投資関数(読み)とうしかんすう(英語表記)investment function

日本大百科全書(ニッポニカ) 「投資関数」の意味・わかりやすい解説

投資関数
とうしかんすう
investment function

投資(設備投資、住宅投資、在庫投資)がいかなる要因により決定されるかを関数形で表したもの。ここでは企業の設備投資の決定に焦点を絞る。

[内島敏之]

加速度原理型投資関数


1917JMIY
  Iv(YY-1)
Y-1v

 


新古典学派の投資関数


D調

(1) 使使使使使

 調使KRY
  K*K(RY)


(2)調 調調KKαI
  IαK*KαK(RY)K


 



1981RS198182

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改訂新版 世界大百科事典 「投資関数」の意味・わかりやすい解説

投資関数 (とうしかんすう)
investment function

企業が行う投資の規模とそれを決定する諸要因との関係を数学的な表現手段で明示したもの。投資関数は,その値を決定する要因として何が最も支配的であると考えるかによって,その形態が異なっている。しかし,投資の規模に影響する要因を総括的に凝縮した概念として,投資の限界効率がある。これは,投資を目的として資本財を新しく1単位追加的に投入するとしたとき,それが将来にわたっての各期にもたらすであろう予想収益(生産金額から原材料,燃料,動力費および人件費を差し引いた額)の増加を資本財1単位の購入価格で割った商(1円当りの予想収益の増加額)である。資本財の購入資金を自己資金から出すにせよ外部からの借入れによるにせよ,資金の利子率(資金1円当りの利息額)が上記の投資の限界効率よりも小さいならば,投資は超過収益が期待できるので有利である。したがって,資本財をより多く購入して投資を増加させるであろう。逆に利子率が投資の限界効率よりも大きければ,投資の増加は損失を招く。投資の最適規模は,投資の限界効率が利子率に等しくなるように決定されることである。投資の限界効率は投資を増加させるにしたがって低下する。それは,しだいに有利な投資機会が見いだしがたくなること,生産の効率が投資規模の拡大とともに低下することによる。ゆえに利子率が高いほど投資の最適規模は小さくなる。
投資
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「投資関数」の意味・わかりやすい解説

投資関数
とうしかんすう
investment function

投資需要の大きさと,それを決定する要因との間の関係を規定する関数。投資関数の代表的なものとしては,(1) 企業の投資支出は当企業の生産物への需要の増加額に依存するとみなす加速度原理型の投資関数,(2) 投資は利潤と産出量の水準とによって決定されるとみる利潤原理型の投資関数,(3) 企業は現存する資本ストックを当企業が望ましいと考える資本ストックに等しくするように投資決定を行うとみる資本ストック調整原理型の投資関数などがある。

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世界大百科事典(旧版)内の投資関数の言及

【計量経済モデル】より


tYtCtItGt CtαβYt Itγ(Yt1Yt2) YtCtItGt(Yt,Ct,It,Gt)αβγ()t(t1)(t2)t

※「投資関数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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