開発の社会的背景 日本のイチゴは高品質で海外需要が高く、輸出拡大のために、新規参入も含めた生産基盤の強化が求められています。しかし、国内のイチゴ生産は温室を利用した促成栽培が主流で、冬季の暖房費に多くのコストがかかります。また、他の施設野菜に比べて栽培管理や収穫に多くの人手がかかり、労働時間も1人当たり年間2,000時間/10a程度を要しています。賃金の上昇や燃料代の高騰が進む中で経営を維持するには、生産をより効率化して単位面積当たりの生産性を向上させることが必要です。そのためには、作物の生育データに基づいて環境制御、管理作業や労務・出荷計画を最適化することが有効です。しかし、高齢化による労働力不足もあり、生産現場では、作物の生育データを人手を割いて詳細に計測する余裕はありません。このような社会的背景から、誰もが効率的にイチゴ生産を行うことをサポートするため、省力的な作物の観測技術の開発が