史上最多の21人が立候補している2016年夏の東京都知事選。でも、群雄割拠というムードは全く感じられません。その大きな原因は、テレビや新聞の選挙報道にあります。﹁主要3候補﹂という言葉を使って、鳥越俊太郎、増田寛也、小池百合子の3人︵届け出順︶にフォーカスした報道を展開しているからです。
他の18人の候補者は、まるで刺身のつまのように、都知事選のニュースの最後にちょっと名前を紹介されるだけ。マスメディアによって、﹁主要3候補﹂とその他の候補の間に太い線がクッキリと引かれてしまいました。
- 視点
- photo by 岩本室佳
テレビの選挙報道がネットに後れを取る時代
- 亀松太郎 (ジャーナリスト)
- 2016年7月30日
著者プロフィール
亀松太郎
かめまつ・たろう
ジャーナリスト
1970年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、朝日新聞記者になるが、3年で退社。法律事務所のリサーチャーやJ-CASTニュース記者などを経て、ニコニコ動画を運営するドワンゴに転職。ニコニコニュース編集長としてニュースサイト運営や報道・言論番組の制作を統括した。2013年から2016年春まで弁護士ドットコムニュースの編集長。現在は、弁護士ドットコム顧問のほか、早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコースの非常勤講師などを務める。
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