風刺(読み)フウシ(英語表記)satire 英語

デジタル大辞泉 「風刺」の意味・読み・例文・類語

ふう‐し【風刺/×諷刺】

[名](スル)社会や人物の欠点・罪悪を遠回しに批判すること。また、その批判を嘲笑的に表現すること。「―のきいた小説」「時代を―する」
[類語]文句苦情クレーム不平コンプレイント小言苦言言いがかりいちゃもん嫌み皮肉当て付け毒舌当て擦り揚げ足取り物言い難癖咎め咎め立て

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精選版 日本国語大辞典 「風刺」の意味・読み・例文・類語

ふう‐し【風刺・諷刺】

  1. 〘 名詞 〙 あらわには言わず、遠まわしに他の欠点をつくこと。特に、社会・人物などの欠陥・罪悪などを嘲笑的に描くことやその作品。
    1. [初出の実例]「始たらされて〈略〉色裏へて捨られて男女の配耦を失たを後悔した事ぞ。爰を風刺して作たぞ」(出典:古活字本毛詩抄(17C前)三)
    2. [その他の文献]〔文心雕龍‐書記〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「風刺」の意味・わかりやすい解説

風刺
ふうし
satire 英語
satire フランス語


SatiresaturaSatyrosSatura3Menippos1Varro116272()()()


風刺詩


B()


その他の風刺文学


()16S18()


視覚的な風刺

初めに示した風刺の本質は、言語によってもっともよく現実化することができるとはいえ、造形的な表現を拒むものではない。「風刺画」は別項があるが、風刺漫画について一言するならば、落書きのようなものを除けば、宗教改革期に盛んとなり、マスコミの発達とともに発展してきたとみてよい。言語の場合以上に複製手段が重要だからである。最後に風刺的映画に目を転ずるなら、チャップリンの『モダン・タイムス』と『独裁者』が代表作であることは、衆目の一致するところである。

[佐々木健一]

『N・フライ著、海老根宏他訳『批評の解剖(第三エッセイ)』(1980・法政大学出版局)』『M・ホジャート著、山田恒人訳『諷刺の芸術』(1983・平凡社)』

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改訂新版 世界大百科事典 「風刺」の意味・わかりやすい解説

風刺 (ふうし)


satiresatirasaturasatyrsatirelanx satura︿︿satira2G.

 S.149420K.A.Ship of Fools19621688J.1693satire1681A.1712J.1726︿182

 使︿︿︿姿


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「風刺」の意味・わかりやすい解説

風刺
ふうし
satire

 
 ( ) 1819G.B.  

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普及版 字通 「風刺」の読み・字形・画数・意味

【風刺】ふうし

諷刺。

字通「風」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の風刺の言及

【アレゴリー】より

…《薔薇物語》(13世紀,フランス),ダンテの《神曲》(14世紀,イタリア),ラングランドの《農夫ピアーズの夢》(14世紀,イギリス),〈中世道徳劇〉,さらに近代にいたって,バニヤンの《天路歴程》(1678,84)など,寓喩的方法への依拠の仕方には,それぞれ深浅の差があり,またその主題も異なるが,いずれもアレゴリーの代表傑作と言いうる。アレゴリーはまた,近代において,社会的・政治的風刺の方法としても用いられた。ドライデンの《アブサロムとアキトフェル》(1681),スウィフトの《桶物語》(1704),S.バトラーの《エレホン》(1872),G.オーウェルの《動物農場》(1945)などはその優れた例である。…

※「風刺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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