非（読み）ヒ

デジタル大辞泉 「非」の意味・読み・例文・類語

ひ【非】［漢字項目］

 
﹇音﹈ヒ︵呉︶︵漢︶　﹇訓﹈あらず　そしる
﹇学習漢字﹈5年
1 …でない。それと違う。…がない。﹁非常・非情・非凡・非(ひり)力(き)・非礼・非合理・非常識﹂
2 悪い。間違っている。悪いこと。﹁非運・非行・非道／是非・前非・理非﹂
3 間違いとする。非とする。﹁非戦論／是是非非﹂
4 悪く言う。そしる。﹁非議・非難﹂
﹇難読﹈似(え)非(せ)・似(え)而(せ)非・非(ひ)道(ど)い  
 

ひ︻非︼

 
﹇名﹈
1 道理に反すること。正しくないこと。﹁非をあばく﹂⇔是(ぜ)。
2 あやまり。欠点。﹁自分の非を認める﹂
﹁横画は三本なり。二本に書くは―なり﹂︿子規・墨汁一滴﹀
3 物事がうまくいかないこと。﹁戦況は日ごとに非となる﹂
﹇接頭﹈名詞・形容動詞に付いて、それに当たらない、それ以外である、などの意を表す。﹁非民主的﹂﹁非科学的﹂﹁非常勤﹂﹁非ピリン系感冒薬﹂
[類語]不正・不当・邪・横様・いんちき・いかさま  

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精選版 日本国語大辞典 「非」の意味・読み・例文・類語

ひ【非】

 

(一)[1] 〘 名詞 〙
(一)① 常でないこと、非常、病気など。
(一)[初出の実例]﹁頗良薬。七服七粒臨レ非以二生薑湯一呑下﹂(出典‥参天台五台山記︵1072‐73︶六)
 (二)② ( 形動 ) 道理に合わないこと。正しくないこと。また、そのさま。﹁理﹂や﹁是(ぜ)﹂に対して用いる。
(一)[初出の実例]﹁非をもて理とす﹂(出典‥平家物語︵13Ｃ前︶一)
 (二)[その他の文献]︹書経‐説命中︺
 (三)③ まちがっているところ。よくない点。悪い点。欠点。
(一)[初出の実例]﹁にくむこころにて、ひとの非をみるべからず﹂(出典‥正法眼蔵︵1231‐53︶重雲堂式)
 (四)④ ( 形動 ) うまくゆかないこと。不利な状態にあること。また、そのさま。
(一)[初出の実例]﹁身をも人をも頼まざれば、是なる時はよろこび、非なるときはうらみず﹂(出典‥徒然草︵1331頃︶二一一)
 (五)⑤ 悪いと言い立てること。そしること。非難。→非を打つ。
(一)[初出の実例]﹁大概非(ヒ)のいらぬ程の御用の間(ま)には合せませう﹂(出典‥浄瑠璃・鑓の権三重帷子︵1717︶上)
 (二)[2] 〘 接頭語 〙 名詞または形容動詞に付いて、それに該当しない、それ以外である意を添える。﹁非参議﹂﹁非社会性﹂﹁非現実的﹂など。
(一)[初出の実例]﹁御分達は本より非(ヒ)学生にて﹂(出典‥米沢本沙石集︵1283︶五)
  

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