組物

日本の社寺建築の柱などの上で軒を支える部分

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殿


概要

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基本的分類

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使

その他の組物

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法隆寺の組物

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大仏様の組物

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禅宗様の組物

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組物を柱頭のみではなく、柱間中備にも設ける詰組が特徴[注釈 2]。 また禅宗様の三手先は部材の線が細く曲線的で[10]、上段の肘木ほど左右に広がっていく様や、上端に鎬(しのぎ・斜めに削ぐこと)のついた二重尾垂木や、内部からも尾垂木を見せるなど、細部もやや異なる。

東大寺鐘楼の組物

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崇福寺第一峰門の組物

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崇福寺の第一峰門の正面と背面のみに見られる組物で、三葉栱(さんようきょう)という。 三葉栱は前方に伸ばす肘木とその両側に斜肘木を出す構造。一手目の斗は通常の肘木に乗るものと斜肘木二本に乗るものが交互に繰り返され、二手目を受ける肘木は斜肘木に乗った斗から伸ばす。以降これを四手目まで繰り返す。 第一峰門は寺伝によると1644年に中国で工作したものを日本に運び込んで組み立てたとされる。 末期から初頭ごろの様式と考えられる[13]

崇福寺大雄宝殿の組物

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殿 () [13]

連三斗

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つれみつと。出組など一般的な組物は屋根を軒先方向に伸ばす役割があるが、連三斗は螻羽(けらば・屋根の妻側)方向に伸ばす組物である。大仏様で見られる手法で13世紀中ごろには他の様式にも用いられるようになる。向拝柱に用いられ、頭貫を伸ばした木鼻の上に斗を乗せ、柱頭から伸ばした肘木を下から支える[8]

歴史

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高頤墓闕の詳細
 
般若寺楼門

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中備(なかぞなえ)

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間斗束 石山寺本堂
  • 撥束 東大寺回廊
  • 蓑束 東大寺俊乗堂
  • 花肘木 法隆寺南大門
  • 板蟇股 長谷寺登廊
  • 本蟇股 談山神社末社惣杜本殿
  • 本蟇股 日光東照宮回廊の眠り猫
  • 人字形割束(叉首) 法隆寺回廊[注釈 5]
  • 耐災害

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    中国にある応県木塔を含む多くの歴史建築物が、地震や自然災害を乗り越え、今日まで残っているのは、これらの組み物によって得られた構造的な柔軟性によるものと考えられている[29]

    その他

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    文化財愛護シンボルマーク

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    日本文化庁が、文化財愛護運動の推進のために1966年(昭和41年)5月に制定した「文化財愛護シンボルマーク」は、3段に重ねた組物(斗栱)をイメージしたもので、日本における文化財保護の象徴となっている[30]

    脚注

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    注釈

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    1. ^ 法隆寺の金堂・五重塔・中門、法起寺の三重塔、法輪寺の三重塔(焼失)、および法隆寺の玉虫厨子
    2. ^ 対になる言葉は疎組(あまぐみ・亜麻組とも)である
    3. ^ 昴は日本語でいう尾垂木の意味で、仮は見せかけのという意味
    4. ^ 不要な材料を再利用して後世に作った可能性もある
    5. ^ この画像ではややわかりにくいが、虹梁の中央付近に乗る、2本の短い斜材を「人」字形に組んだものが叉首。この上に斗と肘木が乗り、棟木を支える。

    出典

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    1. ^ 武井豊治 1994, p. 180.
    2. ^ 村田健一 2005, p. 363-368.
    3. ^ 太田博太郎 2019, p. 40.
    4. ^ 太田博太郎 2019, p. 65, 66, 100, 125, 126.
    5. ^ 太田博太郎 2019, p. 102.
    6. ^ 岡田英男 2005, p. 7.
    7. ^ 村田健一 2005, p. 374-375.
    8. ^ a b 村田健一 2006, p. 192-205.
    9. ^ 妻木靖延 2016, p. 68.
    10. ^ 妻木靖延 2016, p. 78-84.
    11. ^ 奈良県文化財保存事務所 1967, p. 17-18.
    12. ^ 片桐正夫 1995, p. 179.
    13. ^ a b 文化財建造物保存技術協会 1995, p. 22-26.
    14. ^ 藤井恵介 1994, p. 10.
    15. ^ 藤井恵介 1994, p. 4.
    16. ^ 村田健一 2006, p. 137-138.
    17. ^ 清水重敦、西田紀子 2007, p. 41-46.
    18. ^ 村田健一 2006, p. 48-59.
    19. ^ 村田健一 2006, p. 87-89.
    20. ^ a b 村田健一 2006, p. 82-84.
    21. ^ 藤井恵介 1994, p. 25-26.
    22. ^ 藤井恵介 1994, p. 43-46.
    23. ^ 西和夫 1990, p. 103.
    24. ^ 武井豊治 1994, p. 246.
    25. ^ 武井豊治 1994, p. 14,42,232.
    26. ^ 武井豊治 1994, p. 224.
    27. ^ 武井豊治 1994, p. 208.
    28. ^ 武井豊治 1994, p. 288.
    29. ^ Dougong: The enduring appeal of an ancient Chinese building technique(CNN 2017年9月1日)
    30. ^ 文化庁. “文化財愛護シンボルマーク”. 文化庁サイト. 2022年9月7日閲覧。

    参考文献

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     2005ISBN 978-4784212545 

    4691995doi:10.3130/aija.60.177_1 

    , 西009 IV  : 4720071041-46CRID 1390290700445870336doi:10.24484/sitereports.16683-12363hdl:11177/1761 

    西  1990ISBN 4-395-00306-0 

    1994ISBN 978-4844530190 

     : 2008

     !2016ISBN 978-4761526269 

    1967 

    殿1995 

    -INAX1994ISBN 4-8099-1044-X 

      ︿ 22005ISBN 4-13-065202-8 

    2006ISBN 4-7615-1219-9 

      ︿ 22005ISBN 4-13-065202-8 

     2019 1982

    外部リンク

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