粘土鉱物(読み)ネンドコウブツ(英語表記)clay mineral

デジタル大辞泉 「粘土鉱物」の意味・読み・例文・類語

ねんど‐こうぶつ〔‐クワウブツ〕【粘土鉱物】

粘土の主体をなす鉱物。カオリナイトモンモリロナイトなどの含水珪酸塩けいさんえん大部分で、風化作用熱水変質でできる。

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精選版 日本国語大辞典 「粘土鉱物」の意味・読み・例文・類語

ねんど‐こうぶつ‥クヮウブツ【粘土鉱物】

 

(一)   
 

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「粘土鉱物」の意味・わかりやすい解説

粘土鉱物
ねんどこうぶつ
clay mineral


()()()19112000(1)(2)(3)(2)2

 

産状

粘土鉱物は、土壌や風化を受けた岩石中に産し、日本のように火山帯が発達した所では熱水や温泉による岩石の変質部やその中の岩脈、鉱脈中に産する。また火山灰などの堆積(たいせき)物中や堆積岩を構成する鉱物としても産する。

[松原 聰]

成因

熱水溶液中から直接沈殿してできる場合と、母岩との反応によってできる場合がある。とくに後者の場合、母岩の化学成分や生成時の温度、溶媒の水素イオン濃度(pH)によって種類や生成量が影響される。母岩全体が粘土化することもあるが、その中の特定な鉱物のみが粘土化する場合も多い。

[松原 聰]

種類

層状珪酸塩鉱物では、パイロフィライト葉ろう石)、滑石、モンモリロン石、ノントロン石、サポー石、バーミキュライト(苦土蛭(ひる)石)、雲母属鉱物、緑泥石属鉱物、カオリン鉱物蛇紋石鉱物があり、非晶質ないし低結晶度鉱物では、芋子(いもご)石、アロフェン、ヒシンゲライトがある。

[松原 聰]

利用




 

 

1974

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改訂新版 世界大百科事典 「粘土鉱物」の意味・わかりやすい解説

粘土鉱物 (ねんどこうぶつ)
clay mineral


SiO4AlMgFeOOH1︿SiO4︿2KH2O22

 

 1 O2CO2SO22 3 4 

 湿Al4OSi2Al2O12


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「粘土鉱物」の意味・わかりやすい解説

粘土鉱物
ねんどこうぶつ
clay mineral

 
232 ( ) 3714 150% 150% 450% ()   

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百科事典マイペディア 「粘土鉱物」の意味・わかりやすい解説

粘土鉱物【ねんどこうぶつ】

粘土の主構成鉱物。カオリン鉱物モンモリロナイト鉱物,雲母粘土鉱物,緑泥石鉱物など数種のグループに分類される。ほとんどが層状の結晶構造をもつ含水ケイ酸塩鉱物で,陽イオンとしておもにマグネシウム,アルミニウム,鉄を含む。微細な粒子からなり,葉片状にへき開する。加熱によって水を失い,高温で耐火物質に変わる。水を加えると可塑性をもつ。モンモリロナイト鉱物,ハロイサイト(カオリン鉱物の一種)などでは層格子の間に水の六角網が形成され膨潤現象を示す。この種の粘土鉱物は,有機物質との結合(水の層の代りに有機物質が規則正しく配置される)という特異な性質を示す。粘土鉱物は岩石や鉱物の地上での化学的風化,海底風化,熱水作用による変質,温泉作用などで生じ,ケツ岩,泥岩などの主要構成鉱物でもある。
→関連項目アロフェン長石

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岩石学辞典 「粘土鉱物」の解説

粘土鉱物

粘土の粒度のどのような鉱物の記載にも一般的に使用できる語であるが,特に含水珪酸塩の複合グループに対して用いられる.これらは細粒結晶質のメタコロイダル(metacolloidal)または非晶質の形で産出する.粘土鉱物は含水アルミナ・フィロ珪酸塩で二層または三層の型の単斜晶系の格子をもち,SiイオンとAlイオンが酸素に対して四面体配位をとっている.Al, 二価のFe, 三価のFe, Mg, Cr, Liなどは八面体配位をもち,酸素あるいは水酸基に関係する.粘土鉱物は塩基交換の容量が大きく,珪酸塩層の表面でCa, Na, K, Mg, H, Alなどのカチオンと交換する.粘土鉱物は,カオリナイト(kaolinite),モンモリロナイト(montmorillonite),イライト(illite)の三種のグループに大別される.粘土鉱物はもともとの珪酸塩鉱物が風化作用によって形成されたものが多い[Pettijohn : 1975].

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世界大百科事典(旧版)内の粘土鉱物の言及

【粘土】より

…土壌の分類では粒子の径が2μm(0.002mm)以下のものを,堆積物・堆積岩の分類では1/256mm以下のものをいうなど,その大きさの範囲は分野により異なる。おもに粘土鉱物より成り,一般に親水性が強く,水を含むと可塑性,粘着性を示し,乾燥すれば剛性を示す。岩石の風化作用,温泉作用あるいは熱水変成作用などによって生じ,地上,海底に広く分布している。…

※「粘土鉱物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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