造船疑獄(読み)ゾウセンギゴク

デジタル大辞泉 「造船疑獄」の意味・読み・例文・類語

ぞうせん‐ぎごく〔ザウセン‐〕【造船疑獄】

昭和28~29年(1953~54)に起こった、計画造船による融資割当などに絡む海運・造船業界と与党自由党との贈収賄事件犬養健法相の指揮権発動により捜査は打ち切られた。

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精選版 日本国語大辞典 「造船疑獄」の意味・読み・例文・類語

ぞうせん‐ぎごくザウセン‥【造船疑獄】

  1. 昭和二八~二九年(一九五三‐五四)に起こった、造船融資の利子負担軽減にからむ海運・造船業界と政官界との贈収賄事件。自民党政治家が多数取り調べを受けたが、法相犬養健の指揮権発動により幹事長佐藤栄作に対する逮捕要求が阻まれた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「造船疑獄」の意味・わかりやすい解説

造船疑獄
ぞうせんぎごく


19542913195375414442021()14()7301117713427000

 

 21980

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改訂新版 世界大百科事典 「造船疑獄」の意味・わかりやすい解説

造船疑獄 (ぞうせんぎごく)


195412195337445266800024西8442010002114︿7301271900122調51716161956122817606212

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百科事典マイペディア 「造船疑獄」の意味・わかりやすい解説

造船疑獄【ぞうせんぎごく】

 
19541465  

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「造船疑獄」の意味・わかりやすい解説

造船疑獄
ぞうせんぎごく

1953年「外航船舶建造融資利子補給及び国家補償法」の成立,政府出資の計画造船の割り当てをめぐって起こった贈収賄事件。日本特殊産業の商法違反の取り調べに端を発し,1954年1月山下汽船,日本海運の手形の不正が発覚,さらに飯野海運をはじめとする海運各社が運輸省の高官および自由党幹部に贈賄している事実が明るみに出た。検察庁は業界幹部および自由党の有田二郎ら有力者を次々と逮捕,4月 20日自由党幹事長佐藤栄作の逮捕請求を決定した。しかし,翌 21日法務大臣犬養健が検察庁法 14条に定める指揮権を発動し,逮捕を抑えたため贈収賄の捜査は事実上不可能となり,容疑者多数が釈放された。7月 20日までに周辺関連事件を含めた逮捕者は運輸省の官房長壺井玄剛,飯野海運社長俣野健輔ら 70人以上に達した。

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世界大百科事典(旧版)内の造船疑獄の言及

【疑獄】より

…特に昭和20年代は,政府の民間に対する保護政策を焦点とした事件がめだっている。1948年の昭電疑獄は,傾斜生産方式による復興金融金庫の政策融資をめぐり,GHQ内の対立もからんだ事件であり,54年の造船疑獄は,計画造船における見返り資金(利子補給,開銀融資)をめぐり,検察内の対立もからんだ事件として著名である。昭和30年代以降,許認可行政の範囲の拡大と国際的な融資の増大とにより,第1次・第2次FX選定問題,インドネシア賠償問題,ソウル地下鉄問題,税政連問題,KDD事件などの疑獄が表面化した。…

※「造船疑獄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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