物理単位
数量の比較 |
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単位の換算 |
物理単位︵ぶつりたんい︶とは、物理学や計測学において、種々の物理量を表す単位として選ばれた基準の量である。
単に単位と呼ばれることが多いが、物理量ではないもののための単位と区別する場合には特に﹁物理単位﹂と言う。本項において、特に断りのない場合は﹁単位﹂とは物理単位を指すものとする。
単位には明確で使いやすい定義が必要である。実験結果の再現性は科学的方法において重要である。そのためには測定の基準が必要となり、測定の基準を便利なものにするために単位が必要となる。科学的な単位は、当初は商業の目的のために発展してきた度量衡の概念を様式化したものである。
複数の単位を組み合わせて体系としたものが単位系である。
次元としての単位[編集]
国際単位系︵SI︶の考え方および表記に従えば、物理量の値 (the value of a quantity) Qは、その数値 (numerical value) を示す数値 (number) nと単位 (unit) Uとの積として表される︵従って単位の取り方に依存して数値は変更を受ける[1]︶。乗法記号︵×︶は省略して、﹁半角数字+line-breakingしない四分の一角スペース[注釈 1]+半角英文字﹂と表記することが標準的である[2]。 また、商の形による表記も可能である。 具体例として、1 Pa の圧力 Pを考えると、Q = P, n= 1, U= Pa であり、下記のようになる[注釈 2]。 なお国際単位系 (SI) のルールでは、数値 nを示す場合には上記の商の形を用いる。従って物理量の値 Qの数値 nを数表の欄内に示す場合やグラフの軸に数値 nを付記する場合なども、それらのタイトル名としては単位 Uで除算した Q/U の形を用いる︵例‥﹁圧力/Pa﹂︶[1][注釈 3]。 上記の物理量 Qや物理単位 Uには次元という概念が定められている︵数値 nは無次元量である︶。上記の式も両辺の次元は一致している。無次元量は log などのべき乗 xn以外の関数の引数に取ることができる[注釈 4]。詳細は「次元解析」を参照
単位の組み立て[編集]
ガイドライン
●量は数値と単位記号の積として扱うので、単位量を対応する単位記号で割ると、無次元量となる。2つの異なる単位記号をかけると新しい単位記号となる。例えば、SIにおける速度の単位は、メートル毎秒(m/s)である。次元解析を参照のこと。同じ単位記号同士をかけると、累乗のような表現をする新しい単位記号となる︵例: m2︵平方メートル︶︶
●いくつかの組立単位には固有の名称と記号が与えられている。例えば1ニュートン(N)は1 kg m/s2に等しい。固有の名称を持つ組立単位は、他の単位の組み立てに使用することができる。例えば、表面張力の単位はN/m︵ニュートン毎メートル︶ともkg/s2︵キログラム毎秒毎秒︶とも表現される。
●﹁密度は単位体積当たりの質量である﹂という表現は﹁体積の﹃単位﹄によって割られた質量﹂という意味ではない。この﹁単位体積﹂という表現は﹁数値1と現在使用している体積の単位記号の積によって作られる﹃体積﹄﹂を示す。たとえば体積の単位としてm3を用いている場合、﹁単位体積﹂は 1 m3 である。ある均質な物質の質量をm、体積をV、現在使用している単位系での単位体積をV0とすると、この物質の密度ρおよび単位体積当たりの質量m0は以下のように表される。