「沢庵漬け」の版間の差分
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{{Redirect|タクアン|パプアニューギニアの火山|タクアン山}} |
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[[File:Takuan_by_-puamelia-.jpg|thumb|沢庵漬け]] |
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{{redirect|たくわん|漫画家|たくわん (漫画家)}} |
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{{栄養価 |
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⚫ | [[ファイル:Takuan by -puamelia-.jpg|thumb|沢庵漬け]][[ファイル:Japanese radishs.JPG|thumb|季節の風物詩でもある日干しされる大根]] |
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|name = たくあん漬、干しだいこん漬<ref name="食品成分表2015"> |
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⚫ | '''沢庵漬け'''(たくあんづけ)は、[[ダイコン|大根]]の[[漬物]]の一種。主に[[日本]]で食べられる。'''たくあん'''、'''たくわん'''などとも呼ばれる。 |
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{{Cite book |
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|和書 |
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|editor = 編:[[文部科学省]]科学技術・学術審議会資源調査分科会 |
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|title = [[日本食品標準成分表]] |
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|accessdate = 2016-10-15 |
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|edition = 2015年版(七訂) |
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|date = 2015-12-25 |
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|isbn = 978-4-86458-118-9 |
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|chapter = 6 野菜類 |
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|chapterurl = http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/03/25/1365343_1-0206r5_1.pdf}}<!-- chapterformat = PDF だが、実装されていない模様 --></ref> |
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|kJ = 113 |
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|water = 88.8 g |
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|protein = 1.9 g |
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|fat = 0.1 g |
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|carbs = 5.5 g |
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|fiber = 3.7 g |
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|sodium_mg = 970 |
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|potassium_mg = 500 |
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|calcium_mg = 76 |
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|magnesium_mg = 80 |
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|phosphorus_mg = 150 |
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|iron_mg = 1.0 |
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|zinc_mg = 0.8 |
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|manganese_mg = 0.89 |
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|thiamin_mg = 0.21 |
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|riboflavin_mg = 0.03 |
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|niacin_mg = 1.6 |
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|pantothenic_mg = 0.66 |
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|vitB6_mg= 0.22 |
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|folate_ug = 47 |
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|vitB12_ug = (0) <!-- 推定値 --> |
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|vitC_mg = 12 |
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|note = 別名:本たくあん }} |
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大根を[[天日干し]]または塩押しして脱水し、糖類や塩等を加えた[[糠]]に漬けたもの<ref name="fukui">{{Cite web|和書|url=https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/021500/kijun_d/fil/014.pdf|title=農産物漬物の認証基準|accessdate=2023年1月12日|publisher=福井県}}</ref>︵脱水の方法により、天日干したくあん、塩押したくあんと呼ばれる<ref name="miyazaki" />︶。またはこれに糖類、果汁、[[みりん]]、[[香辛料]]、[[削り節]]、[[コンブ|昆布]]等を加えて味付けした漬物である<ref name="fukui" />。
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⚫ | |||
⚫ | '''沢庵漬け'''(たくあんづけ)は、[[ダイコン|大根]] |
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代表的な漬物で[[天保]]年間に初版が刊行された『漬物塩嘉言』では香物の第一としている<ref name="miyao" />。 |
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== 発祥 == |
== 発祥 == |
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[[江戸時代]] |
諸説あるが、[[江戸時代]]、[[臨済宗]]の僧・[[沢庵宗彭]]が考案した<ref>[[守貞漫稿]]・[[物類称呼]]</ref>という説がある。沢庵は[[紫衣事件]]で[[出羽国]]に流罪となり、[[春雨庵]]︵[[山形県]][[上山市]]︶に隠遁したが、付近住民の差し入れた大量の大根を干して漬け込み、保存食にしたといい、現在、春雨庵境内には﹁沢庵漬名称発祥の地碑﹂がある。その後、江戸に戻った沢庵が創建した[[東海寺 (品川区)|東海寺]]では﹁初めは名も無い漬物だったが、ある時[[徳川家光]]がここを訪れた際に供したところ、たいそう気に入り、﹃名前がないのであれば、沢庵漬けと呼ぶべし﹄と言った﹂と伝えられている。異説として沢庵和尚の墓の形状が漬物石の形状に似ていたことに由来するという説もある。なお東海寺では禅師の名を呼び捨てにするのは非礼であるとして、沢庵ではなく﹁百本﹂と呼ぶ。
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また別の説によると、元々は「混じり気のないもの」という意味の「じゃくあん漬け」、あるいは、「貯え漬け(たくわえづけ)」が転じたとも言われている<ref>{{Cite book|和書|editor= |
また別の説によると、元々は「混じり気のないもの」という意味の「じゃくあん漬け」、あるいは、「貯え漬け(たくわえづけ)」が転じたとも言われている<ref>{{Cite book|和書|editor=宮武外骨|editor-link=宮武外骨|title=日本擬人名辞典|url={{NDLDC|1126432/22}}|year=1930|publisher=成光館|page=30}}</ref>。 |
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この大根の漬物は、18世紀に[[江戸]]だけではなく[[京都]]や[[九州]]にも広がり食べられていた<ref>「料理網目調味抄」・「物類称呼」</ref>。 |
この大根の漬物は、18世紀に[[江戸]]だけではなく[[京都]]や[[九州]]にも広がり食べられていた<ref>「料理網目調味抄」・「物類称呼」</ref>。 |
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== 製法 == |
== 製法 == |
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伝統的な製法については、天保年間に初版が刊行された﹃漬物塩嘉言﹄では14日から20日ほど大根を天日干しし、[[斗|1斗分]]の大根に対して糠7[[升]]、塩3升の割合とし、長く漬けるときは塩の分量を多くすると記している<ref name="miyao" />。塩の分量を多くして数年間漬けたものは3年漬、5年漬、7年漬などと呼ばれる<ref name="miyao" />。
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{{出典の明記|section=1|date=2015年4月}} |
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伝統的な製法では、手で曲げられる程度に[[ダイコン|大根]]を数日間日干しして、このしなびた大根を、容器に入れて[[糠|米糠]]と[[塩]]で1~数か月漬ける。風味付けの[[コンブ|昆布]]や唐辛子、[[カキノキ|柿]]の皮などを加えることもある。 |
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漬物製造業では天日干しのほか塩押しで脱水しているものもあり<ref name="fukui" />、それぞれ天日干したくあん、塩押したくあんと呼ばれている<ref name="miyazaki">{{Cite web|和書|url=https://www.miyazaki-u.ac.jp/crcweb/sangakuwp/wp-content/uploads/sangaku/df94786ada30226f8c09ea7fe420653d.pdf|title=官能評価によるたくあんの品質評価に向けた取組|accessdate=2023年1月12日|publisher=宮崎大学}}</ref>。 |
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大根を日干し、塩を加えて漬けて[[水分]]を減らす事によって大根本来の味が濃縮され、塩味が加わり、米糠の中に存在する[[麹]]が[[デンプン]]を分解して生ずる糖分によって甘味が増すとともに、徐々に黄褐色へ染まっていく。 |
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沢庵漬けには特有の香気︵漬物香︶と色調がある<ref name="ishida">{{Cite journal |和書 |author1=石田正彦|author2=森光康次郎 |url= |title=加工品に臭気と黄変が生じないglucoraphasatin欠失性ダイコンの開発 |journal=植物の生長調節 |volume= 55|issue=1 |publisher=植物化学調節学会 |date=2020 |pages=46-51 |naid= |ref=}}</ref>。これらは大根に特異的に含まれる[[グルコラファサチン]]が、[[:en:Myrosinase|ミロシナーゼ]]による酵素的分解によりラファサチンを遊離し、さらにラファサチンの非酵素的な分解によって特有の臭気成分が生成され、また[[:en:Thiopurine_methyltransferase|TPMT]]などの色素成分が生成されることに起因する<ref name="ishida" />。ただし、沢庵漬けに含まれる黄色色素のTPMTは[[蛍光灯]]のような低光量下であっても退色が進行し、色むらの原因となるため、市販の沢庵漬けは[[ウコン]]や[[クチナシ]]の[[色素]]などの天然着色料あるいは合成着色料で着色していることが多い<ref name="ishida" />。
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現在商品として流通している大多数の沢庵漬けは、日干し大根の代わりに塩や糖液に漬けて水分を除いた塩押し大根や糖絞り大根を使用することが多く、伝統的な沢庵とは食感や風味が異なる(それぞれ塩押し漬、糖絞り漬などとして区別されることもある)。また、[[甘味料]]や[[うま味調味料]]などを配合した調味液で調味したり、人工[[着色料]]で色づけしたりといった加工がされることもある。これは時代が下るにつれて消費者の嗜好がより甘く低塩分な漬物を求めるようになった事、また大量生産、コスト削減の為に製造工程の短略化を図った事等の帰結である。その一方で、[[三浦半島]]や[[三重県]]伊勢地方、[[徳島県]]などでは、伝統的製法による沢庵が今なお商品として生産されており、付加価値が付いた名物となるとともに一定の需要を得ている。また、[[紀の川漬]]のように米糠に代えて麦の[[麬|ふすま]]を用いるものもある。 |
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[[三浦半島]]や[[三重県]]伊勢地方、[[徳島県]]などでは、伝統的製法による沢庵が今なお商品として生産されており、付加価値が付いた名物となるとともに一定の需要を得ている。また、[[紀の川漬]]のように米糠に代えて麦の[[麬|ふすま]]を用いるものもある。
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伝統的な糠漬けでは、米糠の中に含まれる[[枯草菌]]の産出物によって、ダイコンは徐々に芯まで黄色から褐色に染まる。しかし、菌の作用は地域や環境によって異なるため、沢庵の色を統一しにくく、また味などの商品の品質も不安定になる。したがって今日大量生産される商品では、糠漬けであっても[[ウコン]]や[[クチナシ]]の[[色素]]を加える事で画一的に黄色く着色したものが主流になっている。
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八百屋などで10~20本の沢庵漬け用の干し大根が販売されている。しかし、[[梅干]]や[[キュウリ]]などの[[糠漬]]とは異なって数本程度の少量で漬け込む事は困難で漬け込む際の匂いを敬遠する事もあり、沢庵を漬ける家庭はそれほど多くはない。 |
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高知では暖かい土地柄で発酵が進みやすく、糠漬けなどはすぐに酸っぱくなってしまう。そのためか沢庵漬けなどはあらかじめ酸味を添加してある物があるほどである<ref>妹尾河童著『タクワンかじり歩き』</ref><ref>日本経済新聞 2000年11月から2010年3月まで掲載「食べ物 新日本奇行」より</ref>。 |
高知では暖かい土地柄で発酵が進みやすく、糠漬けなどはすぐに酸っぱくなってしまう。そのためか沢庵漬けなどはあらかじめ酸味を添加してある物があるほどである<ref>妹尾河童著『タクワンかじり歩き』</ref><ref>日本経済新聞 2000年11月から2010年3月まで掲載「食べ物 新日本奇行」より</ref>。 |
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なお、沢庵漬けと塩漬けした秋なすを一緒に漬け込んだものを沢庵百一漬という<ref name="miyao">{{Cite web|和書|author=宮尾 茂雄|url=https://www.syokuryou-shinbun.com/relays/download/980/10023/28//?file=/files/libs/5419/202103021031014089.pdf|title=漬物塩嘉言と小田原屋主人|accessdate=2023年1月12日|publisher=東京家政大学・食品加工学研究室}}</ref>。
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== 料理 == |
== 料理 == |
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日干し大根を用いた伝統的な製法の沢庵では、古くなった場合、塩抜きして油いためにしたり、[[たくあんの煮物|煮物]]などの料理に使用することがある。
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日干し大根を用いた伝統的な製法の沢庵では、古くなった場合、塩抜きして油いためにしたり、[[たくあんの煮物|煮物]]などの料理に使用することがある。
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なお、 |
なお、[[桃屋]]がたくあんに油分を加えて中華風に味付けしたものを﹁根菜﹂として瓶詰で販売していたが現在は製造を終了している<ref>{{Cite web|和書|title=仙人篇 | のり平アニメCMギャラリー | 懐かしののり平アニメCM | 広告ギャラリー | 桃屋|accessdate=2023年2月|url=https://www.momoya.co.jp/gallery/norihei/cm/detail/345}}</ref>。
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=== 新香巻(しんこまき) === |
=== 新香巻(しんこまき) === |
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[[海苔]]の上に[[酢飯]]を乗せ、その上に細切りにした |
[[海苔]]の上に[[酢飯]]を乗せ、その上に細切りにした沢庵を乗せて、[[巻き簾]]を使用して細巻きにした[[海苔巻き]][[寿司]]。四等分や六等分にして盛り付ける。 |
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=== いぶりがっこ === |
=== いぶりがっこ === |
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[[いぶり漬け|いぶりがっこ]]またはいぶし沢庵とも呼ばれる。二十日間いぶし続けて[[燻製]]にしたダイコンを漬けたもの︵沢庵を燻製にするのではなく、燻製にしたダイコンを漬けたもの︶で、[[秋田県]]では伝統的に食べられている<ref name="Senoo">{{Cite book|和書|author=妹尾河童|authorlink=妹尾河童|title=河童のタクアンかじり歩き|year=1992|publisher=[[文藝春秋]]|series=[[文春文庫]]|isbn=4167535025}}</ref><ref>[http://kyoudo-ryouri.com/food/2158.html いぶりがっこ]郷土料理ものがたり 2020年2月13日閲覧</ref>。
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=== 遠州焼き === |
=== 遠州焼き === |
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[[遠州焼き]]とは、[[静岡県]]西部 |
[[遠州焼き]]とは、[[静岡県]]西部を中心とする地域の[[お好み焼き]]。[[小麦粉]]、[[鶏卵]]の生地に、地元の三方原大根などで作った沢庵を刻んで加え、豚肉やイカなどとともに焼くもの。[[キャベツ]]を入れない場合もある。[[ウスターソース|ソース]]風味のものと、[[醤油]]風味のものがある。遠州焼きという名称は他地域の人によるもので、地元では単にお好み焼きと呼ばれている。
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=== サラダパン === |
=== サラダパン === |
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[[サラダパン]]とは、[[マヨネーズ]]で和えた沢庵の細切りを挟んだ、[[滋賀県]][[長浜市]]で製造販売されている[[惣菜パン]]。 |
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'''その他''' |
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⚫ | 和食料理店などで、おかずの一品として沢庵が二切れ付いてくる事がよくあるが、この沢庵を二切れ出すという習慣は、江戸時代から始まったといわれている。 |
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* 江戸時代、[[湯漬け]]の添え物として沢庵がよく用いられた。これは、戦国期より武士の常食として湯漬けが常となり、戦中食としては梅干しが用いられたが、江戸期に入り、より安価な沢山漬けが普及したため。
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* 古漬け(塩を多く使い、保存性を高めたもの)は水で洗って刻んで炒め物や茶漬けの具として使われている。 |
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== 文化 == |
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侍が世の中の中心だった江戸時代、沢庵はおかずに欠かせない定番で、当時、侍に沢庵を一切れ、もしくは三切れだけ出すのはタブーだった。それは、一切れは﹁人斬れ﹂に通じ、また三切れは﹁身斬れ︵腹を切れ︶﹂に通じると言われていたためである。そこから、沢庵を二切れ出すという習慣が生まれたという。ただしこの理由は[[江戸]]を中心とした[[武家政権]]が確立された地区の習慣だとする説もある。
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侍が世の中の中心だった江戸時代、沢庵はおかずに欠かせない定番で、当時、侍に沢庵を一切れ、もしくは三切れだけ出すのはタブーだった。それは、一切れは﹁人斬れ﹂に通じ、また三切れは﹁身斬れ︵腹を切れ︶﹂に通じると言われていたためである。そこから、沢庵を二切れ出すという習慣が生まれたという。ただしこの理由は[[江戸]]を中心とした[[武家政権]]が確立された地区の習慣だとする説もある。
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⚫ | [[近畿地方|関西]]では沢庵付けを三切れ出す事は縁起を担ぐ(三方)ものとされ、関西の丼専門店ではあえて三切れの沢庵付けを出す店もある。}} |
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⚫ | [[近畿地方|関西]]では沢庵付けを三切れ出す事は縁起を担ぐ(三方)ものとされ、関西の丼専門店ではあえて三切れの沢庵付けを出す店もある。 |
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* 自衛隊の戦闘糧食として採用されている﹁たくあん漬缶詰﹂︵1食分︶は、固形量55グラムの規格である。︵平成27年現在︶<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mod.go.jp/j/procurement/chotatsu/nds/pdf/n5101.pdf |title=防衛省仕様書改正票 たくあん漬缶詰 |accessdate=2022-03-30 |website=防衛省 |format=PDF |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200617221905/https://www.mod.go.jp/j/procurement/chotatsu/nds/pdf/n5101.pdf |archivedate=2020-06-17}}</ref>
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⚫ | |||
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⚫ | 沢庵は発酵により、外国人など馴れていない者が臭気とも感じる特有のにおいがある。[[イザベラ・バード]]は著書の「日本紀行」で、「誰かがこれを食べているときは、同じ家のなかにいられないほどで、これよりひどい臭いはスカンクしか無い」と描写している。 |
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=== 戦中・戦後の沢庵 === |
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⚫ | 自衛隊の戦闘糧食として採用されている「たくあん漬缶詰」(1食分)は、固形量55グラムの規格である。(平成27年現在)<ref>{{Cite|title=防衛省仕様書改正票 たくあん漬缶詰| |
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[[第二次世界大戦]]中は、沢庵にも[[公定価格]]が導入され、戦後もしばらく続けられた。価格は季節ごとに変動し、冬場は100匁あたり3円60銭、夏場は100匁あたり7円10銭と差が付けられていた︵昭和22年9月改定後、東京都など大消費地の価格︶。また早づけ沢庵と塩漬け大根の価格は、沢庵とは別に設定されていた<ref>﹁ツケモノ等値上げ﹂﹃朝日新聞﹄昭和22年9月11日.2面</ref>。
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== 日本国外の沢庵 == |
== 日本国外の沢庵 == |
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=== 台湾 === |
=== 台湾 === |
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[[日本統治時代の台湾|日本の統治]]が長かった[[台湾]]にも沢庵漬けがあり、年配者は日本語のまま﹁タクアン﹂とも呼ぶが、一般的には[[台湾語]]で﹁鹹菜脯︵キ |
[[日本統治時代の台湾|日本の統治]]が長かった[[台湾]]にも沢庵漬けがあり、年配者は日本語のまま﹁タクアン﹂とも呼ぶが、一般的には[[台湾語]]で﹁[[鹹菜脯]]︵キャムツァイポー︶﹂と呼ばれ、現在も根付いている。﹁菜脯﹂は本来、台湾、福建、広東潮汕地区に見られる干し大根︵蘿蔔乾︶を用いた漬物であり、本来は単なる塩漬けに近いものだが、黄色く染め、甘みを加えた日本式の沢庵も同じ名前で親しまれている。薄切りにした﹁鹹菜脯﹂は、折り詰め[[弁当]]のおかずのひとつとして、また、刻んだ煮こみ豚ばら肉乗せご飯の﹁滷肉飯﹂や、{{仮リンク|嘉義七面鳥肉飯|zh|嘉義火雞肉飯|label=}}などのご飯料理の定番の付け合せとして親しまれている。さらに、刻んだ沢庵は、卵焼きに混ぜて﹁菜脯卵 ツァイポーヌン﹂︵干し大根で作ることもある︶としたり、[[春巻き|春巻]]の具のひとつとするなど、料理の材料としても用いられている[[嘉義県]][[布袋鎮]]の名物である。日本が統治していた当時は、徳島県などから供給されていたというが、現在は台湾現地産や中国産が主流となっている。
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=== 韓国 === |
=== 韓国 === |
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[[大韓民国|韓国]]に |
[[大韓民国|韓国]]には[[日本統治時代の朝鮮|日本統治時代]]に沢庵漬けが持ち込まれた。「日帝の持ちこんだもので良かったものは、沢庵だけ」という格言があるほど韓国社会に受容され、現在では広く普及している。一般的には「[[タンムジ]]」(「甘い大根の漬物」の略)と呼ばれるが、日本語のたくあんが朝鮮語式発音に変わった「タカン」と呼ばれることもある。味は甘酸っぱい傾向があるもののほぼ同じ。また韓国では中華料理店で[[チャジャンミョン]]に添えられて提供されることが一般的である。加えて日本料理店のみならず、[[洋食]]を供するレストランでも沢庵漬けが出されることがあるが、これは洋食そのものが日本から伝わったものであるために定着した現象である。 |
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=== 中国 === |
=== 中国 === |
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[[中華人民共和国|中国]]において、大根の漬け物は「鹹蘿蔔」と呼び、各地で作られているが、一般には日干しした大根の他に[[塩]]だけを用い、2度漬け込みするか、2度めに[[トウガラシ|唐辛子]]を加えて辛い味を付けるものがほとんどである。このため、色は白または赤いものとなる。江南地域では、日本のたくあんのような甘口の「蘿蔔乾」(例えば、常州蘿蔔乾)も存在する。 |
[[中華人民共和国|中国]]において、大根の漬け物は「鹹蘿蔔」と呼び、各地で作られているが、一般には日干しした大根の他に[[塩]]だけを用い、2度漬け込みするか、2度めに[[トウガラシ|唐辛子]]を加えて辛い味を付けるものがほとんどである。このため、色は白または赤いものとなる。江南地域では、日本のたくあんのような甘口の「蘿蔔乾」(例えば、常州蘿蔔乾)も存在する。 |
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⚫ | 沢庵は発酵により、外国人など馴れていない者が臭気とも感じる特有のにおいがある。[[イザベラ・バード]]は著書の「日本紀行」で、「誰かがこれを食べているときは、同じ家のなかにいられないほどで、これよりひどい臭いはスカンクしか無い」と描写している。 |
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{{臭い食べ物}} |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
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{{Commonscat|Takuan}} |
{{Commonscat|Takuan}} |
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*[http://www.c-z.jp/chie_takuwan.html 歴史と日本各地の沢庵] - 東京中央漬物株式会社 |
*[http://www.c-z.jp/chie_takuwan.html 歴史と日本各地の沢庵] - 東京中央漬物株式会社 |
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{{ダイコン}} |
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{{DEFAULTSORT:たくあんつけ}} |
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[[Category:日本の漬物]] |
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[[Category:大根]] |
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[[Category:精進料理]] |
[[Category:精進料理]] |
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[[Category:寿司]] |
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[[Category:エポニム]] |
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[[Category:冬の季語]] |
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[[Category:日本の料理用語]] |
2024年4月2日 (火) 02:23時点における最新版
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/48/Takuan_by_-puamelia-.jpg/220px-Takuan_by_-puamelia-.jpg)
発祥[編集]
諸説あるが、江戸時代、臨済宗の僧・沢庵宗彭が考案した[4]という説がある。沢庵は紫衣事件で出羽国に流罪となり、春雨庵︵山形県上山市︶に隠遁したが、付近住民の差し入れた大量の大根を干して漬け込み、保存食にしたといい、現在、春雨庵境内には﹁沢庵漬名称発祥の地碑﹂がある。その後、江戸に戻った沢庵が創建した東海寺では﹁初めは名も無い漬物だったが、ある時徳川家光がここを訪れた際に供したところ、たいそう気に入り、﹃名前がないのであれば、沢庵漬けと呼ぶべし﹄と言った﹂と伝えられている。異説として沢庵和尚の墓の形状が漬物石の形状に似ていたことに由来するという説もある。なお東海寺では禅師の名を呼び捨てにするのは非礼であるとして、沢庵ではなく﹁百本﹂と呼ぶ。 また別の説によると、元々は﹁混じり気のないもの﹂という意味の﹁じゃくあん漬け﹂、あるいは、﹁貯え漬け︵たくわえづけ︶﹂が転じたとも言われている[5]。 この大根の漬物は、18世紀に江戸だけではなく京都や九州にも広がり食べられていた[6]。 また、比叡山には元三大師こと慈恵大師良源︵912年-985年︶が平安時代に考案したとされる﹁定心房︵じょうしんぼう︶﹂と呼ばれる漬物が伝えられており、これを沢庵漬けの始祖とする説[7]もある。これは丸干しした大根を塩と藁で重ね漬けにしたものであった[8]とされるが、現在﹁定心房たくあん﹂として販売されているものは一般的な糠漬けの沢庵である。製法[編集]
伝統的な製法については、天保年間に初版が刊行された﹃漬物塩嘉言﹄では14日から20日ほど大根を天日干しし、1斗分の大根に対して糠7升、塩3升の割合とし、長く漬けるときは塩の分量を多くすると記している[3]。塩の分量を多くして数年間漬けたものは3年漬、5年漬、7年漬などと呼ばれる[3]。 漬物製造業では天日干しのほか塩押しで脱水しているものもあり[1]、それぞれ天日干したくあん、塩押したくあんと呼ばれている[2]。 沢庵漬けには特有の香気︵漬物香︶と色調がある[9]。これらは大根に特異的に含まれるグルコラファサチンが、ミロシナーゼによる酵素的分解によりラファサチンを遊離し、さらにラファサチンの非酵素的な分解によって特有の臭気成分が生成され、またTPMTなどの色素成分が生成されることに起因する[9]。ただし、沢庵漬けに含まれる黄色色素のTPMTは蛍光灯のような低光量下であっても退色が進行し、色むらの原因となるため、市販の沢庵漬けはウコンやクチナシの色素などの天然着色料あるいは合成着色料で着色していることが多い[9]。 三浦半島や三重県伊勢地方、徳島県などでは、伝統的製法による沢庵が今なお商品として生産されており、付加価値が付いた名物となるとともに一定の需要を得ている。また、紀の川漬のように米糠に代えて麦のふすまを用いるものもある。 高知では暖かい土地柄で発酵が進みやすく、糠漬けなどはすぐに酸っぱくなってしまう。そのためか沢庵漬けなどはあらかじめ酸味を添加してある物があるほどである[10][11]。 なお、沢庵漬けと塩漬けした秋なすを一緒に漬け込んだものを沢庵百一漬という[3]。料理[編集]
多くは、糠から取り出したダイコンを水洗いして、糠を落とし、薄切りにして食べる。ご飯のおかずとして食べたり、お茶請けとしても用いられる。千切りにして仕出し弁当の添え物などに用いられることもある。 日干し大根を用いた伝統的な製法の沢庵では、古くなった場合、塩抜きして油いためにしたり、煮物などの料理に使用することがある。 なお、桃屋がたくあんに油分を加えて中華風に味付けしたものを﹁根菜﹂として瓶詰で販売していたが現在は製造を終了している[12]。新香巻︵しんこまき︶[編集]
海苔の上に酢飯を乗せ、その上に細切りにした沢庵を乗せて、巻き簾を使用して細巻きにした海苔巻き寿司。四等分や六等分にして盛り付ける。いぶりがっこ[編集]
いぶりがっこまたはいぶし沢庵とも呼ばれる。二十日間いぶし続けて燻製にしたダイコンを漬けたもの︵沢庵を燻製にするのではなく、燻製にしたダイコンを漬けたもの︶で、秋田県では伝統的に食べられている[13][14]。遠州焼き[編集]
遠州焼きとは、静岡県西部を中心とする地域のお好み焼き。小麦粉、鶏卵の生地に、地元の三方原大根などで作った沢庵を刻んで加え、豚肉やイカなどとともに焼くもの。キャベツを入れない場合もある。ソース風味のものと、醤油風味のものがある。遠州焼きという名称は他地域の人によるもので、地元では単にお好み焼きと呼ばれている。サラダパン[編集]
サラダパンとは、マヨネーズで和えた沢庵の細切りを挟んだ、滋賀県長浜市で製造販売されている惣菜パン。 その他 ●江戸時代、湯漬けの添え物として沢庵がよく用いられた。これは、戦国期より武士の常食として湯漬けが常となり、戦中食としては梅干しが用いられたが、江戸期に入り、より安価な沢山漬けが普及したため。 ●古漬け︵塩を多く使い、保存性を高めたもの︶は水で洗って刻んで炒め物や茶漬けの具として使われている。文化[編集]
沢庵の枚数[編集]
和食料理店などで、おかずの一品として沢庵が二切れ付いてくる事がよくあるが、この沢庵を二切れ出すという習慣は、江戸時代から始まったといわれている。 侍が世の中の中心だった江戸時代、沢庵はおかずに欠かせない定番で、当時、侍に沢庵を一切れ、もしくは三切れだけ出すのはタブーだった。それは、一切れは﹁人斬れ﹂に通じ、また三切れは﹁身斬れ︵腹を切れ︶﹂に通じると言われていたためである。そこから、沢庵を二切れ出すという習慣が生まれたという。ただしこの理由は江戸を中心とした武家政権が確立された地区の習慣だとする説もある。 関西では沢庵付けを三切れ出す事は縁起を担ぐ︵三方︶ものとされ、関西の丼専門店ではあえて三切れの沢庵付けを出す店もある。[要出典] ●日本の刑務所では、沢庵の量は1人当たり25グラム前後である[13]。 ●自衛隊の戦闘糧食として採用されている﹁たくあん漬缶詰﹂︵1食分︶は、固形量55グラムの規格である。︵平成27年現在︶[15]臭い食べ物の代表例[編集]
沢庵は発酵により、外国人など馴れていない者が臭気とも感じる特有のにおいがある。イザベラ・バードは著書の﹁日本紀行﹂で、﹁誰かがこれを食べているときは、同じ家のなかにいられないほどで、これよりひどい臭いはスカンクしか無い﹂と描写している。戦中・戦後の沢庵[編集]
第二次世界大戦中は、沢庵にも公定価格が導入され、戦後もしばらく続けられた。価格は季節ごとに変動し、冬場は100匁あたり3円60銭、夏場は100匁あたり7円10銭と差が付けられていた︵昭和22年9月改定後、東京都など大消費地の価格︶。また早づけ沢庵と塩漬け大根の価格は、沢庵とは別に設定されていた[16]。日本国外の沢庵[編集]
台湾[編集]
日本の統治が長かった台湾にも沢庵漬けがあり、年配者は日本語のまま﹁タクアン﹂とも呼ぶが、一般的には台湾語で﹁鹹菜脯︵キャムツァイポー︶﹂と呼ばれ、現在も根付いている。﹁菜脯﹂は本来、台湾、福建、広東潮汕地区に見られる干し大根︵蘿蔔乾︶を用いた漬物であり、本来は単なる塩漬けに近いものだが、黄色く染め、甘みを加えた日本式の沢庵も同じ名前で親しまれている。薄切りにした﹁鹹菜脯﹂は、折り詰め弁当のおかずのひとつとして、また、刻んだ煮こみ豚ばら肉乗せご飯の﹁滷肉飯﹂や、嘉義七面鳥肉飯などのご飯料理の定番の付け合せとして親しまれている。さらに、刻んだ沢庵は、卵焼きに混ぜて﹁菜脯卵 ツァイポーヌン﹂︵干し大根で作ることもある︶としたり、春巻の具のひとつとするなど、料理の材料としても用いられている嘉義県布袋鎮の名物である。日本が統治していた当時は、徳島県などから供給されていたというが、現在は台湾現地産や中国産が主流となっている。韓国[編集]
韓国には日本統治時代に沢庵漬けが持ち込まれた。﹁日帝の持ちこんだもので良かったものは、沢庵だけ﹂という格言があるほど韓国社会に受容され、現在では広く普及している。一般的には﹁タンムジ﹂︵﹁甘い大根の漬物﹂の略︶と呼ばれるが、日本語のたくあんが朝鮮語式発音に変わった﹁タカン﹂と呼ばれることもある。味は甘酸っぱい傾向があるもののほぼ同じ。また韓国では中華料理店でチャジャンミョンに添えられて提供されることが一般的である。加えて日本料理店のみならず、洋食を供するレストランでも沢庵漬けが出されることがあるが、これは洋食そのものが日本から伝わったものであるために定着した現象である。中国[編集]
中国において、大根の漬け物は﹁鹹蘿蔔﹂と呼び、各地で作られているが、一般には日干しした大根の他に塩だけを用い、2度漬け込みするか、2度めに唐辛子を加えて辛い味を付けるものがほとんどである。このため、色は白または赤いものとなる。江南地域では、日本のたくあんのような甘口の﹁蘿蔔乾﹂︵例えば、常州蘿蔔乾︶も存在する。参考文献[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 歴史と日本各地の沢庵 - 東京中央漬物株式会社