合成繊維の開発から生まれたナイロンやビニルのシートやフィルムは、通気性がないために湿気がこもるという欠点はあったが、防水性に優れて軽く、加工もしやすかったために、レインコートをはじめ、レインハット、レインシューズ、雨傘の材料として利用されてきた。衣類の防水加工は、通気性があったほうが快適であるから、水をはじく撥水(はっすい)加工が一般的である。繊維表面に疎水(そすい)性物質を付着させる(一時的防水)か結合させる(永久的)加工法で、ピリジウム塩、シリコン樹脂、フッ素樹脂などが用いられる。糸のすきまをビニル系やウレタン系の樹脂で固めてしまう加工は、完全防水になるが通気性はなく、袋物や帆布に用いられる。
[辻ますみ]
『喜多川守貞編『類聚近世風俗志』(1934・更生閣)』
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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