デジタル大辞泉 「摩訶迦葉」の意味・読み・例文・類語 まか‐かしょう〔‐カセフ〕【摩訶迦葉】 《〈梵〉Mahā-Kāśyapaの音写》迦葉の尊称。大迦葉。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「摩訶迦葉」の意味・読み・例文・類語 まか‐かしょう‥カセフ【摩訶迦葉】 ( 「摩訶」は美称。偉大な迦葉の意 ) =かしょう(迦葉)[初出の実例]「彼摩訶迦葉の雞足の洞に籠て、しづの春風を期(ご)し給ふらんも」(出典:平家物語(13C前)一〇) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「摩訶迦葉」の意味・わかりやすい解説 摩訶迦葉まかかしょう 生没年不詳。釈尊(しゃくそん)︵釈迦(しゃか)︶十大弟子の一人。そのなかでもとくに代表的な3人の一人。原名はパーリ語でマハーカッサパMahā-Kassapa。大迦葉(だいかしょう)、迦葉ともいう。北インド、マガダ国の首都、王舎城(おうしゃじょう)の付近の富裕なバラモン︵婆羅門︶の家に生まれる。結婚したが夫婦相談のうえ、二人ともに出家した。釈尊開教の初期のころ弟子となり、その1週間後には悟りを開いて阿羅漢(あらかん)︵供養(くよう)を受けるに値する者の意︶となったとされる。そのとき自身の新しい袈裟(けさ)を釈尊にさしあげ、釈尊の古い袈裟をもらい受けて、その後つねにこれを着用し、そのうえ頭陀行(ずだぎょう)︵厳しい苦行(くぎょう)的な生活︶を守り続けたので、﹁頭陀第一﹂と褒めたたえられた。釈尊生存中にすでに彼の代理を務め、滅(めつ)後は事実上その後継者として教団を統括し、とくに釈尊の遺教を整理統合した第一結集(けつじゅう)︵経典編纂(へんさん)会議︶においては、議長役を務めた。 ﹇森 祖道 2016年12月12日﹈ [参照項目] | 阿羅漢 | 結集 | 釈迦 | 十大弟子 | 頭陀 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
世界大百科事典(旧版)内の摩訶迦葉の言及 【十大弟子】より …目連が餓鬼道に落ちた母を救うために行った供養が盂蘭盆会︵うらぼんえ︶の起源になったといわれる。(3)摩訶迦葉︵まかかしよう︶ パーリ語でマハーカッサパMahākassapa。頭陀︵ずだ︶第一。… 【禅宗】より …大衆には,何のことか判らぬ。長老の摩訶迦葉︵まかかしよう︶だけが,にっこりとうなずく。仏陀は迦葉をほめ,印可を与えて,自分の正法眼蔵,涅槃︵ねはん︶妙心,実相無相,微妙の法門を,不立文字,教外別伝して,残りなく迦葉に付嘱すると宣言するのである。… 【拈華微笑】より …だれもその意味を理解できない。長老の摩訶迦葉だけが,ひとり微笑する。釈迦は,我に正法眼蔵,涅槃妙心,実相無相,微妙の法門あり,不立文字,教外別伝,今,摩訶迦葉に付す,と言ったとするもの。… 【仏教】より …遺骸は信者たちの手で火葬され,遺骨は信者たちに分けられ,塔(ストゥーパ,舎利塔,仏塔)にまつられた。 弟子たちは最長老のマハーカッサパ(摩訶迦葉)を中心に集まって会議を開き,釈迦の遺言に従って,生前に説かれた教え(法)と制定された教団の規則(律)とを編集し入滅後のよりどころとして,教団の結束をはかった。これを結集︵けつじゆう︶と呼ぶ。… ※「摩訶迦葉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」