北海道釧路市の阿寒湖を訪れる観光客らに、アイヌ民族の伝説として紹介されてきた﹁恋マリモ伝説﹂が、大阪市の元出版社社長︵故人︶による創作だったことが、遺族が釧路市教委へ寄せた資料から明らかになった。作者はアイヌ民族に聞いた話から着想を得たとのメモを残していた。阿寒観光協会まちづくり推進機構は﹁出典を明らかにした上で、今後も語り継いでいければ﹂としている。 恋マリモ伝説は、恋仲となったアイヌ民族の若い男女が身分違いから結ばれず阿寒湖に身を投げ、魂が姿を変えてマリモになった物語。昭和初期に阿寒湖観光の宣伝で使われ始め、今もイベントなどで取り上げられている。 ただ、アイヌ民族や研究者の間では和人の創作との見方もあった。釧路市教委マリモ研究室の若菜勇室長は十数年前、22年に朝日新聞社から発行された公募小説集﹁山の伝説と情話﹂にも同じ物語が収められ、作者が﹁永田耕作﹂だと突き止めた。 今年7月、永田さ