拾遺（読み）シュウイ

デジタル大辞泉 「拾遺」の意味・読み・例文・類語

しゅう‐い〔シフヰ〕【拾遺】

 

1漏れ落ちたものをひろって補うこと。また、そうしてつくったもの。
2 ︽﹁じゅうい﹂とも︾侍従の唐名。
3 中国で、君主を助けて、その過失をいさめ補うこと。また、その官。拾遺補(ほけ)闕(つ)。
﹁拾遺和歌集﹂の略称。
[類語]充てる・充当する・充塡する・当てはめる・引き当てる・補塡・補給・塡補・穴埋め・増補・補遺・補う・追加・付加・補足・補充・カバー・加味・補完・相補・補訂・補(ほて)綴(い)  

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精選版 日本国語大辞典 「拾遺」の意味・読み・例文・類語

しゅう‐いシフヰ【拾遺】

 

(一)[1] 〘 名詞 〙
(一)① ( ━する ) 洩れているものを拾い補うこと。特に、ある書物に収録しそこなった作品・話などを拾い集めること。また、そのもの。拾遺補闕。
(一)[初出の実例]﹁先撰二二百首之愚歌一、有二結番事一、仍可レ謂二拾遺一﹂(出典‥拾遺愚草︵1216‐33頃︶上)
 (二)﹁当年膝栗毛五篇目宮廻りまで︿略﹀猶亦拾遺(シウヰ)に大和巡り大坂京都見物﹂(出典‥滑稽本・東海道中膝栗毛︵1802‐09︶五)
 (三)[その他の文献]︹史記‐太史公自序︺
 (二)② 君主を輔(たす)けて、その過失を補うこと。また、古く中国で、君主の過失をいさめる官。元以後廃止。拾遺補闕。︹史記‐汲黯伝︺
 (三)③ ( ﹁じゅうい﹂とも ) 侍従(じじゅう)の唐名。
(一)[初出の実例]﹁何因苦惜花零落、為三是微臣身職二拾遺一﹂(出典‥菅家文草︵900頃︶五・春惜桜花)
 (二)﹁侍従を拾遺といへば、宇治拾遺物がたりといへるにや﹂(出典‥宇治拾遺物語︵1221頃︶序)
 (四)④ 薫物(たきもの)の名。沈香、丁子香、甲香、甘松香、熟鬱金香、占唐香などをねりあわせて作る。拾遺補闕。︹類聚雑要抄︵室町︶︺
 (二)[2] ﹁しゅういわかしゅう︵拾遺和歌集︶﹂の略。
(一)[初出の実例]﹁古今・後撰・拾遺など五巻に作りつつ﹂(出典‥栄花物語︵1028‐92頃︶初花)
  

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普及版 字通 「拾遺」の読み・字形・画数・意味

【拾遺】しゆうい（しふゐ）

 
おとしもの、忘れものをひろう。︹子、正論︺風俗の美、男女(みち)︵途︶に取(めと)︵娶︶らず、百姓(わす)れたるを拾ふを羞(は)づ。
字通﹁拾﹂の項目を見る。
  

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世界大百科事典（旧版）内の拾遺の言及

【侍従】より


…相当位は従五位下。その職掌は︿常侍，規諫︵きかん︶，拾遺補闕︵ほけつ︶﹀，すなわちつねに天皇に近侍し，諫︵いさ︶めただし，遺︵わす︶れたるを拾い，闕︵か︶けたるを補うことにあった。侍従の別名を拾遺ともいう。…

※「拾遺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」

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