缶コーヒー
概要
容器
世界における展開・普及状況
沿革
アメリカ合衆国
シンガポール
スイス
台湾
- 1982年、台湾の食品会社である金車が、台湾市場において缶コーヒー「伯朗咖啡(Mr. Brown Coffee)」の販売を開始。
日本
日本における状況
表示の定義
その他の定義
自動販売機
展開
日本のように屋外に大量の自動販売機が設置されている国は他に類をみない。治安の良さ以外にも以下の事例が起因となって自販機が普及し、缶コーヒー販売に大きく寄与している。
1975年(昭和50年)頃から「白ベンダー業者(ノーブランド自販機の訪問販売業者)」が台頭する。いわゆる自販機ビジネスの先がけとなった商売で、斬新な商法と販売力で設置台数を拡大させていった。70年代末には全国に700社以上もの業者が存在していたといわれる。ホット&コールド自販機の誕生と重なるこの時期は業者間の競争も激化した。その将来性が見込まれて製造メーカーには注文が殺到、奇抜なデザインや購買意欲を刺激する付加要素を備えた自販機が多く登場し缶コーヒーの売り上げに拍車をかける一因となった。のちにこの自販機ビジネスは飲料メーカーからも注目を浴びて提携が組まれるようになり、商標入りの自販機が取扱いの主流になってゆく。
機能
主なメーカーと主要銘柄(過去のメーカー・主要銘柄を含む)
缶コーヒー市場占有率における首位銘柄は「ジョージア」となっている[30]。
- UCC(ユーシーシー上島珈琲)
- UCCミルク&コーヒー
- UCCブラック・無糖
- 日本コカ・コーラ
- サントリーフーズ / サントリー食品インターナショナル(サントリーホールディングス)
- キリンビバレッジ
- FIRE(ファイア)
- 小岩井 ミルクとコーヒー(280ml[注 1])
- アサヒ飲料(アサヒグループホールディングス)
- WONDA(ワンダ)
- 味の素ゼネラルフーヅ(AGF)
- ブレンディ プラス 微糖
- ブレンディ 挽きたてカフェオレ カロリーハーフ
- ダイドードリンコ
- ポッカサッポロフード&ビバレッジ(サッポロホールディングス)
- ネスレマニュファクチャリング/大塚食品
- 三本珈琲
- M.M.C.コーヒー
- サンガリア
- サンガリアコーヒー他
- サンコー
- fabo(ファボ)
- ヤクルト本社
- 岩泉産業開発
- 伊藤園(ITO EN)
- ハウスウェルネスフーズ
- ウィニング 炭焼き微糖
- 花王(Kao)
- ヘルシアコーヒー
- 興和(Kowa)
- コーワ パワードコーヒー
など多数ある。
主なパッカー
缶コーヒーのユーザー層
市場を支えるヘビーユーザーの定義は各年代によって変化している(後述)。
1980年代
カネボウ食品 (現:クラシエフーズ)が1980年に行った調査では、男性は20代〜30代、女性は20代前半の飲用率が高い。本数は月間1〜2本程度が最も多く、20代の中には月に6本以上を飲用するヘビーユーザーも若干数存在していた。また、嗜好調査では10代から最も高い支持を得ていた。このように若者主体型の商品であったことから、中高年への需要喚起が今後の検討課題とされていた。
1990年代
2000年代
缶の種類
缶コーヒーの成分
低酸性飲料であるコーヒー飲料は細菌汚染による変質リスクが炭酸飲料と比べて高い(ブラックコーヒーは除く)。乳成分を含んでいることや加温販売されることも細菌の育成条件に適っているため、添加される成分は保存性に重きがおかれる。
水
水はコーヒーの抽出に必要な成分。硬度は高いほど苦みやロースト感に作用し、低いほど酸味やマイルド感に作用する。ただしカルシウムやマグネシウムの含有量が高すぎると乳成分が不安定になるため硬度150ppm未満が望ましいとされる。また、塩類を多く含む水はコーヒーの香味を阻害し乳成分の熱安定性にも悪影響を及ぼすという。
コーヒー
乳成分
甘味料
香料
乳化剤
乳化剤は乳成分とコーヒー液の分離を妨ぐ。初期の缶コーヒーは乳成分が分離することがよくあった(缶の内部に付着するため「リング」と呼ばれた)ため、よく振ってから飲用しなければならなかったが、乳化剤の発達により振る必要はほぼ無くなった。また、自販機による加温販売に伴い、耐熱性細菌(C. thermocellum)による酸敗事故が発生するようになったが、加熱殺菌による殺滅は実質不可能なため『ショ糖脂肪酸エステル(成分表記上は乳化剤)』の添加による抑制がとられるようになった。
缶コーヒーとリサイクル
- 再利用の例
缶コーヒーのバリエーション
缶コレクター
日本には日本国外のビール缶コレクターズクラブ『Brewery Collectibles Club of America』のようなコーヒー缶コレクター団体は存在しない。しかし個人単位でコレクターは数多く存在し、Web上などでそのコレクションの一部を見る事ができる。しかし、希少な缶が高い金銭価値を持っていたとしても、それらが詳しく体系化されるような活動はあまり盛んではない。また、日本以外の国においてコーヒー缶コレクターが存在する可能性があるが、存在したとしてもごく少数にとどまると推測される。
その他
脚注
注釈
- ^ ただし500mlはペットボトルで展開される。
- ^ 当時は「一日あたり5本以上飲用」と定義されていることもあった(スタバも参入!長期低迷から一転、「缶コーヒー市場」が盛り上がる理由 日経トレンディネット 2008年11月21日)。
出典
関連項目
参考文献・リンク
- 山崎幹夫『缶コーヒー風景論』洋泉社、1993年
- コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約 (PDF)