デジタル大辞泉 「晶質」の意味・読み・例文・類語 しょう‐しつ〔シヤウ‐〕【晶質】 固体のときは結晶質で、溶液中では膠(こう)質(しつ)︵コロイド︶にならない物質。無機塩類や庶糖など。クリスタロイド。⇔膠質。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「晶質」の意味・読み・例文・類語 しょう‐しつシャウ‥【晶質】 (一)〘 名詞 〙 (二)① 水溶液から結晶として取り出せる物質。一八六一年、イギリスの化学者グレアムがコロイド︵膠質︶に対する語として用いたもの。クリスタロイド。 (三)② 結晶質。外形から見て特有の結晶形が示されていなくても、ある程度以上原子が周期的に排列している粒子の集合体にもいう。非晶質あるいは、ガラス質に対する語。︹鉱物字彙︵1890︶︺ 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「晶質」の意味・わかりやすい解説 晶質しょうしつcrystalloid クリスタロイドともいう。コロイドの命名者であるイギリスのグレアムが、コロイドをつくる物質を膠質(こうしつ)とよぶのに対応して、真の溶液を与えて結晶化しやすい物質を晶質であるとした。コロイド、とくにコロイド水溶液を与える物質には、分子量が大きく、半透膜を通らず、容易には結晶化しないものが多い。一方、無機塩や低分子量有機化合物には、真の溶液となり、膀胱(ぼうこう)膜のような半透膜ならば通過し、溶液から容易に結晶化するものが多い。これらの経験的事実からグレアムは、固体物質は膠質と晶質とに分類されると考えた。しかし、金のように金属結晶となるものがコロイド溶液になったり、分子量の大きな有機化合物の結晶も得られることから、膠質と晶質との分類は物質の基本的性質に基づくものではないことがわかり、現在ではほとんど使われていない。 ﹇岩本振武﹈ [参照項目] | コロイド 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「晶質」の意味・わかりやすい解説 晶質【しょうしつ】 クリスタロイドとも。かつてコロイドに対して用いられた。溶液中に溶質として存在する物質で,半透膜を通過し容易に拡散するもの︵無機塩類,ショ糖など︶について,T.グレアムが与えた名称。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報