「沢庵漬け」の版間の差分
Shouji Hasegawa (会話 | 投稿記録) タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集 |
|||
94行目: | 94行目: | ||
== 日本国外の沢庵 == |
== 日本国外の沢庵 == |
||
=== 台湾 === |
=== 台湾 === |
||
[[日本統治時代の台湾|日本の統治]]が長かった[[台湾]]にも沢庵漬けがあり、年配者は日本語のまま「タクアン」とも呼ぶが、一般的には[[台湾語]]で「鹹菜脯(キヤムツァイポー)」と呼ばれ、現在も根付いている。「菜脯」は本来、台湾、福建、広東潮汕地区に見られる干し大根(蘿蔔乾)を用いた漬物であり、本来は単なる塩漬けに近いものだが、黄色く染め、甘みを加えた日本式の沢庵も同じ名前で親しまれている。薄切りにした「鹹菜脯」は、折り詰め[[弁当]]のおかずのひとつとして、また、刻んだ煮こみ豚ばら肉乗せご飯の「滷肉飯」や、[[嘉義市]]の「鶏肉飯」などのご飯料理の定番の付け合せとして親しまれている。さらに、刻んだ沢庵は、卵焼きに混ぜて「菜脯卵 ツァイポーヌン」(干し大根で作ることもある)としたり、[[春巻き|春巻]]の具のひとつとするなど、料理の材料としても用いられている。日本が統治していた当時は、徳島県などから供給されていたというが、現在は台湾現地産や中国産が主流となっている。 |
[[日本統治時代の台湾|日本の統治]]が長かった[[台湾]]にも沢庵漬けがあり、年配者は日本語のまま「タクアン」とも呼ぶが、一般的には[[台湾語]]で「鹹菜脯(キヤムツァイポー)」と呼ばれ、現在も根付いている。「菜脯」は本来、台湾、福建、広東潮汕地区に見られる干し大根(蘿蔔乾)を用いた漬物であり、本来は単なる塩漬けに近いものだが、黄色く染め、甘みを加えた日本式の沢庵も同じ名前で親しまれている。薄切りにした「鹹菜脯」は、折り詰め[[弁当]]のおかずのひとつとして、また、刻んだ煮こみ豚ばら肉乗せご飯の「滷肉飯」や、[[嘉義市]]の「鶏肉飯」などのご飯料理の定番の付け合せとして親しまれている。さらに、刻んだ沢庵は、卵焼きに混ぜて「菜脯卵 ツァイポーヌン」(干し大根で作ることもある)としたり、[[春巻き|春巻]]の具のひとつとするなど、料理の材料としても用いられている[[嘉義県]][[布袋鎮]]の名物である。日本が統治していた当時は、徳島県などから供給されていたというが、現在は台湾現地産や中国産が主流となっている。 |
||
=== 韓国 === |
=== 韓国 === |
2018年3月18日 (日) 01:46時点における版
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/48/Takuan_by_-puamelia-.jpg/220px-Takuan_by_-puamelia-.jpg)
100 gあたりの栄養価 | |
---|---|
エネルギー | 113 kJ (27 kcal) |
5.5 g | |
食物繊維 | 3.7 g |
0.1 g | |
1.9 g | |
ビタミン | |
チアミン (B1) |
(18%) 0.21 mg |
リボフラビン (B2) |
(3%) 0.03 mg |
ナイアシン (B3) |
(11%) 1.6 mg |
パントテン酸 (B5) |
(13%) 0.66 mg |
ビタミンB6 |
(17%) 0.22 mg |
葉酸 (B9) |
(12%) 47 µg |
ビタミンB12 |
(0%) (0) µg |
ビタミンC |
(14%) 12 mg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(65%) 970 mg |
カリウム |
(11%) 500 mg |
カルシウム |
(8%) 76 mg |
マグネシウム |
(23%) 80 mg |
リン |
(21%) 150 mg |
鉄分 |
(8%) 1.0 mg |
亜鉛 |
(8%) 0.8 mg |
マンガン |
(42%) 0.89 mg |
他の成分 | |
水分 | 88.8 g |
別名:本たくあん | |
| |
%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
発祥
江戸時代に臨済宗の僧・沢庵宗彭︵1573年-1646年︶が考案した[2][3]という言い伝えがある。沢庵宗彭が創建した東海寺では、﹁初めは名も無い漬物だったが、ある時徳川家光がここを訪れた際に供したところ、たいそう気に入り、﹃名前がないのであれば、沢庵漬けと呼ぶべし﹄と言った﹂と伝えられている。異説として沢庵和尚の墓の形状が漬物石の形状に似ていたことに由来するという説もある。なお東海寺では禅師の名を呼び捨てにするのは非礼であるとして、沢庵ではなく﹁百本﹂と呼ぶ。 また別の説によると、元々は﹁混じり気のないもの﹂という意味の﹁じゃくあん漬け﹂、あるいは、﹁貯え漬け︵たくわえづけ︶﹂が転じたとも言われている[4]。 この大根の漬物は、18世紀に江戸だけではなく京都や九州にも広がり食べられていた[5]。 また、比叡山には元三大師こと慈恵大師良源︵912年-985年︶が平安時代に考案したとされる﹁定心房︵じょうしんぼう︶﹂と呼ばれる漬物が伝えられており、これを沢庵漬けの始祖とする説[6]もある。これは丸干しした大根を塩と藁で重ね漬けにしたものであった[7]とされるが、現在﹁定心房たくあん﹂として販売されているものは一般的な糠漬けの沢庵である。製法
![]() |
料理
多くは、糠から取り出したダイコンを水洗いして、糠を落とし、薄切りにして食べる。ご飯のおかずとして食べたり、お茶請けとしても用いられる。千切りにして仕出し弁当の添え物などに用いられることもある。 日干し大根を用いた伝統的な製法の沢庵では、古くなった場合、塩抜きして油いためにしたり、煮物などの料理に使用することがある。 なお、以前たくあんに油分を加えて中華風に味付けしたものを、桃屋が﹁根菜﹂として瓶詰めにして販売していたが、製造終了となっている。新香巻︵しんこまき︶
海苔の上に酢飯を乗せ、その上に細切りにした具を乗せて巻き簾を使用して細巻きにした海苔巻き寿司。二等分に切り、さらに二等分もしくは三等分に切って盛り付ける。いぶりがっこ
﹁いぶし沢庵﹂とも呼ばれる。秋田県では、二十日間いぶし続けて燻製にしたダイコンを漬けたもの︵沢庵を燻製にするのではなく、燻製にしたダイコンを漬けたもの︶をいぶりがっこと称し、伝統的に食べられている[10]。遠州焼き
遠州焼きとは、静岡県西部の浜松市を中心とする地域のお好み焼き。小麦粉、鶏卵の生地に、地元の三方原大根などで作った沢庵を刻んで加え、豚肉、イカなどとともに焼くもの。キャベツは必ずしも入らない。ソース風味のものと、醤油風味のものがある。遠州焼きという名称は他地域の人によるもので、地元では単にお好み焼きと呼ばれている。サラダパン
滋賀県長浜市では﹁サラダパン﹂と呼ばれる、マヨネーズで和えたたくあんの細切りを挟んだ惣菜パンが製造販売されている。沢庵の枚数
和食料理店などで、おかずの一品として沢庵が二切れ付いてくる事がよくあるが、この沢庵を二切れ出すという習慣は、江戸時代から始まったといわれている。 侍が世の中の中心だった江戸時代、沢庵はおかずに欠かせない定番で、当時、侍に沢庵を一切れ、もしくは三切れだけ出すのはタブーだった。それは、一切れは﹁人斬れ﹂に通じ、また三切れは﹁身斬れ︵腹を切れ︶﹂に通じると言われていたためである。そこから、沢庵を二切れ出すという習慣が生まれたという。ただしこの理由は江戸を中心とした武家政権が確立された地区の習慣だとする説もある。 関西では沢庵付けを三切れ出す事は縁起を担ぐ︵三方︶ものとされ、関西の丼専門店ではあえて三切れの沢庵付けを出す店もある。 日本の刑務所では、沢庵の量は一人当たり二十五グラム前後である[10]。 自衛隊の戦闘糧食として採用されている﹁たくあん漬缶詰﹂︵1食分︶は、固形量55グラムの規格である。︵平成27年現在︶[11]日本国外の沢庵
台湾
日本の統治が長かった台湾にも沢庵漬けがあり、年配者は日本語のまま﹁タクアン﹂とも呼ぶが、一般的には台湾語で﹁鹹菜脯︵キヤムツァイポー︶﹂と呼ばれ、現在も根付いている。﹁菜脯﹂は本来、台湾、福建、広東潮汕地区に見られる干し大根︵蘿蔔乾︶を用いた漬物であり、本来は単なる塩漬けに近いものだが、黄色く染め、甘みを加えた日本式の沢庵も同じ名前で親しまれている。薄切りにした﹁鹹菜脯﹂は、折り詰め弁当のおかずのひとつとして、また、刻んだ煮こみ豚ばら肉乗せご飯の﹁滷肉飯﹂や、嘉義市の﹁鶏肉飯﹂などのご飯料理の定番の付け合せとして親しまれている。さらに、刻んだ沢庵は、卵焼きに混ぜて﹁菜脯卵 ツァイポーヌン﹂︵干し大根で作ることもある︶としたり、春巻の具のひとつとするなど、料理の材料としても用いられている嘉義県布袋鎮の名物である。日本が統治していた当時は、徳島県などから供給されていたというが、現在は台湾現地産や中国産が主流となっている。韓国
韓国にも、日本統治時代に沢庵漬けが持ち込まれた。﹁日帝の持ちこんだもので良かったものは、沢庵だけ﹂という格言があるほど韓国社会に受容され、現在では広く普及している。日本語のたくあんが朝鮮語式発音に変わった﹁タカン﹂または韓国語での造語である﹁タンムジ﹂という。﹁タン﹂は甘い、﹁ム﹂は大根、﹁ジ﹂は漬けものの意味。﹁ノランム﹂と呼ばれることもある︵﹁ノラン﹂が黄色の意味。つまり黄色い大根︶。味は甘酸っぱい傾向があるもののほぼ同じ。朝鮮固有のチャンジという漬物もあるが、これは名前通り︵チャン=塩辛い︶味が非常に塩辛い。また韓国では日本料理店のみならず、洋食を供するレストランでも沢庵漬けが出されることがあるが、これは洋食そのものが日本から伝わったものであるために定着した現象である。中国
中国において、大根の漬け物は﹁鹹蘿蔔﹂と呼び、各地で作られているが、一般には日干しした大根の他に塩だけを用い、2度漬け込みするか、2度めに唐辛子を加えて辛い味を付けるものがほとんどである。このため、色は白または赤いものとなる。江南地域では、日本のたくあんのような甘口の﹁蘿蔔乾﹂︵例えば、常州蘿蔔乾︶も存在する。臭い食べ物の代表例
沢庵は発酵により、外国人など馴れていない者が臭気とも感じる特有のにおいがある。イザベラ・バードは著書の﹁日本紀行﹂で、﹁誰かがこれを食べているときは、同じ家のなかにいられないほどで、これよりひどい臭いはスカンクしか無い﹂と描写している。 臭い食べ物の代表例︵食べ物の臭さの﹁順位付け﹂ではない︶[12]![]() | 現在、技術上の問題で一時的にグラフが表示されなくなっています。 |
Au: アラバスター単位、におい成分の成分量の単位である。においの強弱は、におい成分毎にヒトの感覚閾値との相乗値で評価され、純粋な「においの単位」ではない。
参考文献
関連項目
外部リンク
- 歴史と日本各地の沢庵 - 東京中央漬物株式会社