神学(読み)シンガク

デジタル大辞泉 「神学」の意味・読み・例文・類語

しん‐がく【神学】

 
 

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精選版 日本国語大辞典 「神学」の意味・読み・例文・類語

しん‐がく【神学】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 神道に関する学問。
    1. [初出の実例]「当時神学のほまれあるは、下御霊の板垣民部、高田未白」(出典:浮世草子・元祿大平記(1702)七)
  3. 宗教上の神、特にキリスト教の真理について、信仰の立場から理論的に研究する学問。神理学。〔哲学字彙(1881)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「神学」の意味・わかりやすい解説

神学 (しんがく)


theologytheologyTheologiethéologietheoslogostheologiatheologikē2

=︿fides quaerens intellectum︿︿

姿3西25西16西4

 23使2西45西西11綿調

 ︿1K.



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日本大百科全書(ニッポニカ) 「神学」の意味・わかりやすい解説

神学
しんがく

特定の宗教、宗派の立場にたって、その信仰内容や対象、根拠などを論じ、またその信仰生活に関連する諸問題について反省的かつ体系的に研究する学問。

[田丸徳善]

概念と歴史

神学という語はtheologyまたは同義の近代ヨーロッパ語からの訳語であるが、この原語そのものが、長い歴史的過程に由来するいくつかの位相を含んでいる。語源であるギリシア語のテオロギアtheologiaは、「神(々)についてのことば」をさし、ほぼ今日の「神話」に近い。たとえばアリストテレスは、ホメロスやヘシオドスなどの神話文学者を神学者と名づけ、彼が自然学者とよぶ哲学者たちから区別した。もっとも彼は、他方、存在の最高の認識としての形而上(けいじじょう)学を「神学」theologikēとも称したが、全体としては神学=神話の意味が強かったとみられる。ともあれ、ギリシアでは、神話と哲学との両面を包括する神学の概念は成立しがたかったといえる。

 こうした前史をもつテオロギアの語は、他の多くの概念とともにキリスト教に摂取されて、しだいに定着した。しかし、その内容はキリスト教の基本的な教えというほどの意味であって、「聖なる教説」sacra doctrina、「信仰の教説」doctrina fideiという表現と異なったものではなかった。これに対し、学問としての神学が現れてくるのは、概していえば盛期スコラ学の時代からであって、それは中世における大学の成立とも関連している。すなわち、13世紀前半ごろから、パリなどの大学で「神学」ないし「神学部」facultas theologicaという呼称が用いられるようになったとされる。もちろん、それによってただちに「聖なる教説」が死語になったわけではないが、ほぼこのころ以降、弁証的な学問としての神学の概念が成立し、現在に至ったものとみてよいであろう。

[田丸徳善]

適用範囲


2()使西


学問的性格


姿


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山川 世界史小辞典 改訂新版 「神学」の解説

神学(しんがく)
theology



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百科事典マイペディア 「神学」の意味・わかりやすい解説

神学【しんがく】

英語theology(ギリシア語theos〈神〉とlogos〈学〉の合成に由来)などの訳。一般に,有神論的宗教における学問的な自己理解の試みの総体。あらゆる個別宗教について神学の存立は可能であるが,通常,〈神の言〉としての聖書を有し,ギリシア哲学との出会いを大きな契機としてその教義と信仰の不断の解釈・再解釈を続けて体系を築いてきたキリスト教神学を指す。
→関連項目形而上学宗教学宗教哲学

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神学」の意味・わかりやすい解説

神学
しんがく
theologia

神学の語源,ギリシア語の theologiaは,プラトン,アリストテレス以前は神々の物語であり,アリストテレスでは epistēmē theologikē (神学) の学 epistēmēを省略して形容詞 theologikēを名詞化して神学を意味した。この語はやがて異端的神論というほどの意でキリスト教に採用され,のち聖書論と並んでキリスト教神学を意味するようになった。また神学はキリスト教以外の宗教の場合にも用いられるようになり,イスラム教,ユダヤ教などそれぞれの神学が存在する。こうして神学は信仰の学として絶対的超越者たる神に対する信仰を守りつつ学的体系的認識を深めてゆくものであり,啓示的真理を前提とする点において哲学やほかの諸科学と決定的に異なる。

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旺文社世界史事典 三訂版 「神学」の解説

神学
しんがく
theology

宗教上の信仰内容を合理的に解釈し,説明しようとする学問
キリスト教では,ギリシア・ローマの異教や,異端と対決する中から生まれ,アウグスティヌスが体系づけ,トマス=アクィナスがスコラ哲学として大成した。ルター,カルヴァンがプロテスタントの立場から新しい神学を唱え,現代にあっては,キェルケゴールやバルトらがこれを発展させた。キリスト教以外でも,類比的にイスラーム神学・ユダヤ教神学などと使われる。

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世界大百科事典(旧版)内の神学の言及

【宗教学】より


 1617

※「神学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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