野村万蔵家
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野村万蔵家︵のむらまんぞうけ︶は狂言方和泉流に属する家。現在の当主は九世野村万蔵︵本名・良介︶。庶家︵分家︶に野村万作家や野村万禄家がある。
歴史[編集]
江戸から近代へ[編集]
初世万蔵から四世万造までは加賀藩のお抱えの狂言方として金沢にて活動していた。その後、四世万造の代で明治維新を迎える。四世万造は明治維新の荒波に苦しめられ、狂言方を廃業することとなった。その後、四世万造は38歳で早世する。早くに父を亡くした四世の息子・五世万造︵初世萬斎︶は分家の野村与作を頼る形で東京に移住した。五世万造は狂言方以外の仕事もこなしながら、舞台に立ち続け50歳にして狂言一筋の生活を送れるようになった。また、五世万造︵初世萬斎︶以降は東京での活動が主になっている。万作︵六世万蔵︶・太良︵四世万之丞→七世万蔵→萬︶父子の活躍[編集]
五世の長男である六世万蔵は長男・四世万之丞︵現在の野村萬︶と共に、戦後の苦難の時代の中、デパートでの狂言や学校での狂言披露など新しい形で代々の芸を守った。また、多くの装束や面が戦争によって焼失してしまったため、六世万蔵自ら面を作り直した。後年、六世万蔵はその卓越した芸が評判となり、名人と評されるようになる。また、六世万蔵は晩年に人間国宝︵重要無形文化財︶となった他、晩年には日本芸術院会員となった。 六世の長男の野村萬︵七世万蔵︶は若年時、狂言のみならず、現代劇やTVドラマなどの出演など狂言以外の分野でも活躍した。近年はその円熟した至芸が高く評価され、父と同じく人間国宝︵重要無形文化財︶となった。そして、萬は90代半ばとなった現在も現役最高齢の狂言方として活躍している。また、萬は日本芸術院の院長や能楽協会の理事長や顧問や和泉流職分会の役職など様々な要職を歴任している。 また、太良︵萬︶は2019年には狂言方としては四世茂山千作に続いて狂言界史上2人目となる文化勲章を受賞者となった。耕介︵五世万之丞→八世万蔵︶ の活躍と早世[編集]
1995年1月に七世万蔵から当主を引き継いだ七世の長男・五世野村万之丞︵八世野村万蔵︶は﹃狂言界の風雲児﹄と呼ばれ、﹁現代狂言﹂や﹁楽劇大田楽﹂などの企画・演出や長野オリンピック閉会式の演出や大河ドラマでの芸能考証やお笑い芸人とのコラボレーションなど伝統に囚われ無い、狂言以外の分野においても活躍した。また、狂言協会設立の夢を持つなど、狂言界の未来を考えていた。また、一門を統括する組織である﹁萬狂言﹂をも設立した。 その後、2003年6月に万蔵家の当主名である野村万蔵を八世として襲名する事を公表した。その翌年には、文化交流団の団長として北朝鮮を訪問した。しかし、北朝鮮帰国の翌日に倒れそのまま入院する。 そして、2004年6月10日、﹁八世万蔵﹂襲名を目前に控えた中で父の萬に先立ち満44歳︵享年46︶で死去した。楽劇真伎楽や新作狂言など様々な企画構想を遺したままでの早世であった。また、狂言協会設立の夢も頓挫した。世界に目を向けた活動をしていた五世万之丞︵八世万蔵︶の死は伝統芸能の関係者のみならず、政府関係者や芸能界からも﹁大きな損失﹂と惜しまれた。耕介︵八世万蔵︶ 没後の万蔵家と萬狂言の役者達の活躍[編集]
その後、2005年1月に五世万之丞の弟︵七世の次男︶の与十郎が﹁九世野村万蔵﹂を襲名し万蔵家の当主となり、それと同時に五世万之丞に﹁八世野村万蔵﹂が追贈された。九世万蔵︵与十郎︶は祖先の芸を守りながら﹁現代狂言﹂や﹁大田楽﹂など兄の活動を多く引き継いでいる。 また、八世万蔵が生前名乗っていた﹁万之丞﹂の名跡は八世万蔵︵五世万之丞︶の甥の虎之介が六世としてその名跡を引き継いだ。 なお、五世万之丞︵八世万蔵︶は2000年1月に一門を統括する組織﹁萬狂言﹂を設立しており、萬狂言の代表も弟の九世万蔵に引き継がれた。また九世万蔵︵与十郎︶は息子の六世野村万之丞︵虎之介︶、野村拳之介、野村眞之介や弟子の石井康太など若手の狂言方の育成にも熱心である。また、90代を迎えた萬︵七世万蔵︶も狂言方として2人目となる文化勲章受賞や、日本芸術院院長に就任するなど多岐に渡って活躍している。また、近年はYoutubeチャンネル開設など新しいファンを取り入れる活動をしている。 なお、早世した五世万之丞︵八世万蔵︶の長男・野村太一郎は14歳で父を亡くした後は、祖父・萬︵七世万蔵︶と叔父の九世万蔵に師事したものの現在は野村万蔵家や﹁萬狂言﹂からは離れている︵現在は庶流の野村万作家に師事︶。万蔵家家系図[編集]
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| 初世野村万蔵 |
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| 初世野村万之丞 二世野村万蔵 |
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| 三世野村万蔵 |
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| 三世野村万之丞 |
| 四世野村万造 |
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| 五世野村万造 初世野村萬斎 |
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| 初世野村万作 六世野村万造 六世野村万蔵 |
| 野村万介 九世三宅藤九郎 七世三宅庄市 |
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| 四世野村万之丞 七世野村万蔵 野村萬 |
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| 二世野村万作 |
| 野村四郎 ※ |
| 野村万之介 |
| 吉積華子 |
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| 五世野村万之丞 贈八世野村万蔵 |
| 二世野村与十郎 九世野村万蔵 |
| 二世野村萬斎 |
| 野村昌司 ※ |
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| 二世野村万禄 |
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| 野村太一郎 |
| 野村虎之介 六世野村万之丞 |
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※ は観世流シテ方能楽師。
﹁萬狂言﹂[編集]
萬狂言︵よろずきょうげん︶は2000年︿平成12年﹀に八世野村万蔵︵五世野村万之丞︶が設立した野村万蔵家の狂言師が所属する組織、団体である。また、野村万蔵家を統括する組織でもある。現在の代表は九世野村万蔵︵設立者・八世万蔵の弟︶。種類 | 株式会社 |
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略称 | 萬狂言 |
本社所在地 |
日本 東京都豊島区東池袋5-7-4 |
設立 | 2000年 |
業種 | サービス業 |
事業内容 | 狂言等舞台の企画、実施 |
代表者 | 野村良介(九世野村万蔵)(代表取締役社長) |
主要子会社 |
萬狂言九州支部 萬狂言関西支部 萬狂言北陸支部 |
関係する人物 |
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外部リンク | 和泉流野村万蔵家 萬狂言 |
特記事項:東京の萬狂言本部の他、九州支部と関西支部と北陸支部がある。 |
萬狂言Youtubeチャンネル | |
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人物 | |
国籍 | 日本 |
YouTube | |
チャンネル | |
活動期間 | 2020年4月 - |
ジャンル | 舞台(狂言) |
チャンネル登録者数・総再生回数は 2023年8月12日時点。 |
沿革[編集]
野村万蔵家8代目当主であった八世野村万蔵︵1959年-2004年︶は、狂言を守っていくためには一門を統括し、﹁家﹂を組織化する必要性を強く感じていた。
1995年1月に七世野村万蔵︵現在の野村萬︶は自身の長男・八世野村万蔵︵五世万之丞︶に家督を譲った。これにより、八世万蔵︵五世万之丞︶が万蔵家当主となった。
八世万蔵︵五世万之丞︶が当主になると複数に分かれていた野村万蔵家の組織改編に乗り出した。八世万蔵︵五世万之丞︶の当主就任と同時に一門を統括する組織である﹁萬の会﹂を設立した。
その後、2000年1月、﹁萬の会﹂の設立者である八世万蔵︵五世万之丞︶は前述の﹁萬の会﹂と地方の複数の組織を統合した組織﹁萬狂言﹂を設立し、初代代表に就任した。また八世万蔵︵五世万之丞︶は地方に狂言を広めるため﹁萬狂言九州支部﹂、﹁萬狂言関西支部﹂など5つの﹁萬狂言﹂の支部も設立した。
なお、﹁萬狂言﹂の名前の由来は設立者・八世万蔵︵五世万之丞︶の祖父の六世万蔵が﹁よろづ会﹂という活動をしていた事と、野村万蔵家代々の稽古場が﹁よろづ稽古場﹂と呼ばれる事が由来となっている。
しかし、2004年6月10日に八世野村万蔵︵五世万之丞︶は志半ばのまま44歳で早世した。その後は八世万蔵︵五世万之丞︶の弟・九世野村万蔵︵良介︶と父の野村萬︵七世万蔵︶が中心となり、﹁萬狂言﹂を守り組織を成長させている。なお、﹁萬狂言﹂は2011年に株式会社となった。
現在は90代となった人間国宝・野村萬︵七世万蔵︶の他、当主・九世野村万蔵の息子・六世野村万之丞、野村拳之介、野村眞之介兄弟や石井康太や小笠原弘晃など若手の狂言方の活躍も著しい組織となっている。
また、近年は六世野村万之丞を中心とする、﹁萬狂言Youtubeチャンネル﹂を開設し若い世代への狂言の普及活動も行っている。
主な所属者[編集]
他、多数の狂言方能楽師が所属している。
過去の所属者[編集]
●八世野村万蔵︵萬狂言設立者、初代代表︶ ●野村太一郎﹁ACT.JT﹂[編集]
ACT.JT︵アクトジェーティ︶は2001年︿平成13年﹀に八世野村万蔵︵五世野村万之丞、1959年-2004年︶が設立した﹁大田楽﹂や﹁真伎楽﹂の企画、運営などを行うためのNPO法人である。 現在の理事長は五世万之丞︵八世万蔵︶の父である野村萬。創立者 | 野村耕介(八世野村万蔵) |
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設立 | 2001年(NPO法人化は2003年) |
所在地 | 東京都豊島区東池袋5-7-4 |
主要人物 |
理事長:野村太良(野村萬) 理事:野村良介(九世野村万蔵) |
活動内容 | 狂言や大田楽などの舞台の企画、実施 |
前身組織・「日本楽劇人協会」について[編集]
1996年7月に八世野村万蔵︵五世野村万之丞、1959年-2004年︶ により設立され、﹁大田楽﹂や﹁平和楽﹂や﹁真伎楽﹂の上演・主催・共催・協力事業を行う組織であった。
その主な活動は全国各地に広がり全国各地で﹁大田楽﹂﹁平和楽﹂の上演を行う組織へと成長していった。また、五世万之丞︵八世万蔵︶は﹁わざおぎ﹂など大田楽の下部組織も多数設立した。2001年に﹁ACT.JT﹂に名称変更し、NPO法人となった︵初代理事長は設立者である五世万之丞︶。
なお、初代理事長は設立者である五世万之丞︵八世万蔵︶本人であったものの、NPO法人化から2年目の2004年に五世万之丞︵八世万蔵︶が44歳の若さで死去したため、現在は父の野村萬が亡き息子に代わり理事長を務めている。また、父の萬と弟の九世万蔵が五世万之丞︵八世万蔵︶の遺志を引き継ぎ狂言方の活動と並行して﹁ACT.JT﹂の活動をしている。また、五世万之丞︵八世万蔵︶が設立した所謂、兄弟組織である﹁萬狂言﹂ともコラボした活動している。 また、八世万蔵の弟の九世野村万蔵は和泉流、大蔵流という流派の壁を取り払った﹁立合狂言会﹂の企画、運営など、新たな狂言のあり方を目指した兄の遺志を継いだ活動に行っている。 五世野村万之丞︵八世野村万蔵︶が企画、復興に取り組んだものの、志半ばに終わってしまった﹁大田楽﹂や﹁真伎楽﹂の公演などを行う組織である。
日本の古典芸能や中世芸能による、教育、地域振興、海外との文化交流などを行っている。また、八世万蔵が復興、作成に取り組んだ伎楽、雅楽、田楽、能楽、邦楽などの芸能を後世に八世万蔵の志とともに遺すべく公演実施し、ワークショップ、一般参加、学校の授業などいろいろな形で提供する組織である。 また、芸能との出会いから、老若男女が年齢の別なく楽しめる場づくり、人づくりを行い未来に向ける活動を行っていた八世万蔵の遺志であった﹁日本人の心﹂を伝える活動を展開している。
その主な活動は全国各地に広がり全国各地で﹁大田楽﹂﹁平和楽﹂の上演を行う組織へと成長していった。また、五世万之丞︵八世万蔵︶は﹁わざおぎ﹂など大田楽の下部組織も多数設立した。2001年に﹁ACT.JT﹂に名称変更し、NPO法人となった︵初代理事長は設立者である五世万之丞︶。
概要[編集]
ACT.JTは五世野村万之丞︵八世野村万蔵、1959年-2004年︶により、﹁日本楽劇人協会﹂の後続組織として2001年に設立され、2003年には内閣府より法人格の認可を授かったNPO法人である。なお、初代理事長は設立者である五世万之丞︵八世万蔵︶本人であったものの、NPO法人化から2年目の2004年に五世万之丞︵八世万蔵︶が44歳の若さで死去したため、現在は父の野村萬が亡き息子に代わり理事長を務めている。また、父の萬と弟の九世万蔵が五世万之丞︵八世万蔵︶の遺志を引き継ぎ狂言方の活動と並行して﹁ACT.JT﹂の活動をしている。また、五世万之丞︵八世万蔵︶が設立した所謂、兄弟組織である﹁萬狂言﹂ともコラボした活動している。 また、八世万蔵の弟の九世野村万蔵は和泉流、大蔵流という流派の壁を取り払った﹁立合狂言会﹂の企画、運営など、新たな狂言のあり方を目指した兄の遺志を継いだ活動に行っている。 五世野村万之丞︵八世野村万蔵︶が企画、復興に取り組んだものの、志半ばに終わってしまった﹁大田楽﹂や﹁真伎楽﹂の公演などを行う組織である。
日本の古典芸能や中世芸能による、教育、地域振興、海外との文化交流などを行っている。また、八世万蔵が復興、作成に取り組んだ伎楽、雅楽、田楽、能楽、邦楽などの芸能を後世に八世万蔵の志とともに遺すべく公演実施し、ワークショップ、一般参加、学校の授業などいろいろな形で提供する組織である。 また、芸能との出会いから、老若男女が年齢の別なく楽しめる場づくり、人づくりを行い未来に向ける活動を行っていた八世万蔵の遺志であった﹁日本人の心﹂を伝える活動を展開している。