]﹁俄に浮世もやめがたく手筋(テスジ)聞出し長崎屋伝九郎を頼み﹂(出典‥浮世草子・本朝二十不孝︵1686︶一) (八)⑦ むき。方向。関係する方面。支配する方面。 (一)[初出の実例]﹁朝鮮表御無事之儀、加藤主計殿手筋にて可二相済一歟﹂(出典‥島津家文書‐慶長三年︵1598︶八月二二日・宮本豊盛徳永寿昌連署起請文前書案) (九)⑧ 囲碁や将棋で、ある局面で必要にして有効な着手。また、ある形で好手と好手が連なるさし手。 (十)⑨ 取引市場で、売買する人の種類をいう語。手口。︹いろは引現代語大辞典︵1931︶︺ 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例