デジタル大辞泉 「鼠」の意味・読み・例文・類語 ねずみ【×鼠】 1齧(げっ)歯(し)目ネズミ科の哺乳類の総称。一般に小形で、体毛は灰色・黒褐色で尾は細長い。犬歯はなく、一対の門歯が発達し一生伸び続ける。繁殖力は旺盛だが、寿命は短い。農作物・貯蔵穀物などに甚大な損害を与え、また病気を媒介する。 2 ﹁ねずみ色﹂の略。 3 ひそかに害をなす者。 4 つまらない者。﹁ただの鼠ではない﹂ [下接語]藍(あい)鼠・赤鼠・油鼠・家鼠・薄鼠・萱(かや)鼠・川鼠・関節鼠・絹毛鼠・木鼠・銀鼠・熊(くま)鼠・黒鼠・毛長鼠・小鼠・濃(こ)鼠・独(こ)楽(ま)鼠・子守鼠・地鼠・麝(じゃ)香(こう)鼠・白鼠・大黒鼠・田鼠・旅鼠・月の鼠・天(てん)竺(じく)鼠・尖(とがり)鼠・棘(とげ)鼠・跳(とび)鼠・溝(どぶ)鼠・南(ナン)京(キン)鼠・濡(ぬ)れ鼠・野鼠・畑(はた)鼠・二十日鼠・針鼠・火鼠・姫鼠・袋鼠・葡(ぶど)萄(う)鼠・舞鼠・谷(や)地(ち)鼠・鎧(よろい)鼠・利休鼠 [類語]野鼠・家鼠・熊鼠・溝(どぶ)鼠(ねずみ)・二十日鼠・独楽鼠・舞鼠・天竺鼠・モルモット・ハムスター そ︻鼠︼﹇漢字項目﹈ ﹇音﹈ソ︵慣︶ ﹇訓﹈ねずみ ︿ソ﹀ 1 動物の名。ネズミ。﹁鼠(そこ)咬(うし)症(ょう)/窮鼠・首鼠・田鼠・殺鼠剤﹂ 2 こそこそと悪事を働く者のたとえ。﹁鼠賊﹂ ︿ねずみ﹀﹁鼠色・鼠算/野鼠﹂ [補説]﹁鼡﹂は俗字。 ﹇難読﹈鼬(いた)鼠(ち)・金(き)海(ん)鼠(こ)・海(なま)鼠(こ)・鼹(もぐ)鼠(ら)・鼯(もも)鼠(んが)・栗(り)鼠(す) ねず【×鼠】 「ねずみ」の略。「鼠公」「銀鼠」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「鼠」の意味・読み・例文・類語 ねずみ【鼠】 (一)〘 名詞 〙 (二)① ネズミ科に属する哺乳類の総称。体長五~三五センチメートル。尾は細長く、角質のうろこでおおわれて毛はほとんどないものが多い。体毛は灰色、黒褐色など。上下のあごに各一対の大きな門歯があり、物をかじるのに適する。繁殖力は強く年に数回子を産む。種類は多く、人家にすむドブネズミ・クマネズミなどの家ネズミと、野外にすむハタネズミ・アカネズミなどの野ネズミとに分けられる。愛玩用や医学の実験用となる種もあり、また一部の種は農作物・食料品・樹木などを食い荒らしたり、病原菌を媒介する害獣として扱われる。 (一)[初出の実例]﹁是に出でむ所を知らざる間(あひた)に、鼠(ネスミ)来て云はく﹂(出典‥古事記︵712︶上︵兼永本訓︶) (二)﹁ねすみの走りありく、いとにくし﹂(出典‥能因本枕︵10C終︶二五) (三)② ﹁ねずみいろ︵鼠色︶﹂の略。 (一)[初出の実例]﹁さて帯は大方無地にして、嶋繻子、黒じゅす、鼠(ネズミ)、すす竹﹂(出典‥仮名草子・都風俗鑑︵1681︶二) (四)③ ひそかに害をなす賊徒。また、君主の側近の悪人。 (一)[初出の実例]﹁熊坂が死んでも国に鼠有り﹂(出典‥雑俳・裏若葉︵1732︶) (五)④ ﹁ねずみきど︵鼠木戸︶﹂の略。 (一)[初出の実例]﹁鼠から化して鶉の桟敷番﹂(出典‥雑俳・柳多留‐一〇八︵1829︶) (六)⑤ ﹁ねずみはなび︵鼠花火︶﹂の略。 (一)[初出の実例]﹁立ち消へがしたに鼠をすてて逃げ﹂(出典‥雑俳・川傍柳︵1780‐83︶三) (七)⑥ ﹁ねずみはんぎり︵鼠半切︶﹂の略。 (一)[初出の実例]﹁勝負附鼠に羽根が生えて飛﹂(出典‥雑俳・柳多留‐五九︵1812︶) (八)⑦ 労働運動で、裏切り者をいう。︹いろは引現代語大辞典︵1931︶︺ ねず︻鼠︼ (一)〘 名詞 〙 (二)① ﹁ねずみ︵鼠︶﹂の略。 (一)[初出の実例]﹁ねずみのみをいはずして、ねずとばかりいへり、ねずなき、ねずばしり等、如何。答、わざとみをいはざるには非ず。ねずみといふが、自然にいひかくさるる也。又、ねすむといへる、むは、みと堅通せる同字なれば也﹂(出典‥名語記︵1275︶四) (三)② =ねずみいろ︵鼠色︶ (一)[初出の実例]﹁幅広の鼠(ネズ)のリボンを生温かい風邪が煽る﹂(出典‥鳥影︵1908︶︿石川啄木﹀一) ね【鼠】 〘 名詞 〙 =ねずみ(鼠)[初出の実例]「鼠(ネ)い此の梯に縁りて上りて阿蘇羅の能く空の中の月を障ふるを除去せむときに」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例