日本歴史地名大系 「於福村」の解説
於福村
おふくむら
- 山口県：美祢市
- 於福村
[現在地名]美祢市於福 町上 ・於福町下
現美祢市最北端に位置し、大おおヶ垰たおを境に北は大おお津つ郡渋しぶ木き村︵現長門市︶と接する。大部分が山地で、集落は村内を南流する七なな瀬せ川とその支流域に点在し、川に沿って大ヶ垰から南の大おお嶺みね村に通ずる街道が通り、村内の金かな山やまと宗むね済ずみに一里塚があった。村の北東に花はな尾お山︵六六九・一メートル︶、村内西に雁がん飛ぴ山︵五八〇・三メートル︶がそびえ、東は於福台︵秋吉台︶を境に嘉か万ま村︵現美祢郡秋芳町︶。
古代には﹁延喜式﹂︵兵部省︶にみえる由ゆ宇う駅︵跡地は現長門市︶から南の鹿か野の駅に至る陰陽連絡路が通り、当地には意おふ福く駅が置かれていた。この意福が転じて於福になったとされる。応長元年︵一三一一︶一二月一五日付の善法寺尚清処分状写︵石清水文書︶に別相伝領として﹁於福村﹂とあり、その後は大おふ福く庄ともよばれ、石いわ清しみ水ず八幡宮︵現京都府八幡市︶領であった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報