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「沢庵漬け」の版間の差分

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{{Redirect|タクアン|パプアニューギニアの火山|タクアン山}}

[[File:Takuan_by_-puamelia-.jpg|thumb|沢庵漬け]]

{{redirect|たくわん|漫画家|たくわん (漫画家)}}

{{栄養価

[[ファイル:Takuan by -puamelia-.jpg|thumb|沢庵漬け]][[ファイル:Japanese radishs.JPG|thumb|季節の風物詩でもある日干しされる大根]]

|name = たくあん漬、干しだいこん漬<ref name="食品成分表2015">

'''沢庵漬け'''(たくあんづけ)は、[[ダイコン|大根]][[漬物]]の一種。主に[[日本]]で食べられる。'''たくあん'''、'''たくわん'''などとも呼ばれる。

{{Cite book

|和書

|editor = 編:[[文部科学省]]科学技術・学術審議会資源調査分科会

|title = [[日本食品標準成分表]]

|accessdate = 2016-10-15

|edition = 2015年版(七訂)

|date = 2015-12-25

|isbn = 978-4-86458-118-9

|chapter = 6 野菜類

|chapterurl = http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/03/25/1365343_1-0206r5_1.pdf}}<!-- chapterformat = PDF だが、実装されていない模様 --></ref>

|kJ = 113

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|note = 別名:本たくあん }}




[[]][[]]<ref name="fukui">{{Cite web||url=https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/021500/kijun_d/fil/014.pdf|title=|accessdate=2023112|publisher=}}</ref><ref name="miyazaki" />[[]][[]][[]][[|]]<ref name="fukui" />

[[Image:Japanese radishs.JPG|thumb|季節の風物詩でもある日干しされる大根]]


'''沢庵漬け'''(たくあんづけ)は、[[ダイコン|大根]]を[[糠]]と[[塩]]などで漬けた[[漬物]]で、主に[[日本]]で食べられる。'''たくあん'''、'''たくわん'''などとも呼ばれる。

代表的な漬物で[[天保]]年間に初版が刊行された『漬物塩嘉言』では香物の第一としている<ref name="miyao" />。



== 発祥 ==

== 発祥 ==


[[]][[]][[]]1573-1646<ref>[[稿]][[]]</ref><ref>[[]] P385</ref>[[ ()|]][[]]

[[]][[]][[]]<ref>[[稿]][[]]</ref>[[]][[]][[]][[]][[]][[ ()|]][[]]


また別の説によると、元々は「混じり気のないもの」という意味の「じゃくあん漬け」、あるいは、「貯え漬け(たくわえづけ)」が転じたとも言われている<ref>{{Cite book|和書|editor=[[宮武外骨]]|title=日本擬人名辞典|url={{NDLDC|1126432/22}}|year=1930|publisher=成光館|page=30}}</ref>。

また別の説によると、元々は「混じり気のないもの」という意味の「じゃくあん漬け」、あるいは、「貯え漬け(たくわえづけ)」が転じたとも言われている<ref>{{Cite book|和書|editor=宮武外骨|editor-link=宮武外骨|title=日本擬人名辞典|url={{NDLDC|1126432/22}}|year=1930|publisher=成光館|page=30}}</ref>。



この大根の漬物は、18世紀に[[江戸]]だけではなく[[京都]]や[[九州]]にも広がり食べられていた<ref>「料理網目調味抄」・「物類称呼」</ref>。

この大根の漬物は、18世紀に[[江戸]]だけではなく[[京都]]や[[九州]]にも広がり食べられていた<ref>「料理網目調味抄」・「物類称呼」</ref>。




[[|]][[]]912-985[[]]<ref>16 [[]]</ref><ref>[[]]</ref>

また、[[延暦寺|比叡山]]には元三大師こと慈恵大師[[良源]](912年-985年)が[[平安時代]]に考案したとされる「定心房(じょうしんぼう)」と呼ばれる漬物が伝えられており、これを沢庵漬けの始祖とする説<ref>『街道をゆく16 叡山の諸道』[[司馬遼太郎]]</ref>もある。これは丸干しした大根を塩と藁で重ね漬けにしたものであった<ref>『タクアンかじり歩き』[[妹尾河童]]</ref>とされるが、現在「定心房たくあん」として販売されているものは一般的な糠漬けの沢庵である。



== 製法 ==

== 製法 ==


1420[[|1]]7[[]]3<ref name="miyao" />357<ref name="miyao" />

{{出典の明記|section=1|date=2015年4月}}

伝統的な製法では、手で曲げられる程度に[[ダイコン|大根]]を数日間日干しして、このしなびた大根を、容器に入れて[[糠|米糠]]と[[塩]]で1~数か月漬ける。風味付けの[[コンブ|昆布]]や唐辛子、[[カキノキ|柿]]の皮などを加えることもある。



漬物製造業では天日干しのほか塩押しで脱水しているものもあり<ref name="fukui" />、それぞれ天日干したくあん、塩押したくあんと呼ばれている<ref name="miyazaki">{{Cite web|和書|url=https://www.miyazaki-u.ac.jp/crcweb/sangakuwp/wp-content/uploads/sangaku/df94786ada30226f8c09ea7fe420653d.pdf|title=官能評価によるたくあんの品質評価に向けた取組|accessdate=2023年1月12日|publisher=宮崎大学}}</ref>。

大根を日干し、塩を加えて漬けて[[水分]]を減らす事によって大根本来の味が濃縮され、塩味が加わり、米糠の中に存在する[[麹]]が[[デンプン]]を分解して生ずる糖分によって甘味が増すとともに、徐々に黄褐色へ染まっていく。




調<ref name="ishida">{{Cite journal | |author1=|author2= |url= |title=glucoraphasatin |journal=調 |volume= 55|issue=1 |publisher=調 |date=2020 |pages=46-51 |naid= |ref=}}</ref>[[]][[:en:Myrosinase|]][[:en:Thiopurine_methyltransferase|TPMT]]<ref name="ishida" />TPMT[[]]退[[]][[]][[]]<ref name="ishida" />

現在商品として流通している大多数の沢庵漬けは、日干し大根の代わりに塩や糖液に漬けて水分を除いた塩押し大根や糖絞り大根を使用することが多く、伝統的な沢庵とは食感や風味が異なる(それぞれ塩押し漬、糖絞り漬などとして区別されることもある)。また、[[甘味料]]や[[うま味調味料]]などを配合した調味液で調味したり、人工[[着色料]]で色づけしたりといった加工がされることもある。これは時代が下るにつれて消費者の嗜好がより甘く低塩分な漬物を求めるようになった事、また大量生産、コスト削減の為に製造工程の短略化を図った事等の帰結である。その一方で、[[三浦半島]]や[[三重県]]伊勢地方、[[徳島県]]などでは、伝統的製法による沢庵が今なお商品として生産されており、付加価値が付いた名物となるとともに一定の需要を得ている。また、[[紀の川漬]]のように米糠に代えて麦の[[麬|ふすま]]を用いるものもある。




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八百屋などで10~20本の沢庵漬け用の干し大根が販売されている。しかし、[[梅干]]や[[キュウリ]]などの[[糠漬]]とは異なって数本程度の少量で漬け込む事は困難で漬け込む際の匂いを敬遠する事もあり、沢庵を漬ける家庭はそれほど多くはない。



高知では暖かい土地柄で発酵が進みやすく、糠漬けなどはすぐに酸っぱくなってしまう。そのためか沢庵漬けなどはあらかじめ酸味を添加してある物があるほどである<ref>妹尾河童著『タクワンかじり歩き』</ref><ref>日本経済新聞 2000年11月から2010年3月まで掲載「食べ物 新日本奇行」より</ref>。

高知では暖かい土地柄で発酵が進みやすく、糠漬けなどはすぐに酸っぱくなってしまう。そのためか沢庵漬けなどはあらかじめ酸味を添加してある物があるほどである<ref>妹尾河童著『タクワンかじり歩き』</ref><ref>日本経済新聞 2000年11月から2010年3月まで掲載「食べ物 新日本奇行」より</ref>。



<ref name="miyao">{{Cite web||author= |url=https://www.syokuryou-shinbun.com/relays/download/980/10023/28//?file=/files/libs/5419/202103021031014089.pdf|title=|accessdate=2023112|publisher=}}</ref>


== 料理 ==

== 料理 ==

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[[|]]使

[[|]]使


なお、以前たくあんに油分を加えて中華風に味付けしたものを、[[桃屋]]が「根菜」として瓶詰めにして販売していたが製造終了となっている。


[[]]<ref>{{Cite web||title= | CM | CM |  | |accessdate=20232|url=https://www.momoya.co.jp/gallery/norihei/cm/detail/345}}</ref>


=== 新香巻(しんこまき) ===

=== 新香巻(しんこまき) ===

[[海苔]]の上に[[酢飯]]を乗せ、その上に細切りにしたを乗せて[[巻き簾]]を使用して細巻きにした[[海苔巻き]][[寿司]]。等分に切り、さらに二等分くは三等分に切って盛り付ける。

[[海苔]]の上に[[酢飯]]を乗せ、その上に細切りにした沢庵を乗せて[[巻き簾]]を使用して細巻きにした[[海苔巻き]][[寿司]]。等分や六等分して盛り付ける。



=== いぶりがっこ ===

=== いぶりがっこ ===


[[]][[]][[|]]<ref name="Senoo">{{Cite book||author=[[]]|title=|year=1992|publisher=[[]]|series=[[]]|isbn=4167535025}}</ref>

[[|]][[]][[]]<ref name="Senoo">{{Cite book||author=|authorlink=|title=|year=1992|publisher=[[]]|series=[[]]|isbn=4167535025}}</ref><ref>[http://kyoudo-ryouri.com/food/2158.html ] 2020213</ref>


=== 遠州焼き ===

=== 遠州焼き ===


[[]][[]]西[[]][[]][[]][[]][[]][[|]][[]]

[[]][[]]西[[]][[]][[]][[]][[|]][[]]


=== サラダパン ===

=== サラダパン ===

[[滋賀県]][[長浜市]]では「[[サラダパン]]呼ばれる、[[マヨネーズ]]で和えたたくあんの細切りを挟んだ[[惣菜パン]]製造販売されている。

[[サラダパン]]と、[[マヨネーズ]]で和えた沢庵の細切りを挟んだ[[滋賀県]][[長浜市]]で製造販売されている[[惣菜パン]]



'''その他'''

== 沢庵の枚数 ==

和食料理店などで、おかずの一品として沢庵が二切れ付いてくる事がよくあるが、この沢庵を二切れ出すという習慣は、江戸時代から始まったといわれている。




* [[]]

* 古漬け(塩を多く使い、保存性を高めたもの)は水で洗って刻んで炒め物や茶漬けの具として使われている。


== 文化 ==

=== 沢庵の枚数 ===


{{|date=20232|

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[[近畿地方|関西]]では沢庵付けを三切れ出す事は縁起を担ぐ(三方)ものとされ、関西の丼専門店ではあえて三切れの沢庵付けを出す店もある。}}



* 日本の刑務所では、沢庵の量は1人当たり25グラム前後である<ref name="Senoo"/>。

[[近畿地方|関西]]では沢庵付けを三切れ出す事は縁起を担ぐ(三方)ものとされ、関西の丼専門店ではあえて三切れの沢庵付けを出す店もある。


* 15527<ref>{{Cite web||url=https://www.mod.go.jp/j/procurement/chotatsu/nds/pdf/n5101.pdf |title=  |accessdate=2022-03-30 |website= |format=PDF |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200617221905/https://www.mod.go.jp/j/procurement/chotatsu/nds/pdf/n5101.pdf |archivedate=2020-06-17}}</ref>


=== 臭い食べ物の代表例 ===

日本の刑務所では、沢庵の量は人当たり二十五グラム前後である<ref name="Senoo"/>。

沢庵は発酵により、外国人など馴れていない者が臭気とも感じる特有のにおいがある。[[イザベラ・バード]]は著書の「日本紀行」で、「誰かがこれを食べているときは、同じ家のなかにいられないほどで、これよりひどい臭いはスカンクしか無い」と描写している。



=== 戦中・戦後の沢庵 ===

自衛隊の戦闘糧食として採用されている「たくあん漬缶詰」(1食分)は、固形量55グラムの規格である。(平成27年現在)<ref>{{Cite|title=防衛省仕様書改正票 たくあん漬缶詰|url=http://www.mod.go.jp/j/procurement/chotatsu/nds/pdf/n/n5101.pdf}}</ref>


[[]][[]]100360100710229<ref>22911.2</ref>


== 日本国外の沢庵 ==

== 日本国外の沢庵 ==

=== 台湾 ===

=== 台湾 ===


[[|]][[]][[]][[]][[]] [[|]]

[[|]][[]][[]][[]][[]]{{||zh||label=}} [[|]][[]][[]]


=== 韓国 ===

=== 韓国 ===


[[|]][[|]][[]]

[[大韓民国|韓国]]に[[日本統治時代の朝鮮|日本統治時代]]に沢庵漬けが持ち込まれた。「日帝の持ちこんだもので良かったものは、沢庵だけ」という格言があるほど韓国社会に受容され、現在では広く普及している。一般的には「[[タンムジ]]」(「甘い大根の漬物」の略)と呼ばれるが、日本語のたくあんが朝鮮語式発音に変わった「タカン」と呼ばれることもある。味は甘酸っぱい傾向があるもののほぼ同じ。また韓国では中華料理店で[[チャジャンミョ]]に添えられて提供されるこが一般的である。加えて日本料理店のみならず、[[洋食]]を供するレストランでも沢庵漬けが出されることがあるが、これは洋食そのものが日本から伝わったものであるために定着した現象である。



=== 中国 ===

=== 中国 ===

[[中華人民共和国|中国]]において、大根の漬け物は「鹹蘿蔔」と呼び、各地で作られているが、一般には日干しした大根の他に[[塩]]だけを用い、2度漬け込みするか、2度めに[[トウガラシ|唐辛子]]を加えて辛い味を付けるものがほとんどである。このため、色は白または赤いものとなる。江南地域では、日本のたくあんのような甘口の「蘿蔔乾」(例えば、常州蘿蔔乾)も存在する。

[[中華人民共和国|中国]]において、大根の漬け物は「鹹蘿蔔」と呼び、各地で作られているが、一般には日干しした大根の他に[[塩]]だけを用い、2度漬け込みするか、2度めに[[トウガラシ|唐辛子]]を加えて辛い味を付けるものがほとんどである。このため、色は白または赤いものとなる。江南地域では、日本のたくあんのような甘口の「蘿蔔乾」(例えば、常州蘿蔔乾)も存在する。


== 臭い食べ物の代表例 ==

沢庵は発酵により、外国人など馴れていない者が臭気とも感じる特有のにおいがある。[[イザベラ・バード]]は著書の「日本紀行」で、「誰かがこれを食べているときは、同じ家のなかにいられないほどで、これよりひどい臭いはスカンクしか無い」と描写している。

{{臭い食べ物}}



== 参考文献 ==

== 参考文献 ==

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{{Commonscat|Takuan}}

{{Commonscat|Takuan}}

*[http://www.c-z.jp/chie_takuwan.html 歴史と日本各地の沢庵] - 東京中央漬物株式会社

*[http://www.c-z.jp/chie_takuwan.html 歴史と日本各地の沢庵] - 東京中央漬物株式会社

{{ダイコン}}


{{DEFAULTSORT:たくあんつけ}}

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[[Category:日本の漬物]]

[[Category:日本の漬物]]

[[Category:大根]]

[[Category:大根]]

[[Category:精進料理]]

[[Category:精進料理]]

[[Category:寿司]]

[[Category:寿司]]

[[Category:エポニム]]

[[Category:冬の季語]]

[[Category:日本の料理用語]]


2024年4月2日 (火) 02:23時点における最新版

沢庵漬け
季節の風物詩でもある日干しされる大根



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参考文献[編集]



(一)^ abc.  . 2023112

(二)^ ab.  . 2023112

(三)^ abcd . .  . 2023112

(四)^ 稿

(五)^  193030https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1126432/22 

(六)^ 調

(七)^ 16 

(八)^ 

(九)^ abcglucoraphasatin調551調202046-51 

(十)^ 

(11)^  20001120103 

(12)^ . 20232

(13)^ ab︿1992ISBN 4167535025 

(14)^  2020213

(15)^   (PDF). . 20206172022330

(16)^ 22911.2

関連項目[編集]

外部リンク[編集]