デジタル大辞泉 「送」の意味・読み・例文・類語 そう【送】[漢字項目] [音]ソウ(漢) [訓]おくる[学習漢字]3年1 出かける人を見おくる。「送迎・送別/歓送・葬送・奉送・目送」2 人や物を別の所に運びおくる。「送還・送金・送電・送付・送料/運送・護送・転送・発送・返送・放送・輸送・郵送・陸送」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「送」の意味・読み・例文・類語 おくり【送】 (一)〘 名詞 〙 ( 動詞﹁おくる︵送︶﹂の連用形の名詞化 ) (二)① 品物などを先方に届くようにすること。 (三)② 去って行く人などを、ある所まで見守ってついて行くこと。見送りや護送。また、その人。 (一)[初出の実例]﹁仕うまつるべき人人みな難波まで御送りしける﹂(出典‥竹取物語︵9C末‐10C初︶) (四)③ 死者を守って墓所まで行くこと。死者を送っていくこと。葬送。 (一)[初出の実例]﹁御忌なき日とて、三日といふに、をさめ奉り給ふ。大将殿御おくりに、四位五位いと多く歩みつづきたり﹂(出典‥落窪物語︵10C後︶四) (五)④ ﹁おくりじょう︵送状︶﹂の略。 (六)⑤ ﹁おくりいっさつ︵送一札︶﹂の略。 (七)⑥ 謡曲で、八個の拍を一連とする基本型に対して、二拍を一連とする拍子をいう。 (八)⑦ ( 七五の句の途中から、次の場へ節(ふし)を送る、または登場人物を送るところから ) 浄瑠璃で、場面の終わり、変わり目、人物の出入りなどの時につける節。浄瑠璃本では普通、片仮名で﹁ヲクリ﹂と表示される。 (一)[初出の実例]﹁中に立たる御師匠の ヲクリ 心遣ぞ殊勝なる﹂(出典‥浄瑠璃・八百屋お七︵1731頃か︶上) (九)⑧ 歌舞伎で、俳優が舞台から引っ込むときなどにうたわれる下座唄(げざうた)。おくり唄。 (一)[初出の実例]﹁送りになって、白太夫・輝国・小磯こなしあって、皆々引連れ奥へ入る﹂(出典‥歌舞伎・天満宮菜種御供︵1777︶八) (十)⑨ 歌舞伎で、下座(げざ)の鳴り物の一つ。鳴らす鐘の最初の音︵鐘の頭(かしら)︶に続いて打ち鳴らすもの。幕切れ、道具替わり、引っ込みなどに多く用いる。送り鐘。 (一)[初出の実例]﹁﹃行け﹄﹃合点だ﹄と捨て鐘の送(オク)りにて、向うへ追ひ駈け入(はひ)る﹂(出典‥歌舞伎・高麗大和皇白浪︵1809︶四立) (11)⑩ 遊女屋で、前の客が遊女をあげて遊べる時間の余りを次の客が引き継ぐこと。 (一)[初出の実例]﹁松さんはかへりしたが太兵衛どんがをくりにしてやろふから、でろとって﹂(出典‥洒落本・通言総籬︵1787︶二) (12)⑪ 遊里で、芸娼妓の供をする男衆。 (一)[初出の実例]﹁勘定を供の男にさせ︿箱持にはあらずおくりなり﹀﹂(出典‥人情本・春色梅児誉美︵1832‐33︶後) (13)⑫ ( 芸娼妓の送り迎えの料とするところから ) 遊里吉原の茶屋で、酒肴(しゅこう)の費用。 (一)[初出の実例]﹁酒肴の価を号けて送りと云。妓院の送迎の料とする也﹂(出典‥随筆・守貞漫稿︵1837‐53︶二〇) (14)⑬ ( 俳優の楽屋の出入りにつき従うところから ) 俳優の供をする者。 (15)⑭ 遊里で、遊客を遊女屋へつれていくこと。また、その人。 (一)[初出の実例]﹁茶屋の送りと云ふ職務上から﹂(出典‥冷笑︵1909‐10︶︿永井荷風﹀四) (16)⑮ 島流し。島送り。 (一)[初出の実例]﹁三日と立たず捕へられ、送(オク)りになったら賊と違って、人を殺せば斬罪の処刑は言はずと知れたこと﹂(出典‥歌舞伎・島鵆月白浪︵1881︶五幕) (17)⑯ 検察庁︵旧称、検事局︶送り、また刑務所送りになることをいう隠語。 (一)[初出の実例]﹁何とか片名(かたな)のあるスリとの事に、直ちに其筋へ送りになりしが﹂(出典‥当世商人気質︵1886︶︿饗庭篁村﹀五) (18)⑰ 物事を次へ回すこと。活字を前や後の行へ移すこと。﹁膝送り﹂﹁行送り﹂ (19)⑱ 工作・印刷機械などで、機械が規則的に動くこと。また、機械が加工するものや、印刷する紙などを規則的に動かすこと。 (一)[初出の実例]﹁僕は、フト旋盤に送りをかけて、腰を下す途端に考へたんだ﹂(出典‥海に生くる人々︵1926︶︿葉山嘉樹﹀一一) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例