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都知事選
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現象学と自然主義の存在論的差異 本論は、現象学と自然主義の違いを存在論の対立として描き、その上で自然主義を擁護することを目的としている。現象学と自然主義の対立はおそらく、存在論の違いだけに存するのではない。現象学を好む精神は繊細の精神であり、自然主義を好む精神は幾何学的精神であるというような違いも存在していると、私は考えている。それでも両者の対立に存在論という観点からアプローチするのは、両者の差異が両者の存在論の差異において最も際立つと考えたからに他ならない。 1節では、存在論とはいかなるものであるかを確認し、言葉の用法が混乱している状況を指摘した上で、これまでにどのような存在論が提起されてきたかを紹介する。2節では、複数の存在論が林立する時に、それらがどのように評価され、優劣を付けられるかについて考察したい。この考察によって、自然主義的存在
以下は、レヴィナスの主著『全体性と無限』の勉強会のために作成したレジュメである。用いたテクストは以下のとおり。 E.Levinas, "Totalite et Infini," La Haye: Nijihoff, 1961 レヴィナス著、熊野純彦訳、『全体性と無限』、岩波書店、2006 『全体性と無限』レジュメ 上巻p126〜151 第1部B後半における中心的なテーゼは、無限なる他者との関係はまっすぐに顔を向かい合わせる対面の関係であり、これが全体性への統合に抵抗し、人と人との社会的倫理的な関係の多元性を拓くのだということである。だがp135〜p142では、顔の裸形についての議論と、悲惨を訴える異邦的なる他者の視線に対する贈与が普遍性を創立するのだという主張が挿入されており、異彩を放っている。 p126〜130 レトリックと不正 「レトリックは、正面からではなく斜めから〈他者〉
はじめに 巨大な対象の全貌を見通すには、対象から距離を取らなければならない。21世紀になってからの7年という期間は、20世紀という巨大な対象の全貌が姿を現すのに十分な時間であったかどうかは分からないが、20世紀にはどのような著作が出版されたのかを纏めてみようと私が思い立ったのは、著作の被引用数、すなわち任意の著作が他の著作にどれだけ引用されているかが、Google Scholarを用いて調べられることが分かったからである。この小論の目的は、被引用数という指標を用いて、20世紀の文系学術書のランキングを作ることである。以下には、「文系学術書」という限定が必要であった理由を記そう。 ある著作の被引用数という指標は、その著作が学術の世界でどれだけ影響力があったかを客観的に知る手がかりになる。被引用数という指標は、引用し、引用される著作のネットワークの中で、任意の著作がどのようなポジションにいる
榊原英輔の哲学あれこれ 〜トップページ〜 新着コンテンツ 08年3月31日 英語論文 CONVENTIONS AND FAILURE OF COMMUNICATION In addition to that, we cannot say that the conversation failed because Betty did not appropriately follow the principles of charity in this case. This is because even the ideal hearer could not take into consideration the information which would be given on September 2nd on September 1st, when Betty made a phone c
プラグマティズム 真理の可謬性 過去による限定 アブダクションの論理学 自然から人間へ 実践のための手段としての真理 記号過程としての推論 道具主義とプラクシス 真実の現金価値 参考文献 プラグマティズムとは、真理を可謬的であるとし、それを実践のための手段であると考える立場である。ここでは、プラグマティズムを唱える、パース、ジェームズ、デューイ、ミード、ローティの文献を頼りつつ、私たちがプラグマティズムから学び取れることを検討していきたい。検討は、便宜的に、真理を可謬性という論点と、実践のための手段としての真理という論点を分けて論じることにするが、二つの論点は、実は細部において絡み合っている。 真理の可謬性 真理の可謬性とは、要するに「すべては仮説である」という主張に他ならないが、これはさらに二つの契機に分割することができる。それは第一に、私たちは仮説から出発しなければな
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