﹁財政赤字で国が破綻することはない﹂。﹁財政規律が緩み、極めて危険だ﹂。最近、ネットから国会に至るまで、こんな論争が巻き起こっています。発信源はアメリカ。MMT=現代貨幣理論をめぐって、賛否両論が飛び交っているのです。財政赤字の拡大を容認するこの理論に神経をとがらせているのが、財務省です。日本が、“成功例”とされているからなんです。︵経済部 豊田太記者︶ 主な提唱者であるニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授などの学説によれば、その中心的な考え方は﹁自国で通貨を発行している国家は、債務返済に充てるお金を際限なく発行できるため、政府債務や財政赤字で破綻することはない﹂というものです。このため、景気を上向かせ、雇用を生み出していくためにも、行き過ぎたインフレにならなければ、﹁政府は財政赤字を気にせず、積極的に財政出動すべきだ﹂と説いています。 このMMT、2018年11月にニューヨー