日本大百科全書(ニッポニカ) 「iPod」の意味・わかりやすい解説
iPod
あいぽっど
アメリカのアップル社が開発・発売した携帯デジタル音楽プレーヤー。1~160ギガバイトの容量をもつハードディスクあるいはフラッシュメモリーを内蔵しており、約240~4万曲の記憶が可能。iTunes(アイチューンズ)というパソコンソフトを使用してパソコンと接続することで、音楽を転送し聴取することができる。具体的には音楽CDをパソコン上でiTunesを使って聴取可能なデータに変換・蓄積し、コピーしてiPodに転送するほか、インターネットを利用して有料音楽配信サイトのiTunes Store(アイチューンズ・ストア)から曲をダウンロード購入し、iPodに転送することもできる。
初代のiPodは5ギガバイトの容量をもち約1000曲の記憶が可能で、2001年に発売されて大ヒットを記録した。以後、何度か改良を繰り返し、2013年時点では音楽再生機能のみのiPod shuffle(アイポッドシャッフル)のほか、カラーディスプレーで動画や静止画の再生もできるiPod nano(アイポッドナノ)、iPod classic(アイポッドクラシック)、iPod touch(アイポッドタッチ)の4機種が発売されている。iPod nano、iPod shuffleおよびiPod classicでは、iTunes Storeからダウンロードしたポッドキャストを楽しむことができる。またiPod touchにはインターネット接続機能がついており、パソコンに接続することなく端末から楽曲をダウンロード購入できる。容量が160ギガバイトのiPod classicの場合で、音楽の連続再生時間が最大36時間︵ビデオでは最大6時間︶、完全充電時間は約4時間。
iPodの登場により、携帯デジタル音楽プレーヤーの普及が急速に進んだ。また、iPod、iTunes、iTunes Storeの連携による音楽配信は大反響をよび、オンラインで楽曲等をダウンロード購入するという形態を一般的なものにした。
﹇編集部﹈
﹃伊藤伸一郎著﹃AppleジョブスのiPod革命――マッキントッシュ、ピクサー、iPodを生み出した男のカリスマの証明﹄︵2006・ぱる出版︶﹄▽﹃スティーブン・レヴィ著、上浦倫人訳﹃iPodは何を変えたのか?﹄︵2007・ソフトバンククリエイティブ︶﹄▽﹃林信行著﹃アップルの法則――驚きのアイデアと戦略の秘密﹄︵2008・青春出版社︶﹄▽﹃大谷和利著﹃iPodをつくった男――スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス﹄︵アスキー新書︶﹄
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