Category: テレビ・ラジオ番組
日本ナンダコリャこれくしょん 今度は俳句だ!
元日はテレビ三昧。
しかしほとんどは、やっつけ仕事で作ったとしか思われないような退屈な番組ばかり。
そんななかで、NHK BS2で放送していた﹁日本ナンダコリャこれくしょん 今度は俳句だ!﹂は面白かった。
折り目正しい正統派の俳句ではなく、﹁ナンダコリャ!?﹂と頭をひねってしまうような奇想天外な俳句を探し出し、それを面白おかしく紹介し、最後に全員で採点するというもの。
出演者は、司会のいとうせいこうをはじめ、假屋崎省吾、高橋源一郎、冨士眞奈美、吉行和子、明川哲也、大宮エリー、なぎら健壱、南海キャンディーズ︵山里亮太、山崎静代︶、箭内道彦といった顔ぶれ。
そして宗匠として俳人の金子兜太が出演。
ふつうの句会と違って自分で句作するのではなく、他人の句を肴にするというところがミソで、喧々諤々と大いに盛り上がりました。
軽い知的遊びといったリラックスしたゲーム感覚が心地よく、次から次へと繰り出される迷句、珍句の数々に、普段はあまり親しみのない俳句が非常に身近なものに感じられました。
2時間という長丁場でしたが、あっという間に過ぎた2時間でした。
持ち寄った俳句は全部で20句。
そのなかで最高点を獲得したのが、下の2句。
﹁露人ワシコフ叫びて柘榴︵ざくろ︶打ち落とす﹂ 西東三鬼︵さいとうさんき︶ 高橋源一郎・選
﹁戦争が廊下の奥に立ってゐた﹂ 渡辺白泉︵わたなべはくせん︶ なぎら健壱・選
見ただけではなかなか理解しがたい句ですが、選者の解釈や推薦の弁を聞いていると、想像が広がっていき、次第に全体像が浮かび上がってきます。 なるほどそういうことなのか、そういう解釈もあるのかと、目を開かせられることもしばしばで、俳句の奥深さを実感させられました。 そして﹁ナンダコリャ!?﹂と思っていた句が、実は奥が深く、さまざまな思い、人生、そして時代というものを含み持っているのだということに気づかされました。 その他にも、次のような句も
﹁青蛙おぬしもペンキ塗りたてか﹂ 芥川龍之介
﹁法医学・桜・暗黒・父・自涜︵じとく︶﹂ 寺山修司
﹁まつすぐな道でさみしい﹂ 種田山頭火
﹁粉屋が哭く山を駈けおりてきた俺に﹂ 金子兜太
﹁夏みかん酢っぱし今さら純潔など﹂ 鈴木しづ子
﹁魔がさして糸瓜︵へちま︶となりぬどうもどうも﹂ 正木ゆう子
﹁鞦韆︵ぶらんこ︶は漕ぐべし愛は奪うべし﹂ 三橋鷹女
なかでも鈴木しづ子という俳人は戦後ダンスホールで働き、黒人米兵とつきあうなど自由奔放に生きた女性で、句集を発表した後、﹁ごきげんよう、さようなら﹂という言葉を残して忽然と姿を消してしまい、未だに生死もはっきりしないという伝説の人だそうで、非常に興味をそそられました。 番組最後の金子兜太の言葉 ﹁︵ナンダコリャ!?︶というのは常識が決めていること。ところがその句を掘っていくと非常識の喜びが出てきて、みんな名句になる。常識なんかに負けちゃあいられないと思いました。﹂
この番組を見ているうちに、ひとつ俳句でも書いてみるかという気になってきました。
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﹁露人ワシコフ叫びて柘榴︵ざくろ︶打ち落とす﹂ 西東三鬼︵さいとうさんき︶ 高橋源一郎・選
﹁戦争が廊下の奥に立ってゐた﹂ 渡辺白泉︵わたなべはくせん︶ なぎら健壱・選
見ただけではなかなか理解しがたい句ですが、選者の解釈や推薦の弁を聞いていると、想像が広がっていき、次第に全体像が浮かび上がってきます。 なるほどそういうことなのか、そういう解釈もあるのかと、目を開かせられることもしばしばで、俳句の奥深さを実感させられました。 そして﹁ナンダコリャ!?﹂と思っていた句が、実は奥が深く、さまざまな思い、人生、そして時代というものを含み持っているのだということに気づかされました。 その他にも、次のような句も
﹁青蛙おぬしもペンキ塗りたてか﹂ 芥川龍之介
﹁法医学・桜・暗黒・父・自涜︵じとく︶﹂ 寺山修司
﹁まつすぐな道でさみしい﹂ 種田山頭火
﹁粉屋が哭く山を駈けおりてきた俺に﹂ 金子兜太
﹁夏みかん酢っぱし今さら純潔など﹂ 鈴木しづ子
﹁魔がさして糸瓜︵へちま︶となりぬどうもどうも﹂ 正木ゆう子
﹁鞦韆︵ぶらんこ︶は漕ぐべし愛は奪うべし﹂ 三橋鷹女
なかでも鈴木しづ子という俳人は戦後ダンスホールで働き、黒人米兵とつきあうなど自由奔放に生きた女性で、句集を発表した後、﹁ごきげんよう、さようなら﹂という言葉を残して忽然と姿を消してしまい、未だに生死もはっきりしないという伝説の人だそうで、非常に興味をそそられました。 番組最後の金子兜太の言葉 ﹁︵ナンダコリャ!?︶というのは常識が決めていること。ところがその句を掘っていくと非常識の喜びが出てきて、みんな名句になる。常識なんかに負けちゃあいられないと思いました。﹂
この番組を見ているうちに、ひとつ俳句でも書いてみるかという気になってきました。
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