2000年代以降、日本のTVアニメにおけるクレジットアニメーションは単なる世界観のプレゼンテーションに留まらない映像表現を見せている。その背景には映像制作のデジタル化はもちろん、動画プラットフォームのコミュニティから輩出されたモーショングラファーがグラフィックとセルアニメを高度に統合したクレジットアニメーションを制作するようになった状況がある。本稿ではこれらのTVアニメのクレジットアニメーションがどのような歴史文脈の上にあるのか考察してみたい。 バナー画像:Oskar Fischinger, An Optical Poem, 1938 ◎モーショングラフィックスとは そもそも「モーショングラフィックス」という言葉を最初に用い始めたのは、CGアニメーションの父と呼ばれるジョン・ホイットニーだ。ホイットニーは第二次世界大戦後、爆撃や対空砲火の照準装置のメカニズムを応用したアニメーション装置によ
![モーショングラフィックス文化とTVアニメのクレジットシーケンス|ARTICLES|The Graphic Design Review](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/2e672d7e381f0e47512c14f1d28b5e0a42410d14/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgdr.jagda.or.jp%2Fwp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2024%2F04%2FOpticalPoem-scaled.jpg)