ブックマーク / synodos.jp (8)
-
政府が成長戦略の一環として掲げる﹁働き方改革﹂。主に焦点が当てられている“長時間労働の是正”については、罰則付きの時間外労働の上限規制の導入がとりまとめられた。この問題に、私たちはどう向き合っていくべきなのか。4月1日に﹃なぜ、残業はなくならないのか﹄︵祥伝社︶を上梓された、千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平氏に伺った。︵取材・構成/大谷佳名︶ ――﹁日本人は勤勉だ﹂とよく言われますが、長時間労働による過労死など働きすぎが問題になっていますね。 そもそも日本人は勤勉かどうかを疑うべきです。日本人が勤勉にみえるのは、職場の共同体化、あるいは後述する“雇用契約の曖昧さ”などの副産物だと私は見ています。社会の構造が変わらない限り、﹁長時間労働は仕方がないものだ﹂という風潮を変えるのは難しいと思うのです。勤勉さをいかに換金化するかの発想の方が大事だと思います。 ――そもそも、なぜこれほど長
-
都市に住むことの本当の価値とは?――﹁東京一極集中の弊害﹂論の誤り ﹃東京どこに住む?﹄著者、速水健朗氏インタビュー 情報 #新刊インタビュー#都市間格差#東京どこに住む? 今、世界中で都市への人口一極集中が起きている。日本においても東京中心部の移動が活発化する中、政府は地方移住の促進など人口拡散を目指す政策を進めている。しかし、そもそも都市への人口集中は何が問題なのか。どこに住むかの重要性がかつてなく高まっている現代において、都市に住むことの本当のメリットとは何なのか? その真相に迫った本﹃東京どこに住む? 住所格差と人生格差﹄︵朝日新書︶の著者、速水健朗氏にお話を伺った。︵聞き手・構成/大谷佳名︶ ――今日は﹃東京どこに住む? 住所格差と人生格差﹄の著者である速水健朗さんにお話を伺います。この本のテーマについて教えてください。 いまの日本の人口政策は、東京への人口一極集中を食い止めて、
-
大岡昇平の小説などでも知られる、フィリピンでの日米決戦。日本軍はフィリピンで何をしたのか。そして両国の友好の道筋と、今後の課題とは。アメリカ・フィリピン・日本の3カ国にわたる国家・社会関係史の専門家、一橋大学社会学部教授の中野聡氏が解説する。TBSラジオ荻上チキSession-22 2016年01月27日放送﹁天皇・皇后両陛下がフィリピン公式訪問。戦時中、日本軍は何をしたのか?﹂より抄録。(構成/住本麻子) ■ 荻上チキ・Session22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる﹁ポジ出し﹂の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて﹁探究モード﹂、﹁バトルモード﹂、﹁わいわいモード﹂などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きます。あなたもぜひこのセッションに参加してください。番組ホーム
-
﹁消えた子ども﹂――虐待や貧困などにより、自らの意思に反して社会から姿を消してしまった子ども。﹁不登校﹂として認知されていたり、保護者と連絡がとれていることで﹁無事﹂と判断されてきたこともあり、その実態はほとんど把握されてこなかった。NHKスペシャル﹁消えた子どもたち﹂取材班は児童福祉関係などの諸機関1377ヶ所を対象に、独自の大規模アンケート調査を行った。そこに浮かび上がってきたアウトラインとは? ﹃ルポ 消えた子どもたち﹄からアンケート結果をまとめた部分を転載する。 集計の結果、﹁消えた子どもたち﹂は、この10年の間に施設に保護されていただけでも、少なくとも1039人いたことが明らかになった。記録が残っていない施設や、未回答の施設があること、そもそも保護されていない子どもがいることを考えると、この結果は氷山の一角であり、相当数の子どもが社会との接点を失って姿を消し、危機に直面しているこ
-
敗戦から70年を経た今日、沖縄戦のみならず戦争体験の継承は体験者の減少とともに難しい局面を迎えつつあります。 私たち非体験世代は、体験がないからこそ、体験者が遺して下さる言葉や資料を頼りに、それぞれの視点で戦争の教訓を見出し、今日化し、何をどのように継承するのか模索し続ける必要があります。 今回ご紹介する﹁ハンセン病患者の沖縄戦﹂は、沖縄戦記録の中でもあまり知られていません。しかし、圧倒的少数者であったハンセン病患者の沖縄戦を辿るとき、戦時体制が弱者の上にどのように構築され、どのように切り捨てられ殺されていくのか、凝縮された戦場の実態を見ることになります。また、ハンセン病をめぐる差別や偏見の歴史から、市民の加害責任を問われることにもなります。 戦争を単純化せず、戦争への想像力をはぐくむためにも、個別具体的な被害や加害の事象を地道に積み上げていかねばなりません。ハンセン病患者たちの沖縄戦被害
-
空襲の安全神話1枚の写真をご覧いただきたい。 畳の上に炎があり、男女3人が水をまいている。昭和13年に東部軍司令部の監修で作られた12枚組ポスターの一つで、今でいう政府広報である。表題には﹁落下した焼夷弾の処理﹂とある。 それにしても不思議な光景である。屋根を突き破って落ちてきた割には弱々しい炎。天井や畳は燃えていない。焼夷弾の間近に迫って怖くないのか。アメリカ軍の焼夷弾はその程度のものなのか。一杯目のバケツで水をかけた後は、一体どうするのか。この一つの炎のために次々とバケツリレーをするのか。謎が深まる。 もう1枚。同じ12枚組の1つである。 ショベルの先に小さな﹁焼夷弾﹂らしき物体があり、﹁折よくば戸外に投出せ﹂と書かれている。こちらも、畳や障子はまったく無傷である。 こんな対処法が可能とは思えない。実戦で使用された焼夷弾は、発火装置と燃焼剤が一体となっており、投下されると数十メートル
-
日本では﹁死因のウソ﹂がまかり通っている!?ずさんな死因究明制度が引き起こす、知られざる社会問題とは。話題の本﹃死体は今日も泣いている﹄著者・法医学者の岩瀬博太郎氏にお話を伺った。︵聞き手・構成/山本菜々子︶ ――本書を読んで、とても驚きました。現代の日本に生きていたら、異状死した場合、解剖されて死因を調べてくれるものだと思い込んでいたので。 皆さんそう思っているようですが、日本で解剖され死因が調べられることはまれです。外国では異状死の解剖率が9割近い国もありますが、日本は約1割です。 ――非常に少ないですね。異状死した場合、どうやって死因が決められるんですか。 大抵の先進国では、死因が分からない場合、解剖して死因を特定しなければ犯罪性があるか判断できないので、司法解剖を実施します。ですが、日本は特殊で、解剖する前の段階、つまり警察による検視の段階で、犯罪性の有無を判断してしまい、犯罪性の
-
携帯電話を手にしたアフリカ牧畜民、その光と影 湖中真哉 アフリカ地域研究 / 人類学 / グローバリゼーション研究 国際 #アフリカ#牧畜民#携帯電話 サヴァンナに屹立し、携帯電話で通話する牧畜民︵遊牧民︶マーサイの美しい戦士が描かれた巨大な看板。ケニアの首都ナイロビの路上で、それを目にするようになったのはここ数年のことである。おそらくは、﹁我が社の通信網ではこんな僻地でも圏内ですよ﹂ということを強調するための携帯電話会社の広告なのだが、たしかに印象的ではある。 近年、国内外で、アフリカ牧畜民の携帯電話利用を扱った報道をよく目にするようになった。しかし、まさか、BBCや朝日新聞でもとりあげられるようになるとは、筆者も夢にも思っていなかった。携帯電話を利用するアフリカの牧畜民、とくにマーサイの姿は、相当印象的に見えるらしく、いまや世界中の注目を集めている。筆者も、グローバリゼーションの典型例
-
1
キーボードショートカット一覧
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く
設定を変更しましたx