費え（読み）ツイエ

デジタル大辞泉 「費え」の意味・読み・例文・類語

ついえ〔つひえ〕【費え／▽弊え／▽潰え】

 
1費用。出費。かかり。﹁―がかさむ﹂
﹁この商売を為すには莫大の―なれども﹂︿福沢・学問のすゝめ﹀
2 むだな出費。浪費。
﹁十五銭も二十銭も取られてたいした―でもあるから﹂︿太宰・魚服記﹀
3 つぶれてだめになること。また、減ったり悪くなったりすること。
﹁必ずしも筆の―を多からず﹂︿十訓抄・序﹀
4 疲れ苦しむこと。衰え弱ること。
﹁政道正しからずして民の―を思はず﹂︿太平記・一﹀
[類語]支出・費用・掛かり・入(い)り・入(い)り目・入(い)り用・入(にゅ)用(うよう)・入(にゅ)費(うひ)・出費・用度・経費・実費・コスト・雑費・出金・出(でせ)銭(ん)・失費・物入り・支払い・歳出・歳費・決済・勘定・支弁・払い・払い込み・醵(きょ)出(しゅつ)・醵(きょ)金(きん)・出資・先払い・前払い・後払い・未払い・不払い・追い払(ばら)い・延べ払い・一時払い・分割払い・有る時払い・遅払い・出世払い  

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精選版 日本国語大辞典 「費え」の意味・読み・例文・類語

ついえつひえ【費・弊・潰】

 

(一)〘 名詞 〙 ( 動詞﹁ついえる︵費︶﹂の連用形の名詞化 )
 (二)① くずれ敗れること。悪くなること。滅びてしまうこと。
(一)[初出の実例]﹁王の政の弊(ツヒヘ)未だ必ず此に由らずはあらず﹂(出典‥日本書紀︵720︶欽明二一年九月︵北野本訓︶)
 (三)② 疲れ苦しむこと。精神的・肉体的に弱ること。おとろえ。疲労。
(一)[初出の実例]﹁民の弊(ツイヘ)を思はず、只日夜に逸遊を事として﹂(出典‥太平記︵14Ｃ後︶一)
 (四)③ 無駄なこと。損失。損害。弊害。
(一)[初出の実例]﹁七珍万宝さながら灰燼となりにき。その費え、いくそばくぞ﹂(出典‥方丈記︵1212︶)
 (五)④ ( 形動 ) 費用がかかること。金がかかること。また、そのさま。かかり。物いり。出費。
(一)[初出の実例]﹁くちをしう、もののついえあることをかぞふれば、多くの損なり﹂(出典‥宇津保物語︵970‐999頃︶藤原の君)
 (二)﹁氏子の(ツイヘ)をかんがへ神も胸算用にて﹂(出典‥浮世草子・世間胸算用︵1692︶四)
  

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