ブックマーク / manba.co.jp (2)
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鳥山明は、縦の間白︵コマとコマの間︶より横の間白を広くとり読みやすくする工夫など、先鋭的な作品ではむしろダサく見えてしまう表現上の更新もしている。が、それが典型的に示すように、新しい革新的な表現に注目しがちな批評言説からは注目されにくい作風である。けれど、彼は間違いなくジャンプ最盛期の牽引役で、その後のジャンプ路線のシンボルだった。のちにジャンプを支える﹃NARUTO﹄の岸本斉史、﹃ワンピース﹄の尾田栄一郎ら、多くのジャンプ作家に影響を与えた。いわば読者を育て、そこから作家を生み出したのである。いいかえると、彼はジャンプの基準、範例のようにも見なされ、結果﹁明朝体﹂のように感じられるようになったのかもしれない。 鳥山明はとてつもない作業量をこなし、しかも締め切りを守った。その理由が、会社員を経験したので、︿原稿が遅れるといろんな人に迷惑がかかる﹀*1と思ったからだという。ただ、絵を描くのが
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漫画に限らずフィクションというものには、悪玉を主人公にした作品というものが少なからず存在します。そういった作品では、主人公に悲しき過去があったり、悪ならではの美学が存在したりして、悪とはいえ読者が応援したくなったり憧れたりするような何かが存在するのがセオリーでありましょう。ですが、今回紹介する梶原一騎+中野喜雄﹃人間兇器﹄の主人公・美影義人は一味違います。この男、本当にいいところが何一つないんです。彼を象徴するコマを一つ引用しましょう。 ﹃人間兇器﹄合本版1巻767ページより ﹁おれは勝てそうな相手にゃすぐトサカにくるんだ!﹂ですよ。こんな情けないことを堂々と言える主人公はそうそういません。そして言葉だけではなく実際に、自分より弱い相手には暴虐の限りを尽くします。では自分より強い相手に対してはどう出るか。 ﹃人間兇器﹄合本版1巻682ページより ご覧の通り、すぐ土下座し、泣きわめき、命乞い
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