王将 (戯曲)
﹃王将﹄︵おうしょう︶は、北條秀司作の戯曲。三部構成となっている。新国劇のために書き下ろされた。大阪在住の将棋棋士・坂田三吉の生涯を描く。
新国劇版の主演はいずれも辰巳柳太郎。﹃王将﹄の企画はそもそも、辰巳柳太郎が主演の前提で、辰巳から北條にもちこまれたものだった[1]。北條秀司は演出も担当していた[2]。また、三部まとめて上演された際は﹁王将 一代﹂と題されていた[3]。
舞台では他に緒形拳、植木等、笑福亭鶴瓶、板尾創路、笠原章、福田転球らが坂田を演じている。辰巳柳太郎版の﹃王将﹄で、少女時代の戸川純が坂田の娘役を演じたこともある。
映画化もたびたびされ、1948年阪東妻三郎主演、1955年には辰巳柳太郎、1962年/1963年には三國連太郎、1973年に勝新太郎で映画化された。テレビドラマでは、森繁久弥、間寛平らが坂田を演じている。
文楽で人形芝居になったこともある[4]。
第一部[編集]
●1947年6月4日、有楽座にて初演。 ●雑誌﹁日本演劇﹂1947年8月号に掲載された[5]。 ●時代は明治39年から大正10年 ●坂田三吉の、関根金次郎との初対戦から、関根の名人襲位︵1921年︵大正10年︶︶、同年の坂田の妻・小春の死までを描く。 ●主要登場人物 ●坂田三吉、小春︵妻︶、玉江︵長女︶、義夫︵長男︶、新吉︵友達︶、菊岡博士︵眼科医︶、金杉子爵、宮田︵後援者︶、関根名人第二部[編集]
●表題は﹁続王将﹂ ●1950年1月大阪歌舞伎座にて初演された。 ●時代は大正13年から昭和11年 ●坂田三吉の、関西名人襲位︵史実では1925年︵大正14年︶︶から、木村義雄、花田長太郎との対決︵史実では昭和12年︵1937年︶︶までを描く。 ●主要登場人物 ●坂田三吉、まさ︵後妻︶、玉江︵長女︶、君子︵次女︶、松島︵弟子︶、森川︵弟子︶、宮田︵後援者︶、岡野︵後援者︶、白川︵後援者︶、金杉子爵︵後援会長︶、菊岡博士︵眼科医︶第三部[編集]
●表題は﹁王将 終篇﹂ ●1950年12月京都南座にて初演された[6]。 ●時代は昭和13年から昭和21年 ●第二期名人戦リーグの最中で、関が原周辺の鉄道事故のため、東海道本線がとまっている大垣駅から話がはじまり、三吉の死去までを描く。 ●坂田の実人生とは異なる内容となっている︵﹁第三部はほぼ私の創作である﹂[7]︶。 ●1951年、﹃王将・終編﹄﹃霧の音﹄で北條秀司は毎日演劇賞を受賞した[8]。 ●主要登場人物 ●坂田三吉、玉江︵長女︶、君子︵次女︶、将一︵孫︶、宮田︵後援者︶、森川︵弟子︶、木村名人、菊岡博士︵眼科医︶書籍[編集]
●﹃王将 全編﹄ 宝文館、1952年 ●﹃王将﹄ 春陽文庫、1953年 ●﹃王将﹄ 角川文庫 1955年映画化[編集]
5回映画化されている。
●王将 - 1948年、大映製作、伊藤大輔監督、阪東妻三郎主演。
●王将一代 - 1955年、新東宝製作、伊藤大輔監督、辰巳柳太郎主演。
●王将 - 1962年、東映製作、伊藤大輔監督、三國連太郎主演。
●続・王将 - 1963年、東映製作、佐藤純弥監督、三國連太郎主演。
●王将 - 1973年、東宝製作、堀川弘通監督、勝新太郎主演。